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高齢者の「座位耐久性の低下」とは?改善方法やトレーニング方法をご紹介します

高齢者に見られる「座位耐久性の低下」は、椅子や車椅子で浅座りになって滑り落ちる、左右どちらかへの傾きや前傾姿勢が見られるといった姿勢の悪さが特徴です。いずれも、姿勢が悪くなることで食事が摂りにくいといった日常生活の不便が生じます。
この記事では、高齢者の座位耐久性の低下を改善するためのトレーニングについてご紹介します。

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高齢者の「座位耐久性」の低下とは?

身体機能が低下した高齢者によく見られるのが、「座位耐久性の低下」です。そもそも、「座位耐久性」とは一体どのようなものなのか。「座位耐久性」とは、椅子に座った時のバランスという意味です。

・椅子に座っていたら、姿勢が崩れて浅座りになってしまう
・お尻が滑って車椅子から落ちそうになってしまう
・食事を摂る際、姿勢が左右に傾いてしまって食べにくい

身体機能や筋力、バランス感覚が低下した高齢者に見られがちなのが、椅子や車椅子に座っている際の姿勢に関する困り事です。座っているとすぐに姿勢が崩れてしまう、椅子や車椅子で浅座りになってしまうという高齢者の方は「座位耐久性」が低下している傾向があります。

高齢者に座位耐久性の低下が起こる原因

浅座りによる椅子・車椅子からの滑り落ちや左右への姿勢の傾きなど。なぜ、高齢者には「座位耐久性の低下」が起こりやすいのか。高齢者の方にバランス感覚や座位耐久性の低下が起こるのには、以下の3つの要因があります。

①骨や関節の歪み・拘縮
・加齢に伴う背骨の湾曲(円背)や前傾姿勢が生じている
・股関節や膝関節などの関節が拘縮し、動きに制限がある

高齢者の多くは加齢に伴い、骨の歪みや関節拘縮などが生じます。そのことが原因で身体全体の動きが悪くなり、バランスを保ちにくくなってしまうのです。また、関節の動きが制限されることによって、座位姿勢をとった時に足が広く開けず、座っている時の姿勢が崩れやすくなってしまいます。

②筋肉の強張り・萎縮
・加齢に伴う筋力の低下が生じている
・長期間の車椅子の使用により、筋肉の委縮や緊張がある

高齢者の多くは骨や関節のみならず、筋肉にも萎縮や緊張などの変化が生じます。特に足の筋肉が萎縮・緊張することにより、座位姿勢をとった時の踏ん張りが効かなくなります。また、筋力の低下が進行することで座位のみならず立位姿勢も不安定になるため、転倒のリスクが高まることも想定できるでしょう。

③視力や聴力の低下
加齢による視力や聴力の低下により、バランス感覚がなくなることもあります。また、突発性難聴やメニエール病などの聴力に関する疾患も、高齢者のふらつき、バランス感覚の低下の助長となってしまいます。

座位耐久性改善のための基礎知識

高齢者の座位耐久性の低下は、バランストレーニングで改善をすることが可能です。では、座位耐久性の低下を改善するには、どのようなトレーニングやリハビリが適切か。高齢者のリハビリ及びトレーニングの基礎知識をご紹介します。

座位耐久性・バランス感覚改善のためのトレーニングとは

高齢者の座位耐久性・バランス感覚で大事なのは、姿勢が崩れても元の姿勢に戻そうとする力があるかどうかです。

・姿勢が崩れても、足腰の筋肉で身体の重心を前後左右に動かして戻そうとする力
・座位や立位など、一定の姿勢をある程度の時間維持する力
・視覚や聴力でその場その場の状況を知覚し、身体の重心を動かす力

これらの力に欠かせないのが、「筋肉や骨の動き」です。高齢者は加齢により、骨の拘縮や筋肉の萎縮が起こりやすいため、「座位耐久性」や「バランス感覚」の低下が生じてしまいます。そのため、リハビリやトレーニングで骨や筋肉などを動かすことで、身体機能・座位耐久性・バランス感覚の向上を目指すことができます。

高齢者のトレーニングに欠かせない「リスクマネジメント」

高齢者は加齢による身体機能の衰えにより、俊敏な動作が難しいことが大半です。無理なリハビリやトレーニングは転倒や骨折などの重篤な怪我に繋がる恐れがあるため、必ずリスクマネジメントを考案し、安全の確保に努めることが重要です。

・立位がとれない高齢者には椅子に座ったまま体操トレーニングをしてもらう
・座位や立位が不安定な高齢者には、必ず介助者が支えながらトレーニングを行う
・体調が悪い時は無理をせず、トレーニングの中止を検討する

このように、重篤な怪我に繋がらないための配慮をすることは極めて重要になります。また、高齢者が安心安全にトレーニングを行える広さの環境が整っているか、滑って転倒しにくい床材かどうかなど、環境を確認することも大切です。

座位耐久性を改善するためのトレーニング

高齢者の座位耐久性において重要なのは、「一定時間、座位姿勢を保つこと」と「座位姿勢が崩れた場合、立て直すこと」の2つです。トレーニングで筋肉や骨を動かすことにより、椅子や車椅子からの滑り落ちや前後左右への姿勢の崩れを改善することができます。トレーニングは高齢者の転倒を防ぐためにも、介助者が支えながら無理のない範囲で行いましょう。
以下に、高齢者の座位耐久性・バランス感覚の向上に適したトレーニング方法をご紹介します。

①片足立ち
椅子や車椅子から立ち上がってもらい、片足立ちのバランストレーニングを行います。介助者の手引きで立ち上がり、ゆっくりと片足を上げてバランスをとります。5秒~10秒ほどを目安に、ふらついたら手すりや介助者の手を持つなどし、無理のない範囲でトレーニングに取り組むことがオススメです。立位が安定している方の場合、15秒、20秒とタイムを伸ばすのも良いでしょう。

②腰回し
椅子や車椅子から立ち上がり、時計回り・反時計回りにゆっくり腰を回します。腰を回すことで、骨盤や股関節のバランスを鍛えることができます。立位が不安定であれば、手すりや介助者の手を持ちながら行いましょう。また、腰を動かすため、姿勢や便秘の改善にも効果が期待できます。

③タンデム歩行
タンデム歩行とは、踵とつま先を合わせながら1本線の上を歩くバランストレーニングです。床に書いた線に沿って歩くことで、バランス感覚が鍛えられます。立位が不安定な場合は手すりや介助者の手を持ち、徐々に1人で歩けるように練習を重ねると良いでしょう。まずは5歩~10歩歩けることを目指し、自分のペースでゆっくりと行いましょう。

期待できるトレーニングの効果

バランス感覚は、立つ・座る・歩く・走るといった全ての動作に必要です。特に高齢者の場合、テレビを見る、お茶を飲むといった動作のため、日中座るという姿勢をとることが多くなります。安定した座位姿勢を長時間とり続けるにも、バランス感覚は欠かせません。高齢者がバランストレーニングを行うことで、以下のような効果が期待できます。

①姿勢が崩れても戻すことができる
椅子や車椅子に座っていて、だんだんと浅座りになってきた。前に前にとお尻が滑ってきたが、身体を戻すことができない。こういった場合も、自分の力で座り直せるようになります。介助者の手を借りることなく座位姿勢が保てるようになるため、自分の自信にも繋がります。

②転倒・転落防止に繋がる
椅子や車椅子からの滑り落ちが防げるだけでなく、立ち上がり動作や立位動作も鍛えられます。椅子や車椅子からの転落防止・立ち上がり時の転倒防止など。トレーニングを行うことで転倒・転落を防ぐことに繋がります。筋力低下を防ぐことで、重篤な怪我をも防ぐことができ、安心安全な暮らしが実現します。

③疲労感が軽減する
トレーニングを行うことで、正しい姿勢を保つことができるようになります。前後左右への傾きや浅座り、滑り落ちを防ぐことで、肩コリや倦怠感などの疲労が軽減できます。正しい姿勢で座位をとることで、身体の一部に部分的な圧がかかることを防げるため、褥瘡(床ずれ)の予防にも効果的です。

まとめ 座位耐久性は日頃のトレーニングで改善できる 

高齢者は加齢に伴う身体機能の変化や筋力低下により、座位姿勢のバランスが保てず姿勢が崩れてしまうというトラブルが起こりがちです。高齢者の座位耐久性の低下を改善するためには、日頃からのトレーニングが効果的です。無理のない範囲で少しずつ、トレーニングを習慣づけることをオススメします。

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