通所リハビリテーションは、介護老人保健施設(老健)や医療機関(病院、診療所など)に高齢者が通い、リハビリを受けられる介護保険サービスです。通所リハビリテーションには、リハビリの専門職(理学療法士、言語聴覚士など)が在籍しており、リハビリに特化したサービスを受けることができます。
今回は通所リハビリテーション(デイケア)でのお仕事についてご説明します。
通所リハビリテーション(デイケア)の利用条件と介護対象について
通所リハビリテーション(デイケア)の利用は、要支援1~2もしくは要介護1~5の認定を受けているすべての方が対象となります。
また、64歳以下でも特定疾病を持った方は「2号被保険者」として要介護認定を申請し、「要介護」と認定されれば利用が可能になります。
通所リハビリテーション(デイケア)のお仕事は?
通所リハビリテーションは利用者が自立した生活を送れるよう、食事や入浴などの介助を行いながら生活機能を向上させるリハビリテーションや口腔機能を向上させるサービスをメインに取り組みます。
デイサービスと名称は似ていますが、違いは「レクリエーションなどでの人との交流がメインではなく、リハビリテーションがメイン」といった点です。
通所リハビリテーションでは、病気や障害と付き合っていく方法を活動の中で見出し、生活のしやすさを向上させていきます。
利用者の送迎
自宅から通所リハビリテーション施設までを車で送迎します。
車いすや歩行器を利用している方が安全に乗降できるようにサポートします。
健康チェック
利用者の健康状態を確認します。
体温や血圧などを記録して、その日の予定を考えます。
バイタルチェックは介護職員ではなく医師や看護師が行う場合が多いです。
介護職員は、本人や家族から聞いた利用者情報を看護師に伝えます。
入浴介助
入浴設備のある施設では、入浴を希望される利用者の方を自立度に合わせて介助します。浴室まで誘導し、入浴後は髪を乾かして気持ちよく過ごしていただけるようサポートをします。
体操・リハビリテーション
介護職員が主体となって体操をします。
リハビリテーションは理学療法士や作業療法士などが主体となり行います。
食事介助
昼食の配膳を行い、利用者の自立度に合わせて食事の介助を行います。
食後には口腔ケアも欠かせません。
フリータイムの準備
必要があれば、フリータイムで利用者が遊びたいゲームや折り紙などを準備し、一緒に楽しみます。
お見送り、掃除など
利用者を自宅までお送りし、その日の様子や体調などを家族に報告します。
送迎に付き添わず施設に残った職員は掃除などを行います。
通所リハビリテーション(デイケア)の業務内容と一日の流れ
通所リハビリテーションでの業務の流れを一例としてご紹介いたします。
8時00分~ | 出勤すます。1日の流れや利用者を確認して、利用者の自宅までお迎えに行きます。 |
10時00分~ | 施設に到着後は体調確認などを行います。 その後、入浴介助を行います。 |
12時00分~ | 自力で食べられない方に食事介助を行います。 |
13時00分~ | 作業療法士や理学療法士などによるリハビリが行われます。 ゲームや体操などレクリエーションを行います。 |
15時00分~ | 自力で食べられない方に対してはおやつの食事介助を行います。 |
16時00分~ | 利用者を自宅に送迎します。 |
17時00分 | 退勤します。 |
仕事のやりがいと注意点とは
通所リハビリテーションではリハビリに重点を置いているため、利用者一人ひとりと関わることで心身の生活機能向上を間近で感じられることに大きなやりがいを感じます。
また、リハビリだけではなくレクリエーションや歓談を通して利用者との距離が縮まり、笑顔が見られることもやりがいの一つです。
その反面、利用者の体調が変化することもあるので、些細なことでも気付けるよう注意が必要です。
利用者が施設にいる時間が限られているため、スケジュールを正確にこなしていくことも重要な業務になっています。
デイサービスに比べて身体介助を必要とする方が多いため、どういった介護をするべきなのかを十分考えましょう。
知っておくべき通所リハビリテーション(デイケア)の特徴

勤務施設によって福利厚生は様々
資格取得やキャリアアップ制度に力を入れている施設があるので、お給料のアップに繋がります。
また、その他の福利厚生は各種社会保険や賞与、資格手当など勤務する施設によって異なります。
特別休暇として家族の行事に参加することができる施設もあるため、仕事も家庭も両立したいという方はそういった項目を重視して勤務施設を検討しましょう。
気になるお給料は?資格を取得することでお給料が上がる?
通所リハビリテーションでの介護職員は、常勤の場合額面の平均月給が約31万5千円です。
しかし、国家資格である介護福祉士を取得した場合、月給は約34万円になります。
資格名 | 常勤 | 非常勤 |
看護師 | 425,675円 | 331,498円 |
准看護師 | 359,474円 | 287,124円 |
介護福祉士 | 340,739円 | 261,011円 |
介護職員 | 315,074円 | 243,184円 |
理学療法士 | 379,790円 | 346,915円 |
作業療法士 | 374,224円 | 338,228円 |
言語聴覚士 | 370,869円 | 396,046円 |
※参考:厚生労働省「令和2年度介護事業経営実態調査結果」
いきなり介護福祉士を目指すというのは難しいかもしれませんが、段階ごとに資格手当が付く施設もあるため、キャリアパスなどを利用して資格取得を目指しましょう。
通所リハビリテーション(デイケア)の人員配置は?
通所リハビリテーションはデイサービスと比べてリハビリのための専門スタッフが多く配置されています。
医師
常勤し、理学療法士、作業療法士、言語聴覚士等にリハビリテーションの指示を出します。
専任の常勤医師が1名以上勤務している必要があります。
理学療法士、作業療法士、言語聴覚士
国家資格を持つリハビリを行うための専門スタッフです。利用者の状態に合わせて適切なリハビリが行えるよう「リハビリテーション計画書」に基づいて準備をします。
リハビリ職員(理学療法士・作業療法士・言語聴覚士)は利用者が100人またはその端数を増すごとに1人配置されていなければいけません。
看護師、准看護師
血圧測定など利用者の健康管理を行います。医師の指示を受けて医療ケアの補助を行います。
介護職員
利用者の食事や入浴、排せつなどの介助をします。また、レクリエーションの対応も介護職員が中心となって行います。
リハビリ職員(理学療法士・作業療法士・言語聴覚士)・看護師・介護職員はリハビリ単位ごとに利用者10人に1人以上必要になります。
介護の転職は通所リハビリテーション(デイケア)がおすすめ
通所リハビリテーション(デイケア)で働くメリット
通所リハビリテーションは平日の日中だけという施設が多く、週末などのプライベートが充実させられるというのが大きなメリットです。
また1日のスケジュールが決まっているため予想外の残業なども少なく、パートで働く場合も融通が利きやすく働きやすい現場です。
要介護度が低く自立度が高い利用者が多いため交流を楽しむことができ、自らの支援で利用者の生活機能向上が目に見えてわかることで貢献できている実感が湧きやすいこともメリットです。
通所リハビリテーション(デイケア)で働くデメリットは?
基本的に夜勤がないので、夜勤手当がつかない分、給料が低くなってしまうというのがデメリットです。
資格手当が付く場合が多いため、より充実したサービスを行うためにも資格取得制度などを利用することをおすすめします。
また、通所リハビリテーションはリハビリをメインとしたサービスのため、デイサービスに比べて身体介助が多く、介護職初心者の方には難しい面があるかもしれません。
利用者の求めることを瞬時に読み取り、それを行動に移すことが大切になってきます。
まとめ
通所リハビリテーションは、リハビリを必要とする方を対象としたサービスです。
1日の利用者が比較的少ないため、一人ひとりと丁寧にかかわることができ、生活機能の向上が目に見えてわかるとてもやりがいを感じる仕事です。
また、勤務が日中のみで日曜日休みの施設が多いので、プライベートとの両立を優先したい方にはおすすめの職場と言えるのではないでしょうか。
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