居宅介護従業者とは？仕事内容や資格をとる方法について解説

居宅介護従業者は、障害のある方のお宅で介護や家事のサポートをするお仕事です。
この記事では、障害のある方向けのヘルパーである居宅介護従業者の仕事内容や資格の取り方について詳しく解説します。

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居宅介護従業者とは？

居宅介護従業者とは、障害者の方向けのヘルパーのことです。障害のある方、そしてその家族が地域の中で暮らしやすいようにさまざまな面からサポートするお仕事です。

居宅介護従業者の仕事内容

居宅介護従事者は障害のある方の自宅へ赴き、介護や家事のお手伝い、相談、助言をします。
具体的には次のようなお仕事があります。

●身体介護
体に不自由がある障害者の食事や排泄、入浴、車いすへの移乗など、日常生活に必要な直接体に触れるサポートをします。

●生活援助
食事の準備や掃除、薬の受け取り、買い物などの家事の代行をメインとするサポートです。体などに大きく不自由はなくても、家事までは行き届かない方の負担を軽減できます。

●相談援助
利用者やそのご家族の日常生活や介護に関する相談を聞き、必要なサービスにつなげたり、助言をしたりします。

障害のある方の場合、障害特性や個々の個性によって高齢者の介護とは異なるケアも必要とされます。利用者一人ひとりのニーズに合わせた対応をとるためには、居宅介護従業者としての専門知識や技術が重要となります。

居宅介護従業者の就業先

居宅介護従業者は訪問介護事業所、重度訪問介護事業所が主な就業先です。障害者支援事業は法人だけでなく、市町村や市町村社協が主体となっていることもあります。

●訪問介護事業所
障害のある方の自宅へ訪問し、身体介護や家事のサポート、場合によっては通院の同行なども担います。

近年、障害者の高齢化が社会問題とされています。若い頃は普通に生活を送れていても、高齢化や病気、親の支援を受けられなくなることによって介護や生活のサポートを必要とする障害者は少なくないです。自宅で生活を続けるためにも訪問介護のサービスが重要になります。

●重度訪問介護事業所
重度の身体障害や重度の行動障害を伴う知的障害者、精神障害者の自宅で介護や家事のサポートをします。障害支援区分4以上で一定の条件を満たす方のみが対象となるサービスです。

重度の障害がある方に対応するためには、より高い専門知識と技術を要します。そのため、重度障害者を担当するには、重度訪問介護従業者養成研修を受ける必要があります。
この他にも居宅介護従業者は、次のような就業先でも需要があります。

・障害者グループホーム
・障害者支援施設
・障害者デイサービス
・放課後等デイサービス
・障害者就労支援施設

居宅介護従業者の給料

居宅介護従業者の給料は働く場所によって異なりますが、常勤ではおよそ31万円、非常勤で23万円が相場とされています。

※参考： 独立行政法人福祉医療機構「障害児者居宅介護従業者（ホームヘルパー）」

居宅介護従業者になる方法

居宅介護従業者になるには、研修を修了する必要があります。

実はヘルパーの仕事自体は資格がなくてもできます。しかし、無資格の場合の仕事内容は家事や日常生活のサポートに限られ、身体に触る必要がある身体介護はできない決まりになっています。
そのため、身体介護を含めた細やかなケアを提供するためには研修を受けて居宅介護従業者にならなければなりません。
ここでは居宅介護従業者になるための研修についてご紹介します。

居宅介護従業者養成研修を受ける

居宅介護従業者を名乗るためには次の研修を受ける必要があります。

●居宅介護職員初任者研修（旧：居宅介護従業者研修2級課程）
居宅介護従業者が行う仕事に関する知識や技術を習得するための研修です。居宅介護従業者研修の初級の研修になります。
介護の基本や障害や病気、コミュニケーションなどの介護にかかわる最低限の知識を学びます。

受講要件は特別ないので、だれでも研修を受けられます。介護職の経験がなくても、障害のある方のサポートをしたいと考えている方は受けてみることをおすすめします。

※介護職員初任者研修と名前が似ていますが、別物です。
支援の対象がそれぞれの資格で異なりますので、間違えないようにご注意ください。

居宅介護従業者初任者研修：障害者の介護
介護職員初任者研修：高齢者の介護

●居宅介護職員初任者研修（旧：居宅介護従業者研修2級課程）
介護職員初任者研修：高齢者の介護

●障害者居宅介護従業者基礎研修（旧：居宅介護従業者研修3級）
居宅介護従業者の基礎的な知識や技術を習得するための研修です。多様化する障害者のニーズに適切に応えていくため、専門的な知識を学びます。

介護に関する知識だけでなく、障害者福祉の制度やサービス、医学に関する基礎知識、家事援助について幅広く学ぶことで、さまざまな問題に対処できる人材の育成を図っています。

障害者居宅介護従業者基礎研修は座学に加えて、演習や実際に障害者への在宅サービスを提供している施設への見学実習もあります。

※研修内容は各都道府県によって多少異なる場合があります。詳しくは、所在地の都道府県へご確認ください。

●障害者の居宅介護に関わるその他の研修
障害者の居宅介護に関わる研修には次のようなものもあります。

・重度訪問介護従業者養成研修
常時の介護を必要とする重度の肢体不自由者への身体介護や生活援助、病院への付き添い方法などに関する知識と技術を学びます。

※緊急時対応について学ぶ研修も。

・同行援護従業者養成研修
視覚障害者の外出のサポートをするための研修です。随時、必要な情報の提供と必要な介護や援助のために必要な知識と技術を学びます。

・行動援護従業者養成研修課程
常時の介護を必要とする知的障害者または精神障害者が外出する際のサポートのための研修です。外出時のリスク回避や介護に関する知識と技術の取得を目的としています。

居宅介護従業者1〜3級は廃止された？

平成25年4月の制度改正によって、現行の居宅介護従業者の研修体制になりました。
居宅介護従業者1～3級という制度があったような…と考える方もいるかもしれませんね。

実は、1～3級という区分は制度改正のときに無くなりました。

居宅介護従業者の研修制度の改定

居宅介護従業者の研修制度は、平成25年4月から次のように変わりました。

このため、平成25年4月1日時点で1，2級課程修了済み＆受講中（その後、修了）の方は、居宅介護職員初任者を修了しているとみなし、3級課程修了済み＆受講中の方は居宅介護従業者基礎研修を修了しているとみなすこととなっています。
研修の名称が以前と変わったので、研修を受けるときは間違えないようにしましょう。

居宅介護従業者養成研修の科目免除

居宅介護従業者の研修制度は、平成25年4月から次のように変わりました。
職種や実務経験によって研修科目の免除が受けられるケースがあります。
研修を受ける際は、自分が次のいずれかに当てはまらないかチェックしておきましょう。

・障害者支援施設などの生活支援員
障害者にかかわる施設で生活支援員として勤務した経験がある場合、研修課程の一部を免除できます。

免除内容は施設や職種、経験年数などから決められますので、各都道府県にご相談ください。

・看護師
看護師の資格を持っている場合、居宅介護職員初任者研修の修了と同等のものとして業務できます。ただし、実務から長い期間離れていた方や実務経験がない方は職場で研修を受けることがすすめられています。

・介護福祉士
実務者研修を修了した方は都道府県知事に判断によって、居宅介護職員初任者研修の全科目の免除が可能となっています。

・その他
都道府県や市町村などが実施する在宅介護サービス関連の研修を受けた方で、居宅介護職員初任者研修とすでに受けた研修内容がかぶる科目がある場合には、研修の一部免除が認められます。

まとめ

居宅介護従業者になるには居宅介護初任者研修、障害者居宅介護従業者基礎研修を受ける必要があります。
障害者の介護は問題が多様化・複雑化しています。障害者が自宅で安心して過ごすためには居宅介護従業者の力が必要です。利用者に合わせたニーズに対応していくには、専門知識や技術が重要となるでしょう。障害者のサポートをしたいと考えているならば、居宅介護従業者養成研修を受けることをおすすめします。

研修を受けることでスキルアップや仕事の幅が増えることも期待できます。何より利用者に寄り添うためにも居宅介護従業者として専門知識や技術をぜひ取得しましょう。

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