「ケアマネジャーではないからインテークは必要ない」と思っている方はいませんか。インテークは介護・福祉にかかわる方にとって必要な知識・スキルです。この記事では、インテークの基本や目的、流れなどについて解説します。普段はインテークをしない介護・福祉職の方も、日頃の業務で活かせる内容なので、ぜひ最後までご覧ください。
インテークとは
まずはインテークそのものについて見ていきましょう。
インテークは利用者を受け入れること!
インテークは英語で「intake」と書き「受け入れ」を意味します。介護や福祉では、困りごとがある相談者との最初の面接や電話での相談を指します。
相談者は不安な気持ちで来るため、相談を受けるインテーカーは相談者が相談しやすい態度や状況でのぞむことが重要です。また、インテークは相談者からの相談機関の印象が決まる重要な機会です。情報収集にとらわれすぎないように、良好な関係構築を意識しましょう。
目的は信頼関係の構築
インテークの最大の目的は信頼関係の構築です。なぜなら、今後の支援が決定づけられる重要な機会であるためです。
インテーカーは情報収集の機会でもあるため、多くの質問をしてしまいがちです。しかし、質問ばかりしていては信頼関係が構築できません。
まずは相談者の不安を和らげ、相手を受容し話をうかがいましょう。話をうかがえば相談内容や困りごとが明確化します。相談者と良好な関係を築くためにも、声のトーンや表情に注意し慎重に進めていきましょう。
インテークとアセスメントの違い
インテークと類似しているものにアセスメントがあります。二つの違いは以下のとおりです。
・インテーク:信頼関係の構築や基本情報の把握
・アセスメント:相談者のはニーズを明確にすること
二つとも支援の前段階で行われるため混同されている方がいるかもしれません。
アセスメントは「客観的評価」が本来の意味です。介護ではケアマネジャーが作成するケアプラン、福祉では相談支援専門員が作成するサービス等利用計画を作成するための作業です。情報収集を行い相談者のニーズを明確化して、プランの作成につなげます。また、アセスメントはインテークと異なり、初回だけではなく状況の変化がある場合は何度も行うことが特徴です。
次はインテークの基本的な内容について見ていきましょう。
インテークの基本を理解しよう!
インテークの基本的な内容はいくつもありますが、ここでは三つに絞って解説します。
事前準備
相談者からの相談を受けられるように事前に準備することが重要です。事前準備として以下のものがあります。
相談者が来られる場合
・時間の調整:相談時間が延びることも踏まえ、インテーカーの前後のスケジュール調整
・相談場所の準備:個室のほうが相談しやすい場合は準備する
訪問の場合
・住所や駐車スペースの確認:詳しくない住所の場合は確認が必要
・時間帯の配慮:相談者の都合に配慮する
どちらの場合も事前情報から相談内容が推測できるようなら、以下についても準備をしましょう。
・質問内容の整理
・資料・書類の用意
また、相談内容をまとめるためのメモも忘れないでください。
表情や声のトーンに注意する
インテーカーは表情や声のトーンに注意して相談を受けましょう。インテークは相談者との初回の面接であり、インテーカーや相談機関の第一印象が決まります。第一印象によってその後の支援が左右されると言っても言い過ぎではありません。
特に電話の場合は、相談者から表情が見えないため、印象がインテーカーの「声」ですべて決まります。そのため、普段の話し声よりも声のトーンやボリュームに気をつけなければなりません。声の低い方は意識してはっきり高く声を出すようにしましょう。
ポイントを押さえる
ポイントを押さえながらインテークを行うことが重要です。相談者の話をただ聞いていては話す内容があちらこちらに行ってしまい、インテークが成立しません。相談者の話を聞くことはとても重要ですが、ところどころでポイントを押さえていきましょう。インテークのポイントは以下のとおりです。
1.困りごとの明確化と確認:相談者の困りごと・問題点を整理する。困りごとはインテーカーの言葉で確認する(例:「つまり、○○で困っているのですね」)
2.信頼関係の構築:傾聴・同意で信頼関係を築く(例:「とてもおつらかったですね」)
3.自己決定の尊重:インテーカーで支援の方向性を決めるのではなく、相談者の自己決定を促す(例:「どのような支援を希望されますか」)
インテークは相談者が悩みを語りやすい場面です。相談者のペースで話が進むため、長時間になりかねません。ポイントを押さえて相談を受けるように心がけましょう。
次章ではインテークの実際の手順や流れについて解説します。
インテークの手順・流れとは
インテークの手順・流れを一つひとつ見ていきましょう。
挨拶・自己紹介
まずは挨拶をして、名刺を提示し自己紹介をしましょう。当然と感じるかもしれませんが、相談者によってはインテーカーが座ると同時に話をされる方がいます。インテークのペースが乱れないようにするためにも、最初の挨拶と自己紹介がとても重要です。
インテークの流れを伝える
次にインテークについて説明や承諾を得ましょう。伝える内容は以下のとおりです。
・インテークの内容の説明
・所要時間の説明
・記録することへの承諾
話が脱線したり焦ったりしないようにするためにも、インテークにかかる時間の説明は重要です。
確認したい内容を質問する
インテークの中で確認したい内容を伝え回答してもらいましょう。確認したい内容は相談の中にあるため、まずはじっくり相談者の話を聞くようにしてください。相談者がある程度困りごとについて話された段階で、確認したい内容を伝えます。質問は早すぎたり遅すぎたりすると、信頼関係の構築の障害やインテーク時間の超過に繋がります。相談者がひととおり話されたタイミングを見計らって質問をしてください。
不足している内容を質問する
インテークの最終段階で不足している内容があれば相談者に質問しましょう。前述の確認内容を踏まえつつインテーク全体を振り返り、不足している内容を見つけ質問してください。記録した内容を確認してもよいでしょう。また、この段階で相談者が話したりないようなら、話を促すことも重要です。最後の相談の中に困りごとの真意が隠れているかもしれません。
今後の支援の提案
最後はインテークの内容を振り返り、支援の方向性を提案しましょう。相談者の困りごとを振り返ることで、どのような支援がよいか見えてきます。注意点としては、相談者が望んでいることと支援の方向が必ず一致するとは限らないことです。相談者が望んでいたとしても、その支援が相談者にとって過剰な支援になりかねません。
例えば、介護保険サービスが不必要な相談者に介護保険申請は不必要です。相談者の現状に適した支援を提案してください。
最後にインテークを日頃の業務で使用する専門職について解説します。
インテークスキルが必要な専門職とは
ここでは、インテークのスキルが特に必要な専門職について解説します。
ケアマネジャー
インテークはケアマネジャーにとっては必要なスキルです。新規の利用者に対して必ず行います。居住環境の確認が必要なため、利用者の住まわれている場所での実施が一般的です。信頼関係の構築や困りごとの確認だけではなく、介護保険サービスや契約内容も説明し同意が得られるように話をすすめます。
地域包括支援センターの職員
地域包括支援センターの職員の場合、電話や相談者の来所によるインテークが多いと言えます。困りごとが多岐にわたるため、申請の受付や公的制度の説明、地域資源・インフォーマルサービスの紹介などと、支援内容が幅広くなることが特徴です。介護保険サービスの利用ではケアマネジャーへの引き継ぎも含まれます。
介護施設の相談員
特別養護老人ホームやデイサービスなどの生活相談員、老人介護保健施設の支援相談員にとって、インテークは必須のスキルです。相談者の介護施設の利用という明確な目的はありますが、相談にいたる経緯を確認しなければなりません。その他では、介護施設の説明や見学対応もインテーク後に行うことが特徴です。
インテークスキルを身につけて介護・福祉の現場で活躍しよう!
インテークの基本や流れなどを理解すれば、経験の浅い方でもスムーズに行えます。信頼関係の構築を意識しながら進めていきましょう。
また、インテークは介護・福祉で働く方にとっては必須のスキルです。事前準備や信頼関係の構築、困りごとの明確化などは、日頃の業務で役に立つものばかりです。ケアマネジャーのように日頃は利用したくても、インテークのスキルをしっかり身につけておきましょう。
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