「介護現場でOJTを成功させるには、どうしたらいい?」「そもそもOJTって何?」と悩んでおられるかもしれません。
そこで今回は、介護現場でOJTを成功させる秘訣やメリット・デメリットについて紹介します。
そもそもOJTとは?
OJTとは、「On The Job Training」の略で、直訳すると「仕事上での教育」となります。日常の業務を通じて、先輩が後輩に必要な知識や技術を教える研修のことです。
介助には利用者さんの状態に合わせた技術が必要であり、介護現場ではOJTが行われることが多くあります。
OJTの基本的な手順は、以下の通りです。
1.やってみせる(Show)
2.説明する(Tell)
3.やらせてみる(Do)
4.確認、追加指導(Check)
例として、利用者さんを車イスからベッドへ移乗する場面を思い浮かべてみてください。
まずは、指導者が利用者さんを移乗します。次に、介助のポイントや注意点を説明。そして、ここで初めて後輩が介助を行います。指導者は動作を確認し、良かった点や改善するべき点を伝えるのです。
介護の仕事は、「口頭」で伝えきれないこともあります。OJTは、実際に業務を行いながら教育を行うため、介護と非常に相性が良い手法であるといえるでしょう。
それでは続けて、介護現場でOJTを行うメリットに関する説明に⼊ります。
介護現場でOJTを行うメリット
ここでは、介護現場でOJTを行うメリットについて3つ紹介します。
具体的には、
1.現場での実践力が身につく
2.個人に合わせた内容で研修ができる
3.教える側も学べる
それでは、順番に解説していきます。
現場での実践力が身につく
OJTのメリットは、現場での実践力が身につくことです。介護では、多くの介助技術が必要です。
例えば、以下の介助技術が挙げられます。
・オムツ交換
・入浴介助を行う際の流れ
・ベッドから車イスへの移乗
・転倒しないための歩行介助など
これらの介助技術は、口頭だけで説明するのは困難です。OJTでは、業務を行いつつ先輩スタッフから指導を受けられます。そして、実践力につなげられるのです。
個人に合わせた内容で研修ができる
OJTでは、個人の習熟度に合わせた内容で研修ができます。マンツーマン指導なので、研修のレベルやスピードも個人に合わせられるのがメリットです。
介護では、利用者さんの状態に応じて求められる対応が異なります。自信を持って介助できるまで、何度でもポイントを教えてもらうことが可能です。
教える側も学べる
教える側もOJTを通じて成長できます。OJTでは「いかに分かりやすく、論理的に教えられるか」が重要です。教える側も、研修過程の中で「どうすれば相手に伝えられるか」を考えなければなりません。そして自分自身の介助方法や教え方を見直すことで、ブラッシュアップにつながるのです。
それでは続けて、介護現場でOJTを行うデメリットに関する説明に⼊ります。
介護現場でOJTを行うデメリットはある?
ここでは、介護現場でOJTを行うデメリット3つについて紹介します。
具体的には、
1.個人によって到達度にばらつきが出る
2.道筋を立てた指導がしにくい
3.教える側に業務負担がかかる
それでは、詳しく解説していきます。
個人によって到達度にばらつきが出る
OJTのデメリットは、個人によって到達度にばらつきが出ることです。「教える側」「教えられる側」どちらの技術にも影響を受けます。
例えば、「非常に技術の高い指導者」が教える場合と、「そこまで技術が高くない指導者」が教えるのでは、研修結果の到達度は大きく異なるでしょう。
また、「教えられる側」の技術力や吸収するスピードによっても、どれくらい研修内容を身につけられるかは変わってきます。OJTには、個人によって到達度がばらつきが出るデメリットがあるのです。
道筋を立てた指導がしにくい
OJTには、道筋を立てて指導しにくい面があります。これはマンツーマン指導に見られる特徴です。複数の受講者を対象にした研修であれば、「ここまでは指導する」などの全体像を決めてから行います。
しかしマンツーマン指導は、相手のレベルに合わせて研修内容を決定します。よって指導が体系的でなく「点」で行われるケースがあるのです。
教える側に業務負担がかかる
教える側に業務負担が掛かってしまうデメリットもあります。これは、OJTが通常業務の中で実施されるからです。教える側は通常業務を停止し、研修を実施しなければなりません。時には、研修資料の作成も必要でしょう。OJTに大きな費用は掛かりませんが、教える側の負担が大きいことを押さえておくべきです。
それでは続けて、OJTを成功させるために必要なことに関する説明に⼊ります。
介護現場でOJTを成功させるために必要なこと
ここでは、介護現場でOJTを成功させるために必要なことを3つ紹介します。
1.目標と期限を明確に定める
2.担当者だけでなく職場全体が参加する
3.フィードバックで振り返りを促す
それでは、順番に解説していきます。
目標と期限を明確に定める
OJTを成功させるために、まずは目標と期限を明確に定めましょう。マンツーマン指導は、個人の技量に応じて行われるため、目先の目標だけを追いかけてしまう傾向にあります。
「1か月で、○○ができるようになる」など、具体的な目標と期限を定めましょう。目標や期限が定まれば、お互いのモチベーションアップにもつながります。
担当者だけでなく職場全体が参加する
担当者だけに全てを任せず、職場全体でOJTを行いましょう。OJTは、どうしても担当者に任せきりになってしまう傾向にあります。通常業務に加えて研修を行うため、教える側の負担は大きいです。担当者の許可を得た上で、部分的に他の人も指導に参加しましょう。職場全体で取り組むことで、教える側の負担も軽減でき、より質の高いOJTを実施できます。
フィードバックで振り返りを促す
研修の「振り返り」をすることで、技術や知識が定着すると言われています。特に新人職員の場合、覚えることも多いため「できていること、できないこと」を把握しきれていないこともあります。教える側は、「できていること、できていないこと」などを伝えてフィードバックを行います。そして、一緒に「振り返り」を行い事実を確認するのです。その上で、次の目標を定めます。フィードバックを行うことで技術が定着し、更なる成長に繋げることが可能です。
職場外で実施されるOff-JTについて
Off-JTとは、「Off The Job Training」の略です。職場から離れ、研修などを受講することを意味します。OJTと違い、通常業務をしながらの研修ではありません。よって業務負担も少なく、体系的に学べることがメリットです。
また管理者や中堅職員など、すべての職員に向けた研修が用意されているのも魅力。
一方で、外部で受講するため、受講料や交通費などのコストが必要です。
まとめ
今回は、OJTについて紹介しました。OJTとは、通常業務を通じて、先輩から後輩へ知識や技術を伝える研修のことを指します。介護技術を口頭で伝えるのは難しいため、介護と相性が良い手法と言えるでしょう。
教えられる側は、自分の到達度に応じた研修を受講できます。また教える側も学べるので、OJTは一石二鳥の研修方法です。
一方で、マンツーマン指導ゆえに道筋を立てた指導がしにくい面や、教える側の負担が大きくなるなどのデメリットもあります。OJTを効果あるものにするには、目標と期限を決め職場全体で取り組む必要があります。
またフィードバックを行い、自分自身の到達度を見つめ直す「振り返り」も有効です。この記事を参考に、効果的にOJTを実施していただければ幸いです。
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