【2024年最新版】保健師の年収はどのくらい？年代・職場での違いや収入アップにつながるスキルアップ方法も解説

保健師として働くには、行政や企業、学校、介護施設などさまざまな選択肢があります。また、資格を持っていることで長く勤務する方も多いですが、どのくらいの年収なのか気になる方もいるのではないでしょうか。
この記事では、保健師の平均・職場別の年収や、収入アップにつながる方法について解説します。

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保健師とは？

まず、保健師の仕事内容や、保健師になるための方法について簡単に触れておきます。

・保健師の仕事とは？主な業務内容
保健師は、健康増進や疾病予防の視点から、主に私たちの身近な地域で活動する医療専門職です。そのため、赤ちゃんから高齢者までさまざまな年代の人と関わることができます。
保健センターでの介護予防事業や乳幼児検診の開催、企業内での健康管理を担うなど、働く場所によって業務は多岐にわたります。
保健師は一人ひとりの身体状況や家庭・生活背景を理解し、健康で生き生きと暮らせることを目標に住民の健康を支援しています。

・保健師として仕事をするには
保健師になるためには、看護師・保健師の国家資格を2つ取得する必要があります。保健師の試験に合格できても、看護師免許がなければ保健師として働くことはできません。
受験資格を得るには、主に4年制の看護大学等で看護師と保健師の単位を履修する、または看護専門（短期）学校や保健師養成所にあわせて通う方法があります。
最終的に国家試験に合格すれば、晴れて保健師として働くことができます。

保健師の年収はどのくらい？

保健師として働くにあたっては、収入がどのくらいなのかも気になりますよね。
ここでは保健師の平均年収をはじめ、年代・職場別の年収についてもご紹介します。

・保健師の平均年収
令和4年度のデータによると、保健師の平均年収は約482万円で、全国平均（約490万円）とほぼ同じであることがわかります。
ちなみに、月収平均は約33万円、賞与平均は約81万円となっています。

・男女別
次に、保健師の収入を男女別で比較してみました。

年収額でいうと、男性保健師の方が50万円近く高くなっています。
男性の方が役職につきやすい傾向にあることや、女性の産休・育休なども影響しているかもしれませんね。
とはいえ、保健師は女性の割合が多いので、昇給や管理職を目指すことは十分可能です。

・年代別
こちらは、年代別にみた保健師の平均収入です。

経験年数に応じて年収は上がり、働き盛りかつ役職に就くことの多い40代後半が最も高いことがわかります。

・職場別
保健師が働く職場別の年収は以下の通りです。

【行政保健師】
行政保健師は、保健師の就職先の約6～7割を占めています。自治体で働く地方公務員や、都道府県・政令指定都市・特別区に設置される保健所の職員として従事しています。
行政保健師の平均年収は約500万円～600万円です。
安定しているといわれる公務員の特性上、経験年数に応じて収入も上がる傾向にあり、福利厚生もしっかりしています。自治体によりますが、保健師は資格専門職なので基本給与額が高めに設定されていることもあります。
夜勤のある看護師の年収と比べると少ない場合もありますが、休暇の取りやすさや夜勤がないことを考えると、プライベートとのバランスを取りながら働けるのがメリットです。

【産業保健師】
産業保健師は、主に企業で働く人の健康管理を行っています。平均年収は約500～600万円くらいで、勤務先企業の規模などによって幅はありますが保健師の中では収入が高めの傾向です。
産業保健師は1人での配属も珍しくなく、アセスメント能力や保健指導の経験が求められます。そのため新卒で就職するケースは少ないですが、年収を上げるために転職する保健師が多いため競争率が高くなっています。そのぶん長く続ける人が多く、なかなか求人に出会えない…ということも珍しくありません。

【学校保健師・養護教諭】
学校保健師・養護教諭の年収は、約400～500万円ほどといわれています。
学校保健師は、小中高、大学など、それぞれの年代に対して必要な保健指導や応急処置などを行いながら、学生や教職員の健康を支えています。
養護教諭になるには、養護教諭免許も必要です。上記に加え、先生のように子どもの教育全般に関わりながら心身のケアや保健指導をする点が特徴です。公立の教育機関であれば公務員として務めることになり、福利厚生・給与などは、それぞれの自治体に準じた待遇となります。

【病院保健師】
病院保健師は、医療機関で地域医療連携や退院指導などの予防的支援を行います。収入は約400～500万円ですが、病院や診療所の規模によっても異なります。
保健師の資格があることで業務・スキルの幅が広がりやすいこと、また院内の看護師のフォローや夜勤なども業務に含まれることがあるため、そういった手当てによっても収入アップが見込めます。

【地域包括支援センター】
地域の福祉・介護支援の拠点である地域包括支援センターでは、保健師が高齢者などの生活や健康増進を支援しています。年収はおよそ400～500万円です。
営業時間は決められていますが、緊急時を想定してオンコールがある場合が多いです。そのため、夜間や休日の呼び出しに応じた手当てが付くとさらに収入が多くなることがあります。

※参考： 厚生労働省「令和４年賃金構造基本統計調査　統計表一覧」

非正規職員で働く場合の保健師の収入は？

保健師は、非正規職員として働く選択肢もあります。

・非正規職員としての働き方
保健師は女性の割合が多く、結婚や産育休に伴う休職・退職も一定数あります。そのため、アルバイトやパートだけでなく、代替職員や任期付職員などで求人を募集することも多いのです。
「子育てと両立したい」「落ち着いてきたからキャリアを積みたい」という場合にも働きやすいのではないでしょうか。
正規職員と比べて求人も幅広いので、新しい分野に挑戦したいときも少しずつ経験を積むことができます。

・非正規職員で働く場合の時給の相場は？
非正規職員の保健師の時給は、1200～1600円ほどが相場です。働く場所や求人によっては2000円を超える場合もあります。
賞与や手当てはないことが多いですが、子どもや家庭の事情などで短時間で働いても収入が見込めるので、家庭との両立がしやすいのがメリットです。
また、自治体の任期付職員の待遇が改善傾向にあることから、行政保健師であれば正規職員のように福利厚生や手当てなどが充実している場合もあります。

収入アップにつながる保健師のスキルアップ方法

保健師の平均年収や職場別の収入を紹介してきましたが、さらに収入をアップさせる方法もあります。

・業務に関連する資格を取得する
保健師の資格があると、申請により養護教諭二種や第一種衛生管理者の免許を取得できます。養護教諭は学校などの教育現場、衛生管理者は企業の規模によって配置が義務付けられており、就職先の選択肢を増やすためにも取っておいて損はないでしょう。
そのほかにも、地域包括支援センターなどの介護分野で働くときは、福祉について幅広い知識が学べる主任ケアマネジャーなどの資格があると、給与に反映される可能性もあります。

・長く勤めて継続年数を増やす
公務員である行政保健師はもちろん、継続年数が長いほど年収が上がる傾向にあります。コツコツと知識や技術、専門分野を極めればより深い業務ができるようになり、スキルアップにもつながります。

・役職や管理職を目指す
中堅になってくると、これまでの経験から役職に就いたり管理職を目指すことも可能です。現場の仕事からは離れてしまうかもしれませんが、職場全体をまとめたり指導をするのが好きな方には向いているといえます。職場にもよりますが、平均年収を大幅に上回る可能性も高いでしょう。

・自分だけの強みや経験を活かす
決まった職場で長く働くだけでなく、転職を重ねてスキルを磨くことも一つの方法です。
看護師経験があれば医療現場での臨床経験や知識が活かせますし、さまざまな年代の人と関わるからこそ、保健師としての経験はどの分野に行っても必ず役立ちます。
興味のある分野を幅広く経験することで、それが自分だけの経験・スキルとなり、職場で評価されれば収入アップにつながることもあります。

【まとめ】保健師は働く場所や経験に応じて年収アップが可能

保健師は職場や継続年数などによって年収に幅がありますが、自分の経験やスキル次第で収入アップを目指すことが可能です。
今回は年収に着目しましたが、職場選びには福利厚生や勤務時間、ワークライフバランスなども大切な要素です。また、自分の強みを活かせればより充実した働き方ができます。
保健師としてのキャリアを積みたい方は、ぜひ参考にしてください。

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