国家資格として認定されている作業療法士ですが、さらなるキャリアアップのためには関連資格を取得するのがおすすめです。本記事では介護施設に勤務する作業療法士なら持っておくべき資格をピックアップして紹介します。
認定作業療法士
認定作業療法士とは、作業療法の臨床実践、教育、研究及び管理運営に関する一定水準以上の能力を有する作業療法士を指す、一般社団法人日本作業療法士協会が定める認定資格です。一定の経験を積んだ作業療法士には人気の資格であり、さらなるキャリアアップが期待できます。取得するには①基礎研修を修了していること②実務経験が5年以上であること③協会が指定する研修(共通研修3つ、選択研修2つ)を受講していること④事例報告を3例行うこと、の4条件を満たす必要があります。2023年8月1日現在1378名が資格を取得していますが、認定要件が難しく、割合はかなり少ないです。その分、自己研鑽につながり、周囲からも評価される資格ともいえます。
専門作業療法士
専門作業療法士とは、特定の専門作業療法分野において高度かつ専門的な作業療法実践能力を有する作業療法士を指す、認定作業療法士と同様に一般社団法人日本作業療法士協会が定める認定資格です。専門分野に特化した認定作業療法士の上位資格と位置づけられています。専門分野は福祉用具、認知症、手外科、特別支援教育、高次脳機能障害、精神科急性期、摂食嚥下、訪問、がん、就労支援、脳血管障害に分類されています。取得するには①認定作業療法士であること②4実践(研修実践、臨床実践、研究実践、教育と社会貢献)を修了すること③専門作業療法士資格認定審査に合格すること、の3条件を満たす必要があります。2023年8月1日現在151名と認定作業療法士よりもさらに割合が少なくなります。その分自身が作業療法士として積み上げてきたキャリアを証明する名誉ある資格であるともいえます。作業療法士のスペシャリストを目指したい方はぜひチャレンジしてみてください。
認知症ケア専門士
認知症ケア専門士とは、一般社団法人日本認知症ケア学会が認定する、認知症介護従事者の自己研鑽および障害学習の機会提供を目的に設けられた更新制の資格です。受験資格は試験実施より過去10年の間に3年以上の認知症ケアの実務経験を有する者とされています。取得するにはWeb試験による一次試験、事例に対する論述を提出する二次試験に合格する必要があります。資格取得後も学会誌への投稿や学会での発表機会も設けられているため、継続的に学び続けられます。試験に合格するには基礎知識から社会資源まで幅広い分野の学習が必要である分、実務に活かせるスキルを身に着けられます。有資格者は約4万人おり知名度の高い資格です。認知症を対象疾患とする機会の多い介護施設では取得していると一目置かれる存在となれるでしょう。
認知症ケア指導管理士
認知症ケア指導管理士は一般社団法人職業技能振興会が制定する、認知症の方への適切なケア、ケアを行う方への指導・管理を行える人材の育成など、介護・医療現場で認知症ケアに携わる方の専門性向上を目的に創設された認定資格です。初級と上級が設定されており、初級は資格や実務経験の有無に関わらず誰でも受験可能です。取得するにはマークシート方式の筆記試験に合格する必要があります。上級は初級に合格していること、指定された国家資格を所持していることが受験資格となっています。国家資格は医療、福祉に関わるものであり作業療法士も対象となっています。取得するにはマークシート方式の筆記試験と、認知症ケアに関する論述試験をクリアしなければなりません。初級と上級の試験日は一緒で年2回開催されます。試験時間が午前と午後に分かれているため、初めての受験でも併願が可能です。認知症ケアに関する認定資格としては認知症ケア専門士に比べ、難易度、試験内容の点で資格取得のハードルが低く、キャリアアップのために取り組みやすい資格です。
終末期ケア専門士
終末期ケア専門士とは患者・利用者様の一番近くで支える人として、エビデンスに基づいたケアの実践をおこなえることを目指す、一般社団法人日本終末期ケア協会が定める認定資格です。一定期間の実務経験を有する医療、介護職が受験可能であり、作業療法士であれば実務経験2年以上で受験可能です。取得するには全国のテストセンターで行われるCBT試験に合格する必要があります。試験勉強を通じて終末期ケアに関する医学的な知識だけでなく、精神的なケア、倫理観についても学べます。高齢化に伴い、死者数も増加していく社会の中、介護施設でも対象者を看取る機会も増えていくことが予想されます。対象者が看取られるまで、その人らしい終末期を過ごせるよう支援するのも作業療法士の専門分野です。終末期ケア専門士を取得することで、専門性をより高められるでしょう。
福祉住環境コーディネーター
福祉住環境コーディネーターとは、医療・福祉・建築について体系的で幅広い知識を身に着け、高齢者や障がい者に対して住みやすい住環境を提案するアドバイザーです。東京商工会議所が定める認定資格となります。1級から3級まで資格区分がありますが、全ての級において誰でも受験が可能です。2・3級はIBT方式、CBT方式から選択、1級はCBT方式のみの受験となっています。資格取得を通じて、住宅改修、福祉用具選定における専門知識を得ることができます。対象者の環境調整がしばしば必要となる介護施設では、重宝される存在となることでしょう。2023年3月時点で累計172万人が受験し、約66万人が資格を取得している、認知度の高い資格でもあります。
ケアマネジャー
ケアマネジャーは正式名称を介護支援専門員といい、要介護者、要支援者の相談や心身の状況に応じるとともに、サービスを受けられるようにケアプランの作成や市町村・サービス事業者・施設との連絡帳を行うものとされています。各都道府県が認定する公的資格です。医療・福祉系国家資格を保有し、実務経験が通算5年以上である者が受験することができ、作業療法士も該当します。資格を取得することにより、介護保険に関する知識をより深め、培ったスキルを対象者に還元することができます。施設によっては作業療法士とケアマネジャーを兼任しての勤務が可能です。生活動作の専門家としての視点をケアマネジャーにも活かすことで、より対象者の意向に沿ったケアプランが作成できるでしょう。資格手当を出す介護施設もあり、給料アップも期待できます。
まとめ
今回は介護施設に勤務する作業療法士なら持っておくべき資格7選を紹介しました。いずれも自身の知識を磨き、周囲からも認められる価値のある資格であり、スキルアップにはぴったりです。一方でキャリアアップを考えたときに現在の分野でより学びを深めるのか、新たに独立・開業・転職を目指すのかによって必要となる資格が変わることでしょう。自己研鑽のために資格を取得することはよいことですが、取得した先にどんなキャリアアップを見据えるのか、考えてから資格を取得することをおすすめします。
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