介護のスキルアップ

認知症介護実践者研修を受講して認知症ケアのスペシャリストになろう!

「介護の仕事をしているけど、認知症の方が苦手。先輩の見よう見まねで対応しているけど、これでいいのだろうか」など、認知症の方の対応で戸惑った経験がありませんか?
介護の仕事に就くとき、認知症の方の特徴などはざっくりと学んだと思います。しかしそれだけでは、認知症の方をケアするのは難しいですよね。
しかしその悩みは、認知症介護実践者研修が解決してくれますよ。
本記事では、認知症介護実践者研修の内容やメリットなどを詳しく解説しています。記事をお読みになれば、認知症ケアのプロへの道を一歩踏み出せます。ぜひ最後までご覧ください。

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認知症介護実践者研修とは認知症ケアの専門家を養成する研修

認知症介護実践者研修は、認知症ケアについて体系立てて学ぶ研修です。国が定めている研修のため信頼度は高いものがあります。そのため、研修修了者も高く評価されるでしょう。受講対象になるのは基本的に介護の仕事に従事している方ですが、細かい要件はありません。しかし自治体の中には、介護経験年数やほかの研修修了などを受講要件としている場合もあるため、確認しておきましょう。
修了のための試験は無く、カリキュラムを終えると修了証が交付されます。また認知症ケアの研修はこれで終わりではなく、ほかにもレベル別にさまざまな研修があるので、さらに上の研修を目指すのもいいでしょう。
例えば、認知症介護基礎研修や認知症介護実践リーダー研修、認知症介護指導者養成研修などがあります。認知症介護実践者研修は基礎研修の次の研修に位置づけられているのです。

認知症介護実践者研修を受講するメリットはあるの

認知症介護実践者研修を受講するメリットは多く、特に介護にたずさわるならキャリア形成のうえでも有利に働くでしょう。
ここでは、研修受講のメリットを3つ紹介します。

・認知症ケアの基本が身につく
・介護のプロとしてステップアップが可能
・転職を有利に進められる

認知症ケアの基本が身につく

認知症介護実践者研修では、認知症介護を理論的に学べます。認知症ケアを感覚的にではなく理論的に学べば、レベルの高い介護サービスが提供できるようになります。その結果、認知症の方へ適切な方法でアプローチできるようになるでしょう。また、認知症ケアはチームアプローチが大切です。そのチームのリーダーにも相応しい人材に成れるはずです。そうなると、自信の介護技術の向上だけにとどまらず、職場全体のレベルアップにも手を貸せようになります。

介護のプロとしてステップアップが可能

認知症介護実践者研修を修了すると、認知症介護リーダー研修を受講できるようになります。認知症介護リーダー研修を修了すれば、認知症ケアができる強いチーム作りを学べます。また、認知症ケアの指導者として認知症について教える道を目指せるなど、キャリアアップの幅が広がるでしょう。少子高齢化はこれからが本番です。認知症ケアのプロフェッショナルな人材は、ますます求められるようになるでしょう。

転職を有利に進められる

認知症介護実践者研修は、事業所によっては資格手当がつきます。そのような事業所にとっては、研修修了者の採用は大きなメリットがあるのです。認知症介護実践者研修修了者を必要としている事業所では、役職がついたり認知症ケアが実践できるやりがいのある仕事についたりと、研修を活かした活躍が期待できます。また、介護関係の仕事にはさまざまな条件の求人がありますが、資格があればよりいい条件で求人を選べます。

認知症介護実践者研修の気になる費用はどれくらい

認知症介護実践者研修の費用は地域によって異なりますが、25,000円〜40,000円が相場となるようです。中には東京都のように、無料で受講できる自治体もあります。また、受講費とは別に教材費がかかるところもあります。教材費を含めた受講費用の総額については、お住いの自治体に確認しておきましょう。

認知症介護実践者研修はどれだけ難しい

研修自体は、カリキュラムを受講してレポートを提出すれば修了できます。修了試験はないため、資格をとれるかどうかと気にする必要はありません。
ただし、以下の3点には留意してのぞみましょう。

・カリキュラムの難易度は高い
・実習レポートがある
・応募が多いと抽選になる

カリキュラムの難易度は高い

たしかに修了試験がないため、カリキュラムを終えれば修了できます。しかしカリキュラムの内容は、レベルの高い物となっています。
認知症介護基礎研修よりも実践的な内容なので、認知症について学んだ経験がない場合、カリキュラムについていくのは大変かもしれません。

実習レポートがある

自治体によって違いますが、受講前と受講後にレポートの提出を求められます。レポートの内容も自治体によって違い、アセスメントの作成を課題にするところもあれば、研修の振り返りを行うところもあります。そのため、レポートを書きなれていない方や、仕事や家事などで時間がない方は大変かもしれません。

応募が多いと抽選になる

ほとんどの自治体で、認知症介護実践者研修の募集定員を設けています。応募が多数いた場合は、抽選やそのほかの方法で定員調整を行います。もし抽選に漏れても、年に複数回実施されるのであきらめずに申し込みましょう。

認知症介護実践者研修で何を学ぶか

認知症介護実践者研修のプログラムは、実施主体によって研修内容が違ってきます。目安として「標準的な研修時間とカリキュラム」が設定されているので、まったく違う内容ではありません。例として東京都のプログラムを見てみましょう。

【eラーニング研修】
●時間
・合計約450分の動画視聴・アンケートの回答

●内容
・研修の意義と目的
・学習成果の実践展開について
・認知症の人の意思決定支援
・認知症介護の理念と倫理
・認知症の人の理解と対応
・若年性認知症の人の理解
・QOL を高める活動と評価の観点
・家族介護者の理解と支援方法
・権利擁護の視点に基づく支援

【1日目】
●時間/講義・演習
・9:20~17:00

●内容
・オリエンテーション
・生活支援のためのケアの演習1
・地域資源の理解とケアへの活用

【1日目 課題】
●時間
1日目終了~2日目前日(約1週間)

●内容
・学習成果の実践展開

【2日目】
●時間/講義・演習
・9:30~17:00

●内容
・学習成果の実践展開の共有
・生活支援のためのケアの演習2
・アセスメントとケアの実践の基本1

【3日目】
●時間/講義・演習
・9:30~17:00

●内容
・アセスメントとケアの実践の基本2
・職場演習の課題設定

~~3日目終了後約2週間~~

【4日目】
●時間/講義・演習
・9:30~17:00

●内容
・職場実習評価
・自分の言葉で捉えなおす認知症ケアの基本理念

※参考: 東京都福祉保健局「令和5年度東京都認知症介護研修のお知らせ(実践者第9~10回、管理者第3回、小規模第2回)

認知症介護実践者研修で学んだことを活かせる仕事

施設の種類によっては、認知症介護実践者研修修了者の配置義務があります。また、加算取得の要件にもなるため、そのような施設では優遇されるでしょう。例えば、認知症対応型通所介護事業所や認知症対応型共同生活介護事業所などの管理者は、認知症介護実践者研修を受講要件としています。そのような施設で将来的に管理者を目指しているなら、認知症介護実践者研修を受ける価値は高いといえます。

【まとめ】認知症介護実践者研修を受講して認知症ケアのスペシャリストに!

認知症介護実践者研修は、認知症ケアの第一人者を育てる研修と言えます。研修を修了すれば、質の高い介護サービスを提供できるようになります。それだけでなく、認知症介護リーダー研修といった上位の研修を目指せ、認知症ケアのスペシャリストへとさらなるキャリアアップができるようになるでしょう。そのため認知症ケアを実践できる人材として、介護業界で重宝されるのは間違いありません。まずはお住いの自治体で、いつ認知症介護実践者研修が実施されるか調べてみましょう。

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