介護の職種

機能訓練指導員としての柔道整復師!!整骨院との違いは!?

介護の現場に柔道整復師が携われることは、ご存知ですか?
柔道整復師というと接骨院やスポーツ現場での仕事というイメージだと思いますが、理学療法士や作業療法士のように『機能訓練指導員』として介護の現場でも働くことができます。現在では、接骨院への就職後にキャリアアップとして介護の現場に転職する方も増えてきました。
今回は、柔道整復師が担う機能訓練指導員としての役割や整骨院勤務と比べた介護の現場に転職するメリット・デメリットなどをお話ししていきます。

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機能訓練指導員とは

機能訓練指導員という仕事をご存知でしょうか?

機能訓練指導員とは、
「介護サービスを利用する要支援/要介護高齢者の身体機能向上を目的とし、機能訓練(リハビリ)を行う専門職」のことを指し、介護施設やデイサービスなどで利用者のリハビリを行い、身体機能向上や介護予防を目指す仕事です。
つまり、立ち上がりの悩みや歩行時の不安など日常生活でおこる問題をリハビリや支援を通じて解消し、日常生活動作が円滑に行えるようにアシストしていくことが主な仕事となります。
また介護保険法では、特別養護老人ホーム等の介護施設に機能訓練指導員を1人以上配置することと定められているので、より機能訓練指導員が介護の現場で求められていることは間違い無いでしょう。
ちなみに、機能訓練指導員が働ける介護の現場は以下になります。

・通所介護(デイサービス。地域密着型含む)
・短期入所生活介護(ショートステイ。介護予防含む)
・認知症対応型通所介護(認知症デイサービス。介護予防含む)
・特定施設入居者生活介護(介護予防及び地域密着型含む)
・介護老人福祉施設(特別養護老人ホーム。地域密着型含む)

機能訓練指導員は、柔道整復師だけではありません。

・理学療法士(PT)
・作業療法士(OT)
・言語聴覚士(ST)
・看護職員
・あん摩マッサージ指圧師
・鍼灸師(経験が必要)

これらの医療資格や介護経験を持った人も機能訓練指導員として介護の現場で働くことができ、特に理学療法士や作業療法士は機能回復のプロフェッショナルです。
機能訓練指導員は、5つの段階を通して経過を見ながら機能回復を図ります。

①生活状況、身体状態の確認
まず最初に行うのが、身体状態や生活状況の確認です。機能訓練指導員が利用者の住む自宅や介護施設を訪問して身体状態や生活状況の確認をします。また、利用者やご家族の意向を確認し、担当ケアマネージャーからの情報収集も行います。

②評価・訓練計画書の作成
ご家族の意向や居宅訪問・ケアマネージャーから得た利用者の情報を基に、「短期目標」「長期目標」の立案を行います。介護職や看護師との連携を行いながら、個別機能訓練計画書を作成します。

③利用者本人又は家族への説明と同意を得る
作成した個別機能訓練計画書の内容を利用者またはご家族へ説明し、同意を得ます。書面上で同意のサインを頂き、機能訓練サービスが開始できます。

④機能訓練の実施
作成した個別機能訓練計画書に沿って、機能訓練サービスを実施します。

⑤評価、計画の見直し
​​3ヶ月に1回以上の頻度で、個別機能訓練計画書の評価を行います。利用者の心身状態の変化や訓練の進捗状況により、計画書の変更が必要な場合は内容の見直しを行います。

介護柔道整復師の専門性

介護の現場では、柔道整復師としての専門性を活かし、柔道整復師だからこそできる仕事があります。

1つ目は、評価や訓練計画書を作成する際です。
訓練計画書を作成する際に、生活状況や身体状況を考慮して評価作成を行います。自宅に手すりがあるのか、段差はあるのかなどの環境的因子やどの動作どの姿勢で痛みが出たり可動域制限が出て、日常生活にどのような支障が出ているのかなどの身体的因子を考慮し、個人個人にカスタマイズしたリハビリ計画を作成します。
柔道整復師は、怪我の発生機序から受傷組織の方向を判断し治療することが多いため、その経験や知識から計画書の作成を行えるという点で専門性を大いに発揮できます。また、起こりうる合併症や二次損傷を予測し、利用者の再受傷を予防できるという点で優位性があります。

2つ目は、偶発的に起こった怪我や損傷に対して対処できるという点です。
人間の身体は、一部の機能が低下しても他の機能が補うことで、動作を継続させようとする「代償運動」が起こります。そのため、知らず知らずのうちに他の組織に負担がかかっていたり、それによって二次的な損傷や思わぬ怪我を起こすこともあります。その時の判断や処置には、柔道整復師としての経験や知識、スキルが必要とされるでしょうし、迅速に対応できるかどうかは経験によりますが、その場で判断し処置できるという点で柔道整復師の専門性を活かせます。

メリット

柔道整復師が機能訓練指導員として仕事をしていくメリットをご紹介します。

・問診力が上がる
問診は、どれだけ経験したかが重要です。その膨大な経験によるデータの中で、イメージがつき正確な判断に繋がります。想像力には経験がとても重要なのです。
初診の問診時、患者さんは全ての情報を話してくれるわけではありません。問診で深掘りしたり、治療の途中で「そういえば、こんなことがあって」と何気なく話したことが治療に大きく影響を与えたなんてこともよくあることです。
介護の現場では、計画表を作っていく上で生活状況や身体的状況を把握するのに患者さんの自宅を訪れるなど現場に行く機会があります。自分の目で状況を確認できるということは、整骨院での勤務時にはなかなかできない経験ですし、いろんな人の生活環境を見ることができる経験は、必ず自分の力になります。

・多方面からアセスメントを協議する場があり、学べることが多い
計画表を作成した後に他の機能訓練指導員から評価をしてもらえるのは、整骨院では経験できないでしょう。ケアプランナーや看護職員や理学療法士などから柔道整復師とは違う観点を学べることは、自分自身の仕事の幅や許容していく人間としての幅も広がるので、自分自身を成長させていくのにとてもいい環境です。

・計画を再評価して分析できる。
計画から実施、再評価までが管理下にあり、しっかりと分析できるというのは、自分のスキルや経験を積む上でとても重要です。実施内容が適切だったか不敵切だったのかを分析して、計画を変更したり、本当に機能回復まで追っていけるというのは、整骨院だと難しいです。
整骨院では、計画を立てて実施しても途中で来なくなることもあるので、本当に適切な治療だったかどうかを再評価・フィードバックしづらいというのが現状です。こういう症状やこういうケースでは、このプログラムが最適であるというケースや経験を作れるというのがかなりメリットではあります

デメリット

機能訓練指導員のデメリットもご紹介します。

・怪我に会う場面が少ない
柔道整復師は、急性期の外傷に対して施術ができるというのが1つ与えられている大きな権利ですが、その現場に立ち会う機会も処置する機会もとても減ります。怪我の現場に立ち会うことは元々少ないため、整復をする機会はほとんどありませんが、特に包帯固定をして外傷の経過を見ていくという機会はかなり減ります。
ただ、利用者の中には、整骨院ではなかなか見ることが稀な大きな骨折などの怪我で機能回復が必要な方もいるので、そういう方の経過を見れるというのは逆にメリットですし、受傷起点から骨折線をイメージして機能回復のプログラムに活かせるという点では、むしろメリットかもしれません

・触診の感覚が鈍る
怪我を診るときに手指の感覚で患部の熱感や変形を感じ取り受傷箇所のイメージをするのですが、その機会は確実に減ります。介護施設の利用者は、痛みのある炎症期を過ぎた回復期にさしかかる方がほとんどです。施設内で怪我した方がいれば、触診をし、処置をする機会はあるでしょう。ですが、なかなか稀なケースです。触診力は機会が減れば落ちていく一方なので、触診力を維持するための工夫が必要です。

まとめ

整骨院で働く柔道整復師と機能訓練指導員としての柔道整復師の違いについておわかりになったでしょうか?
それぞれの現場で得られるものがあると思います。介護の現場で柔道整復師は、間違いなく必要とされる人材です。
柔道整復師としても人間としても成長できる介護の現場への転職は、おすすめです。機能訓練指導員としての新しいキャリアを進んでみてはいかがでしょうか。

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