介護の仕事内容

介護用語で「Hr」とは?排尿チェックの方法から尿失禁・排尿障害まで徹底解説

介護の仕事をしていると、介護記録や利用者の基本情報に「Hr」と書かれているのを目にすることがあります。この「Hr」は何と読み、どんな意味なのでしょうか。
この記事では、「Hr」の読み方と意味を紹介します。詳しくわからないという方はぜひチェックしてみてください。
また、介護における排尿チェックのポイント、尿失禁や排尿障害のある方への対応方法についても合わせて解説します。排尿に関する知識を身につけて、よりよい介護を目指しましょう。

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「Hr」の意味とは?

まずは「Hr」の読み方と意味を紹介します。

「Hr」は尿のこと

「Hr」は、ハルン(ハルーン)と読み、「尿」のことを意味します。「Hr」はドイツ語の「Harn」を省略した言葉です。

介護記録時に使われる

「Hr」は、主に介護記録をするときに使われます。たとえば、排尿記録を書くときに、尿量を「Hr〇〇ml/日」というように記載します。これは、「尿量が1日〇〇mlあった」という意味です。

チームケアに記録は欠かせない

このような介護記録は、チームで介護を行っていくために欠かせない情報です。普段のケアの中で得た情報を共有し活用することによって、チームケアの質は高まります。
利用者の正確な情報を記録するためには、利用者の状態を正しく観察することが必要です。では、どうすれば正しい観察ができるでしょう。そこで次は、利用者の排尿チェックをするときのポイントについて解説します。

排尿チェックが重要な理由

介護職員は、利用者の状態を毎日観察しています。排尿時のチェックも重要な観察ポイントのひとつです。では、なぜ排尿チェックが重要なのでしょうか。その理由について解説します。
排尿チェックが重要なのは、利用者の生活のリズムを把握できたり、利用者の体調の変化にいち早く気付く手がかりとなったりするからです。
尿の状態が普段と違っている場合、そこには病気のサインかもしれません。そのようなサインを見逃さないためにも、日々の排尿チェックは重要です。
日々の排尿ケアにかかわる介護職員は、利用者の変化にいちばん近くで気付ける存在と言えます。ですから、利用者の何気ない変化でも見落とさないようにしましょう。

では、具体的にどのように排尿チェックを行えばよいのでしょうか。次は、排尿チェック時のポイントについて解説します。

排尿チェック時のポイント

利用者の排尿をチェックするときのポイントは、以下の3つです。

排尿の回数

排尿チェック時には、利用者の排尿回数を確認しましょう。
一般に、起きているときの排尿回数が8回以上ある状態のことを頻尿と言います。頻尿は、前立腺肥大や過活動膀胱といった病気が原因で起こることもあり、尿失禁の原因にもなります。また、反対に排尿の回数が少ないと、脱水の恐れなどがあり問題です。
日頃から利用者の排尿回数がチェックできていれば、普段の状態との違いに気付くことができるでしょう。

排尿の量

排尿チェック時には、利用者の尿量にも気を配りましょう。
尿の量が多過ぎたり、逆に少な過ぎたりしないかチェックします。一般的な人の尿の量は、1日およそ1200ml~1500mlです。尿の量が多過ぎると脱水の恐れがあり、少な過ぎるとむくみが起きることがあります。
トイレで排泄している利用者の場合、プライバシーの観点から厳密に確認することは難しいかもしれません。しかし、1日の尿量の目安を理解しておけば、利用者の変化に気付きやすくなるでしょう。

尿の状態

排尿チェック時には、尿の色や混濁などを確認しましょう。
赤色の尿は血尿の可能性があり、がんや膀胱炎などが疑われます。混濁した尿では腎盂腎炎や尿路感染症などが疑われるでしょう。また、服薬している薬の種類によって尿の色が変化することもあります。
介護職員が尿の状態の変化に気付くことができれば、いち早く医療につなげることができるでしょう。
このような排尿チェックは利用者にとってとても重要ですが、同時に羞恥心を与えてしまうことを忘れてはいけません。特に尿失禁時の介助は、利用者への配慮が必要になります。
そこで次は、尿失禁の種類とケア方法について解説します。

尿失禁の種類とケア方法

ここでは、尿失禁の種類とケア方法について解説します。
尿失禁の種類は以下の4つです。それぞれに適切なケア方法がありますので、ポイントを押さえておきましょう。

腹圧性尿失禁

何かの拍子でお腹に力が入ったときに尿がもれてしまうのが、腹圧性尿失禁です。セキやくしゃみをしたとき、重いものを持ち上げようとして力を入れたときなどに起こります。尿意がないのにもれてしまうのが腹圧性尿失禁の特徴で、女性に多いです。介助時のポイントとしては、外出や運動などお腹に力が入りそうなことをする前に、あらかじめトイレに行ってもらうとよいでしょう。また、お腹周りがきつくならない衣類を選ぶのも効果的です。

切迫性尿失禁

突然尿意を感じて我慢できずにもれてしまうのが、切迫性尿失禁です。高齢者の場合、脳血管障害や前立腺肥大、膀胱がんなどの病気が、切迫性尿失禁の原因となります。尿意を感じてすぐにもれてしまうのが、切迫性尿失禁の特徴です。介助時のポイントとしては、脱ぎやすいズボンを履くことや、トイレを近くにするとよいでしょう。

機能性尿失禁

排尿の機能に問題がなくても、運動機能や認知機能などの低下が原因で起こる失禁が、機能性尿失禁です。
たとえば、「足腰が弱ってトイレに間に合わずに尿失禁してしまう」や、「認知症のためトイレの場所がわからず尿失禁してしまう」といったケースがあります。
「日頃から体を動かす」「トイレの場所をわかりやすくする」といったように、それぞれのケースに合わせてケア方法や生活環境を見直すのが、機能性尿失禁の介助のポイントです。

溢流性尿失禁

自分の意思とは関係なく少しずつ尿がもれ出してくるのが、溢流性(いつりゅうせい)尿失禁です。溢流性尿失禁では尿が少しずつもれ出してくるため、尿取りパッドを有効に使いましょう。尿取りパッドをマメに取り替えることで、不快感が軽減できるかもしれません。
また、膀胱内の残尿が多いことによって溢流性尿失禁は起きますので、導尿が行われる場合もあります。
この導尿のケアを介護者が行う際、どのようなことに注意すればよいのでしょう。そこで次は、導尿とバルーンカテーテルのケアについて解説します。

導尿とバルーンカテーテルのケア

排尿障害により導尿が必要な利用者や、バルーンカテーテルが留置されている利用者に対し、介護者はどのようなケアを行う必要があるでしょう。詳しく解説していきます。

導尿

導尿とは、尿道からカテーテルを入れて膀胱内の尿を出すことです。利用者自身が導尿を行えない場合、他者の介助が必要となります。
導尿は医療行為ですので、介護職員は導尿を行ってはいけません。介護職員が行えるのは、カテーテルを準備することや導尿時の姿勢を整えることまでですので、注意しましょう。

バルーンカテーテル

膀胱にバルーンカテーテルを入れて、管から尿を出していきます。導尿と違って、バルーンカテーテルは尿道から膀胱へずっとカテーテルが入れっぱなしです。カテーテルから出た尿は、つながっている畜尿袋へ溜まります。畜尿袋へ溜まった尿は、1日数回トイレに流しましょう。
バルーンカテーテルを留置していると、感染症や皮膚トラブルを起こしやすくなります。また、カテーテルが抜けていたり、詰まっていたりしないかチェックが必要です。
バルーンカテーテルが入っている人は、入っていない人と比べて様々なトラブルが起きやすいですので、注意してケアを行いましょう。

まとめ

「Hr」の読み方と意味から、排尿に関する様々なことについて解説しました。
排尿場面におけるケアのポイントを知っておくことで、適切な介護ができるようになり、介護職員としてスキルアップができるでしょう。
排尿ケアのスキルアップのために、この記事が参考になれば幸いです。

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