「相談援助業務は無資格だと難しいかな?」と興味はありながらも、必要な資格や職場となる施設・事業所を知らない方がいるかもしれません。相談援助業務は福祉の現場では欠かせない業務で、多くの相談援助系の専門職が活躍しています。興味のある方は必要な資格や行っている施設・事業所を把握することで、相談援助業務の職種への転職に近づけるでしょう。この記事では相談援助業務に必要な資格や職種、職場などについて解説します。
相談援助業務とは
相談援助業務は、障害者福祉や児童福祉でもありますが、高齢者福祉では欠かせない業務の一つです。ここでは、相談援助業務の概要や介護業務との違い、相談援助業務の基本について解説します。
問題を抱えた方の相談に乗る
相談援助業務は、悩みや問題がある方の相談を受け、解決方法をともに考えていく業務です。多くの方は「ソーシャルワーカー」という職種を聞いたことがあるかもしれません。ソーシャルワーカーは相談員の呼称であって、各福祉分野によって以下のような相談援助業務の専門職がいます。
・高齢者福祉:生活相談員・ケアマネジャー
・障害者福祉:相談支援専門員
・児童福祉:児童相談所相談員
高齢者福祉の相談員とケアマネジャーについては後ほど解説します。
介護業務とは明確に違う
同じ高齢者福祉の職場で行われているため、相談援助業務と介護業務との違いがわかりにくいかもしれません。しかし、両業務は以下のように明確に違います。
相談援助業務:悩みや問題がある方の相談に対応するサービスにつなぐ
介護業務:食事・入浴・排泄などの介助、掃除・買い物などの生活支援
業務としては上記のように明確に違いますが、事業所・施設によっては相談員が介護職員を兼務する場合もあります。
相談援助業務は基本を大切にする
相談援助業務を行っていくうえで基本がとても大切です。相談援助業務の基本的な考え方・姿勢として役立つ概念が、対人援助職の行動規範として有名な「バイスティックの7原則」です。「バイスティックの7原則」は、アメリカの社会福祉学者のフェリックス・ポール・バイスティックが提唱しました。「バイスティックの7原則」を相談援助の場面に当てはめた結果が以下のとおりです。
・個別化の原則:相談者をかけがえのない個人としてとらえる
・意図的な感情表現の原則:相談者のすべての感情表現を認める
・統制された情緒関与の原則:相談援助職が自身の感情を自覚する
・受容の原則:相談者をあるがままに受け止める
・非審判的態度の原則:相談者を相談援助職の価値観で判断しない
・自己決定の原則:自分のことを相談者自身が決める
・秘密保持の原則:プライバシーや秘密を守る
バイスティックの7原則は、相談援助業務だけではなく介護業務でも活かせます。
ここでは相談援助業務の概要や介護業務との違いなどについて解説しました。次は相談援助系の資格について解説します。
相談援助系の資格を取得する
相談援助業務は制度において資格を求められることが多いため、無資格で就くことは難しいでしょう。社会福祉主事任用資格という資格もありますが、もっと評価される資格のほうが就職・転職には効果的です。ここでは、相談援助系の主な資格について解説します。
社会福祉士はソーシャルワーカーの専門資格
一つ目の相談援助系の資格は社会福祉士です。社会福祉士は「社会福祉士及び介護福祉士法」で定められた国家資格で、<社会福祉士=ソーシャルワーカー>と思われているぐらい、相談援助では代表的な資格です。
社会福祉士を取得するためには国家試験に合格しなければなりません。
福祉系大学を卒業していなくても、多くの方が働きながら一般養成施設や短期養成施設の通信課程を修了し受験資格を取得しています。国家試験では社会福祉全般だけではなく、心理学や社会調査、人体の構造などの知識も問われます。
精神保健福祉士はメンタルヘルスが専門分野
二つ目の相談援助系の資格は精神保健福祉士です。精神保健福祉士は「精神保健福祉士法」で定められた国家資格で、メンタルヘルスを対象にした資格です。精神保健福祉士は以前PSWという呼称で「Psychiatric(精神)」、つまり、精神障害者に関する相談援助を対象とする資格でした。しかし、MHSWと呼称を変え、相談援助の対象を「Mental Health(心の健康状態)」と幅広くしました。
精神保健福祉士を取得するためには国家試験に合格しなければなりませんが、受験資格を得ることは社会福祉士と同様に簡単ではありません。精神保健福祉士は、名称のとおり精神科病院や精神保健福祉センターなどで活躍しています。
ケアマネジャーは利用者とサービスとの架け橋
三つ目の相談援助系の資格は介護支援専門員で、ケアマネジャーという通称のほうでお馴染みの資格です。介護支援専門員が作成するケアプランによって、利用者が介護保険サービスを利用できます。介護支援専門員は利用者とサービスとの架け橋のような存在です。ケアマネジャーの仕事をするためには相談援助業務は欠かせません。
介護支援専門員になるためには、まず各都道府県が実施する介護支援専門員実務研修受講試験に合格する必要があります。そして、その後の介護支援専門員実務研修を受講しなければなりません。つまり、試験に合格するだけでは介護支援専門員にはなれないのです。
介護支援専門員の受験資格は以下のとおりです。
・「介護福祉士や社会福祉士などの国家資格にもとづく業務」と「相談援助業務」と実務経験期間が、5年以上で当該業務従事日数が900日以上の方
受験資格を取得するだけでも、比較的長期間の介護・相談援助業務の経験が求められる試験と言えます。
相談援助の仕事に就こう
相談援助系の資格について先ほど解説しましたが、相談援助業務をしている職種・職場についての把握も、転職・就職するうえでは重要です。
介護施設・事業所の相談員として活躍する
介護施設の相談員は施設の顔として中心的な役割を担っています。介護施設の相談員の主な仕事内容は以下のとおりです。
・利用希望者・家族の相談援助
・利用・入退所の手続き
・関係機関との連絡調整
また、介護施設の相談員の職種と勤務している施設・事業所は以下のとおりです。
・生活相談員:特別養護老人ホーム・デイサービス・ショートステイなど
・支援相談員:介護老人保健施設
施設・事業所の種別や職場によって仕事内容は少し異なります。
特養で働く看護師の役割
地域包括支援センターの相談員は地域に住む方々から、介護についての様々な相談を受けます。地域包括支援センターの医療職である保健師(看護師)以外の相談員は以下のとおりです。
・社会福祉士
・主任ケアマネジャー(主任介護支援専門員)
・ケアマネジャー
地域包括支援センターは、介護相談や高齢者の活躍の場の提供、虐待相談、地域づくりなどをするため、「地域福祉の要」の機関です。地域包括支援センターの相談員をイメージするためには、建物内ではなく地域に飛び出して行って相談援助業務をしている姿を想像してください。
居宅介護支援事業所のケアマネジャーとして介護保険制度の中核になる
多くのケアマネジャーが働いているのが居宅介護支援事業所です。地域に住む高齢者が介護保険サービスを利用するときに必要なケアプランを作成しています。そのほかでは以下のような仕事をしています。
・アセスメント:要介護・要支援者の心身や生活の状況を確認
・ケアプランの作成:要介護・要支援者にあった介護保険サービスを組みあわせる
・モニタリング:介護保険サービスの提供状況を確認する
・相談援助:利用者・利用者家族からの介護の相談を受ける
・連絡調整:利用者・市町村・介護保険サービス事業者間の調整をする
上記のように介護保険サービスに関わる様々な業務をしているため、居宅介護支援事業所は介護保険制度の中核と言える存在です。
相談援助の資格を取得して転職を成功させよう!
相談援助業務では、悩みや問題がある方からの相談に対して、ともに解決方法を考えていきます。相談援助業務をする職種に就くためには、社会福祉士や精神保健福祉士などの資格が必要です。相談援助業務をする専門職の活躍の場としては、介護施設・事業所や地域包括支援などがあります。相談援助の資格を取得して相談員として活躍しましょう。
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