「介護過程という言葉をよく耳にするけど、具体的にどんなことをするの?」「介護過程を学ぶメリットはあるの?」などと、疑問に思う方もおられるかもしれません。
介護過程は、利用者様へ質の高いケアを提供するために欠かせません。介護過程は、介護福祉士になるためのカリキュラムにも組み込まれています。介護職にとって必須のスキルと言えるでしょう。
そこで今回は、介護過程について詳しく紹介した上で、得られるメリットやQ&Aについても紹介します。介護過程に興味のある方は、ぜひ最後までお読みください。
介護過程って何?ケアプランとの違いは?
ここでは介護過程について2つ紹介いたします。
- 介護過程とは?
- 介護過程とケアプランの違いは?
それでは詳しく解説していきます。
介護過程とは?
介護過程を簡潔に表現すると、「根拠ある介護サービスを提供するための道筋」です。介護職は、思いつきでケアを提供することはありません。介護職は、根拠に基づいて統一されたケアを利用者様へ提供しているのです。そのために、ケアマネジャーが作成する「ケアプラン」を指標としています。
ケアプランに記載されているのは、利用者様の思いや抱える課題、ケアの方法についてです。介護現場ではケアプランを基にして、介護計画を作成し実行します。 そして「実行している計画が機能しているか?」を見直し、必要に応じて修正し再度実行していきます。
以上の「計画を立てて実行し、見直す」一連の作業が介護過程と呼ばれるのです。
それでは続けて、介護過程とケアプランの違いについて詳しく解説します。
介護過程とケアプランの違いは?
介護過程とケアプランは、どちらも介護計画を示すものです。では、具体的にどのような違いがあるのでしょうか?
ケアプランは、ケアマネジャーが作成します。ケアマネジャーは「利用者様の生活を支えるために、どのようなケアが必要か」を考え支援内容を調整するのが仕事です。まず利用者様と面談し、様子を観察し希望を聞きます。その上で、どのような課題を抱えているかや、どんな支援が必要かをケアプランに反映させ介護現場へ提供します。介護現場では、ケアプランを基にして介護計画を作成しケアを提供するのです。
それでは続けて、介護過程が必要な理由と学ぶメリットについて解説します。
介護過程はなぜ必要?学ぶメリットも解説!
前章では介護過程について紹介しました。ここでは、介護過程が必要な理由と学ぶメリットについて解説します。
目的は「利用者へ根拠ある介護」を提供するため
介護過程の目的は、利用者様へ根拠ある介護を提供することです。介護サービスには多くの介護スタッフが関わります。各スタッフが目標や方針を定めず、それぞれ自分の思いでケアを行うとどうなるでしょう? おそらく支離滅裂で、利用者様へ適切なケアは提供できません。
スタッフが統一されたケアを提供するため、介護過程が必要なのです。介護過程では、ケアプランに基づいて計画立案し実行していくので、根拠あるケアを提供できます。
それでは続けて、介護過程を学ぶメリットについて解説します。
介護福祉士になるための必修科目
国家資格「介護福祉士」を目指す人には、介護過程を学ぶメリットがあります。介護過程は、介護福祉士になるために必要な「実務者研修」のカリキュラムに取り入れられているからです。介護職にとって介護過程を理解し実践できることは、欠かせないスキルです。利用者様へ質の高いケアを提供するためにも、必ず身につけておきましょう。
それでは続けて、介護過程の4つのプロセスについて詳しく紹介します。
介護過程の流れを解説!4つのプロセスを理解しよう
介護過程は、以下4つのプロセスで構成されています。
1.アセスメント
2.計画立案
3.実施
4.評価
それでは、それぞれの過程について詳しく解説していきます。
アセスメント
利用者様の情報を収集し、どんな課題があるかを分析するプロセスです。具体的には、以下のことを行います。
● 利用者様やご家族、関係者から話を聞く
● 利用者様の動作や表情を観察する
● 得られた情報を分析して「困っていること」などを理解する
ここで重要なのは、「前回は、こうだったから同じでいいだろう」などの先入観を持たないことです。高齢者は身体面でも精神面でも変化しやすい傾向にあります。利用者様の「今の気持ちや状態」に注目してアセスメントを行うことが必要です。
計画立案
アセスメントで明らかになった課題を解決するため、計画を立案するプロセスです。具体的には、以下の手順で行います。
1.まず目標設定を行う
2.目標達成に必要なケア内容を決定する
3.利用者様やご家族、関係者と情報共有する
計画立案で重要なのは、利用者様やご家族の意向が反映されていることです。その上で、介護職や医療職など、幅広い意見を取り入れて計画を立案します。
実施
計画に基づいてケアを実施します。スタッフ全員が計画を理解していることが重要です。
「なぜ、このケアを行うのか」という共通の認識を持ち、利用者様へケアを行います。
またケアを実施する中で、下記を意識し、記録に残しましょう。
● 利用者様が、どのような反応だったか
● ケア内容が利用者様のニーズに合っているか
そして、記録をチーム全員で共有します。そうすることで次章の「④評価」につながり、より質の高いケアを提供できます。
評価
実施したケアについて「どれくらい効果があったのか」を評価します。高齢者の状態は変化しやすく、新たな課題が見つかることも多いものです。再度①のアセスメントを行い、「現在の利用者様」について課題を分析します。以上①〜④のプロセスを繰り返し実施していくことで、適切な介護を提供できるのです。それでは続けて、介護過程のよくある質問について解説していきます。
介護過程のよくある質問Q&A
ここでは介護過程について、よくある質問3つを紹介します。
それでは順に解説いたします。
Q1、何から始めていいか分かりません
A、介護過程では、すべてのスタッフが「なぜ、このケアを行うのか?」を理解していなければなりません。
まずはフロア会議などで、何が自分たちに欠けているかを話し合ってみてはどうでしょうか?
例えば、
● スタッフがケアプランや介護計画書に目を通す
● 統一したケアを提供できているか確認する
などです。
短期間で全てを実施するのは難しいかもしれません。まずはケア方法が統一されているか確認し、できることから中長期的に達成することを目指して取り組みましょう。
Q2、所定の書式はありますか?
介護過程には、決まった書式はありません。施設や利用者様の状況によって、適した書式を利用するのもよいでしょう。
Q3、業務が増えて負担になりませんか?
取り組み始めの慣れないうちは、負担が増えるかもしれません。しかしスタッフで意思統一してケアを提供できれば、チームワークやケアの質は向上します。結果、業務の効率アップや、離職率の低下も期待できるのです。現状に合わせて、少しずつ介護過程を取り入れていくことが長期的なメリットに繋がります。
まとめ
介護過程について紹介しました。根拠のある介護を実践するために、介護過程を学ぶことは必要不可欠です。利用者様を深く知るために「アセスメント」を行い「計画を立案」します。
そしてチーム全員で計画を「実施」し「評価」を行います。この4つのプロセスを繰り返すのが、介護過程です。自分自身やチームの「ケアの質」が向上すれば、利用者様の利益にもつながります。この記事を参考に、介護過程の知識を深め実践していただければ幸いです。
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