認定管理栄養士とは？仕事内容や資格取得方法について解説

認定管理栄養士とは、栄養士や管理栄養士よりもさらに専門性の高い知識を有していることが証明できる資格です。しかし、認定管理栄養士と栄養士・管理栄養士の仕事内容や資格の違いが分からないという方も多いのではないでしょうか。本記事では、認定管理栄養士の仕事内容や資格取得方法について詳しくご紹介します。

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認定管理栄養士とは？
認定管理栄養士の仕事内容
栄養士・管理栄養士との違いは？
認定管理栄養士の資格取得の流れ
認定管理栄養士の資格を取得するメリット
認定管理栄養士の取得で活躍できる分野が増える

認定管理栄養士とは？

認定管理栄養士とは、「公益社団法人　日本栄養士会」が認定を行っている資格です。同認定元が特定している8つの分野から、各分野の専門知識や技術を備えていると認められた「栄養士」または「管理栄養士」に認定管理栄養士の資格が与えられます。特定分野に関する専門知識・専門技術を有していることが証明できる資格です。現在の勤め先の分野に特化した知識・技術を得て「スキルアップしたい」と考えている栄養士、管理栄養士の方にオススメの資格です。

認定管理栄養士の仕事内容

認定管理栄養士の主な仕事内容は、栄養士や管理栄養士とほぼ同じです。以下の8つの分野のいずれかで、専門知識・専門技術を活かして「栄養管理」「献立作り」「食材の発注」などの業務を行うことが認定管理栄養士の役割です。

①臨床栄養
②学校栄養
③健康／スポーツ栄養
④給食管理
⑤公衆栄養
⑥地域栄養
⑦福祉栄養（高齢者・障がい者）
⑧福祉栄養（児童）

認定管理栄養士は、もともと上記8つのいずれかの分野で活躍していた栄養士・管理栄養士がスキルアップとして取得する資格です。栄養士・管理栄養士よりも、さらに専門性の高い知識や技術を活かして栄養マネジメント業務を行います。

栄養士・管理栄養士との違いは？

認定管理栄養士は、「栄養士」や「管理栄養士」と混在して捉えがちな資格です。しかし、認定栄養士は、栄養士や管理栄養士よりも、各分野に特化した専門性の高い知識・技術を有していることが特徴です。現在、栄養士や管理栄養士として働いている方が「認定管理栄養士」の資格を取得するには、以下の5つの申請条件をすべて満たす必要があります。

①日本の「栄養士」または「管理栄養士」の資格を保有していること

②「栄養士」または「管理栄養士」としての実務経験が5年以上あること

③日本栄養士会が定めた「基幹教育（「栄養指導」に必要なスキルを学ぶ研修）」を60単位以上取得していること
・基本研修：30単位以上（必修20単位込み）
・実務研修：30単位以上（臨床栄養の場合は40単位以上が条件）

④研修や日々の業務に基づいたキャリアシートを1年のうちに5テーマ以上作成していること（5年分必要）

⑤認定を希望する分野の「栄養指導」に紐づく学会などで1回以上発表しており、3回以上学会などに参加していること

認定管理栄養士の資格取得の流れ

認定管理栄養士の資格は、どのような流れで取得するのでしょうか。ここからは、認定管理栄養士の資格取得の流れについてご紹介します。

生涯教育制度の「基幹教育」を受ける

認定管理栄養士の資格を取得するには、まず、生涯教育制度の「基幹教育」を受け、自己研鑽を積む必要があります。自己研鑽とは、認定管理栄養士の申請条件の1つである「認定を希望する分野の「栄養指導」に紐づく学会などで1回以上発表しており、3回以上学会などに参加していること」です。生涯教育制度の「基幹教育」を受け、自己研鑽をクリアしてようやく、認定管理栄養士の申請書類を提出することが可能になります。

申請書類の準備と提出を行う

認定管理栄養士の申請に必要な書類を用意し、提出します。認定管理栄養士の申請に必要な種類は、以下の10種類です。

①申請書類チェックリスト

②「栄養士」または「管理栄養士」の免許証のコピー

③「認定管理栄養士・認定栄養士」の審査申請書

④設定を申請する分野の生涯教育到達目標シート

⑤キャリアシート

⑥基幹教育（60単位以上、臨床栄養は70単位）の単位取得の記録

⑦認定を申請する分野の「栄養指導」に関するテーマの事例報告（各分野指定の数）
※「認定栄養士」として申請する方は、事例報告の提出は必要ありません。

⑧認定を申請する分野の「栄養指導」に関する学会発表の記録（秒録・講演要旨のコピー）

⑨参加した学会の参加証原本

⑩返信用のレターパックプラス2枚

上記の申請書類は「都道府県栄養士会」に郵送で提出し、その後、日本栄養士会が審査資格の確認を行うという流れです。栄養士の有資格者は「認定栄養士」、管理栄養士の有資格者は「認定管理栄養士」に、それぞれ認定されます。「認定栄養士」と「認定管理栄養士」では、申請する書類が一部異なるため、注意が必要です。詳しくは「公益社団法人　日本栄養士会」の公式サイト内にある、「認定栄養認定管理栄養士並びに認定栄養士の認定にかかる審査の実施要項」をご確認ください。

一次審査と二次審査を通過する

申請書類の提出後、書類審査を通過し、認定試験を受験し、合格することで資格取得となります。認定試験には「一次審査（筆記試験）」と「二次審査（事例報告の考察）」があり、
書類審査通過の案内状に、それぞれの「受験票」が郵送されます。「一次審査（筆記試験）」と「二次審査（事例報告の考察）」のそれぞれの概要は、以下の通りです。

●一次審査
（筆記試験）

・試験日：毎年8月頃
・試験会場：北海道・東京・大阪・福岡の4箇所
・試験時間：100分
・出題内容：「基本研修（20問）」と「認定分野（30問）」の2つの科目から、四肢択一式のマークシート方式で出題される
・必要な持ち物：受験票・本人確認書類・筆記用具の3つ

合否結果は、9月下旬ごろに郵送されます。もし不合格だった場合、提出した申請書類がすべて返却されます。

●二次審査
（事例報告の考察）

・審査内容：各分野ごとに指定されている枚数の「事例報告書」用意し、提出すること

事例考査委員が内容を審査し、1月末までに合否結果を郵送で通知します。もし不合格になった場合でも、翌年に限り「一次審査（筆記試験）免除」で二次審査の再審査を受けられます。ただし、再審査にかかる費用として10,800円（税込）が必要です。日本栄養士会の会員以外の方の再審査料は、27,000円です。詳しい再審査の流れについては、合否結果とともに郵送されます。

なお、「認定栄養士」「認定管理栄養士」の認定期間は資格取得から5年間です。更新には、必要書類と更新料の提出が必要です。

認定管理栄養士の資格を取得するメリット

認定管理栄養士の資格を取得することには、どのようなメリットがあるのでしょうか。また、認定管理栄養士が活躍することで、地域社会や福祉にどのようなメリットがあるのでしょうか。現在、栄養士や管理栄養士として働いている方が、認定管理栄養士の資格を取得するメリットは、主に以下の3つです。

・科学の進歩や社会の変化に合わせた「国民の健康維持に役立つ技能」が習得できる
・栄養士または管理栄養士のスキルアップや転職に最適
・特定の分野に特化した「専門知識」「専門技術」が身につく

認定管理栄養士が受ける生涯教育制度の「基幹教育」には、基本研修と実務研修の2つがあるため、各分野に特化した専門知識を深く身につけることができます。高齢者や障がい者、児童、地域住民など、さまざまな人の健康増進・健康維持に役立つ「栄養指導」の知識や、実践的な技術が学べることが特徴です。また、生涯教育制度の「自己研鑽」では、学んだ内容を学術論文での発表で表現することで、習得した知識・技術をさらに自分自身へ定着させることができます。

認定管理栄養士の取得で活躍できる分野が増える

認定管理栄養士の資格取得は、現在「栄養士」や「管理栄養士」として働いている方のスキルアップに最適です。特定の8分野の専門知識を深く学ぶことで、これまでよりもさらにレベルアップした知識・技術を定着させることができます。また、より高度な知識・技術を身につけるだけでなく、これまで携わっていなかった分野に挑戦することも可能です。認定管理栄養士の資格取得で、自分自身の専門性やスキルを磨いてみてはいかがでしょうか。

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