柔道整復師は、接骨院・整骨院だけでなく幅広い活躍ができる資格で、その需要は今後も益々高まります。ここでは実際、どのようにすれば柔道整復師の取得方法だけでなく、給料やよく似ている資格である理学療法士との比較についてまで解説します。
柔道整復師とは
柔道整復師は、骨・関節・筋・靭帯などにかかる負荷が原因によって発生する骨折・脱臼・打撲・捻挫・挫傷などに対して治療を行う専門職で、以前より「ほねつぎ」「接骨師」としても広く知られている国家資格です。近年では、活躍の場も広くなっており、「スポーツトレーナー」として活躍している柔道整復師も多くいます。
受験資格
柔道整復師を目指すには、柔道整復師養成施設として認定されている専門学校・大学を卒業する必要があります。
大学
大学に入学する学生の多くは高校を卒業した現役がほとんどで、4年間に渡って柔道整復師に関する勉強を行います。4年間という長い期間あるため、柔道整復師に関する内容だけでなく、一般教養に関しても学べます。
また、柔道整復師の資格を取得したうえで、「スポーツトレーナーなど活躍の範囲を広げたい」、「教員免許を取得して給料をアップしたい」など大卒の資格がないと取得できない場合などには大学がおすすめです。ただ現状では、柔道整復師が目指せる大学は数少ないため選択肢が少ない、資格を取得するのに専門学校より1年長く期間を要するなどのデメリットもあります。
専門学校
専門学校の特徴は、3年制で大学と比べて現場で必要な実技の時間が多く設けられています。通学期間も3年と限られているため、カリキュラム全体が柔道整復師関連の科目に特化しているため、現場において即戦力となりやすい傾向です。
また、夜間部が設置されている専門学校も多く存在するため、高校を卒業した現役だけでなく、社会人として働きながら専門学校へ通学している場合も多くあります。さらに大学と比較すると、多くの学校が存在するため、さまざまな選択肢を行えます。専門学校のため、大卒の資格は取得できませんが、柔道整復師として早く活躍したい場合にはおすすめです。
試験の合格率
国家試験合格率は減少傾向となっており、以前までは90%前後の合格率でしたが、現在では60%程度となっており、具体的な合格率は下記のようになります。
年度 | 受験者数 | 合格者数 | 合格率 |
2018年(第26回) | 6,321人 | 4,054人 | 65.8% |
2019年(第27回) | 5,270人 | 3,401人 | 64.5% |
2020年(第28回) | 2,486人 | 1,626人 | 65.4% |
2021年(第29回) | 4,561人 | 3,011人 | 66.0% |
2022年(第30回) | 4,359人 | 2,740人 | 62.9% |
他医療職の合格率を比較すると、理学療法士の場合は80~90%、はり師・きゅう師の合格率は70~80%程度、あん摩マッサージ指圧師の合格率は80%以上と、どの資格を比較しても柔道整復師の難易度が分かります。
柔道整復師を取得した後の働き方
柔道整復師の多くは整骨院・接骨院で働きますが、近年では、医療・介護・スポーツの分野でも活躍する場合も多くなっています。柔道整復師を取得した後の具体的な働き方は下記のようになります。
仕事内容
手術・注射・レントゲンなどを実施することはできず、骨折・脱臼・打撲・捻挫などに対して下記の方法で施術を行ないます。
整復法
骨折、もしくは関節が外れた場所を元に戻す方法です。痛めた部位に関する問診・触診・視診などを行ってから、引っ張る・圧を加えるなどを実施します。
固定法
骨折・脱臼などした場所に対して、包帯・三角巾などを使用して、一定期間固定することで、患部の腫れ・血管や神経の損傷を予防します。
後療法(こうりょうほう)
傷ついた場所に対して施術を行う方法です。この後療法には低周波などの電気を行う「物理療法」、リハビリを目的とした「運動療法」、お揉んだりさすったりする「手技療法」に分かれ、1人ずつに対して必要な療法を実施します。
年収
平均年収は約300~400万円となっていますが、経験年数・スキルに応じて、600~700万円程度になる場合もあります。また、柔道整復師には開業権があるため、独立開業した場合は高収入を得られる可能性もありますが、接骨院・整骨院の数は非常に多くなっているため、競争に勝つには容易ではありません。近年では、スポーツトレーナー・病院の整形外科・介護施設などで働く柔道整復師も増加しており、その場合には好条件で就職できる場合もあります。
年収をアップさせる方法
柔道整復師として年収をアップさせる方法は下記があります。
役職付きの求人を探す
接骨院・整骨院を多く経営している会社の場合、院長・エリアマネージャーなどの役職付きで求人が出ている場合があります。役職が付くと店舗を任されるという大きな責任感が出ますが、その分、給料の昇給も期待できます。
機能訓練指導員として働く
柔道整復師を取得していると、高齢者の方が自立した生活を送るために、歩行練習・筋力トレーニング・マッサージなどを行う機能訓練指導員としても働けます。今後の日本は高齢化が加速するため、機能訓練指導員の必要性はより高まり、場合によっては接骨院・整骨院で勤務するよりも給料をアップできる可能性があります。
開業する
柔道整復師は開業権が認められているため、独立開業した結果、年収が1,000万円以上になる場合もあります。しかし、近年では接骨院業界の競争は激化しているため、柔道整復師のスキルだけでなく、経営・マーケティングなどのスキルも合わせて取得しなければ、生き残るのは困難です。
専門分野
柔道整復師は、上記で解説したように骨折・捻挫・打撲・脱臼などの外傷に対して施術を行います。一方、理学療法士は、骨折・脳卒中などの原因によって身体機能が低下した人に対して、筋力強化・動作練習・歩行練習などを行い身体機能の維持・向上を図ります。
開業権の有無
柔道整復師は、骨折・脱臼など業務範囲内の外傷であれば、医師からの指示を必要とせず、自己判断で外傷治療を行える唯一の職業です。医師からの指示なく、直接的な医療行為ができるため、スポーツトレーナーの現場でも重宝される存在です。
一方で、理学療法士は医師の指示の下にリハビリを行う必要があり、自己判断では実施できません。そのため、病院内などで、医師・看護師など他のスタッフと連携して仕事をすることが重要になります。
就職先
柔道整復師は接骨院・整骨院だけでなく、整形外科・介護系の施設・スポーツトレーナーなどへの就職が可能で、自己診断で施術できるため、多くの業界で活躍が期待できます。理学療法士も病院・介護施設・身体障害者福祉施設などに勤務していますが、約80%の理学療法士が病院勤務となっていることから、一般的な就職先としては、病院となります。
柔道整復師の将来性
柔道整復師は多くの場所で活躍できるため、将来性は高くなっています。具体的な理由としては下記のような内容があります。
国家資格という信頼性
国家資格になるため、誰でも柔道整復師の仕事ができるわけではなく、実際に資格を取得するのは簡単ではありません。特に近年の国家試験の合格率は60%台と難易度も低くありません。
高齢化の加速
「令和3年版高齢社会白書」によると、2020年度の高齢化率は28.8%でしたが、高齢化率は年々増加しています。実際、総務省統計局によると、2022年における国内の高齢者割合は29.1%と過去最高となり、2040年には高齢者の割合が35.3%になると予測されています。さらに、厚生労働省が発表した「2019年 国民生活基礎調査の概況」によると、介護が必要になった原因の多くは「骨折・転倒」であることがわかっています。柔道整復師は、骨折・捻挫の施術をする専門家であるため、重要性は益々増加すると予測されます。
腰痛・肩こりの需要は高い
厚生労働省が発表した「2019年 国民生活基礎調査の概況」によると、男女とも「自覚症状のある病気やけが」において腰痛・肩こりは上位です。仕事による長時間のデスクワークなどが原因で腰痛・肩こりに悩まされている人は多くいる一方で、日々身体のメンテナンスを意識する人も多くなっています。このことからも、接骨院・整骨院を利用する人は今後も増えていくと予想されます。
独立開業ができる
医療職でありながら、医師以外で開業できるのは大きな魅力です。独立開業すれば、厳しい道ではありますが、しっかりと経営できれば、高年収の可能性が大いにあります。
柔道整復師は今後さらに需要が高くなる
今回解説した内容からも分かるように、柔道整復師の需要は変わらないだけでなく、益々高くなることが予想されます。また、独立開業も可能なため、高収入も見込めるおすすめの資格です。
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