高齢者のQOLを向上させるメリットや方法を解説します

高齢者のQOLを向上させると良いとは聞いたことがあっても、「具体的にどのようなことをしたら良いのかわからない」という方も多いと思います。しかし、高齢者の人生の質にも大きな影響を与えるQOLを向上させる方法があるなら是非知りたいところですよね。
そこで、この記事では、高齢者のQOLを向上させるメリットや方法を具体的に紹介していきます。是非、参考にしてみてください。

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QOLとは
1. 判断基準
2. 介護・福祉で重視される理由
高齢者のQOL向上させるメリット
QOLを向上させる方法
まとめ

QOLとは

QOLとはQuality of life(クオリティオブライフ)の略で、生活の質という意味を持ちます。QOLは、介護・福祉業界にもよく使われる言葉であるため、その概要をしっかりと理解しておくことも大切です。そこで、ここからは、QOLの判断基準や介護・福祉で重視される理由などを解説し、よりQOLについてのことをわかりやすく説明していきたいと思います。

判断基準

QOLは生活の質を示すものと言われると、漠然としたもののように捉えがちですが、実はその評価もできるような構成があります。
QOLの構成は以下の6つの領域から成ります。

・身体的領域
・心理的領域
・自立レベル
・社会的関係
・生活環境
・精神性・宗教・信念

QOLを評価する場合は、上記の領域をさらに細分化して質問を設け、その回答を点数として集計する方法をとっています。経済力や病気の有無などの事実ではなく、本人の主観的な幸福度を測るものです。

介護・福祉で重視される理由

介護・福祉においてQOLが重視される理由は、それを向上させることでのメリットが多いからです。昨今、少子高齢化社会でたくさんの課題を抱えている日本では、高齢者の介護予防にも重点をおいたサービスをすすめています。高齢者のQOL向上が、介護予防としての効果も発揮する可能性があります。そのため、少子高齢化社会により、介護に悩む人を少しでも減らすために、QOLを向上させることは有効であると考えられているのです。

高齢者のQOL向上させるメリット

高齢者のQOLを向上させるメリットは、多いです。
なかでも、特に大きなメリットは以下の5つになります。

・心身が安定する
・幸福度が増す
・介護負担が減る
・意欲の増加
・生活にメリハリがつく

ここからは、上記5つのメリットについて更に詳しく解説していきます。

心身が安定する

生活の質(QOL)が向上すると、心身の状態が安定します。部屋を綺麗にすると心が落ち着くのと一緒で、生活が安定すると心の状態もそれに比例して安定するものなのです。生活が整うことで心も整う。QOLは心に最も影響を及ぼす大切なものなのです。

幸福度が増す

生活の質(QOL)が上がるということは、必然的に幸福度も上がります。生活が整い、心が整う、その結果幸せを実感しやすくなります。幸せを感じる対象は人それぞれに違いがありますが、心が正常値になることで、より幸福を感じやすくなるのです。

介護負担が減る

生活の質が向上すると、要介護者本人の健康面やメンタル面がそれに伴って向上する可能性が高いです。そうすると、要介護者が「自分でやりたい」という意欲を持って生活することになるため、介護者の負担が軽減するメリットもあります。

意欲の増加

QOLが上がると、本人の生きがいが見え、やる気が出てくることが多いです。趣味を見つけたり、自分の役割を感じたりすることで、イキイキとし、生活意欲が増します。そうすることで、なんでも自発的に行動するようになり、結果、家族にとってもさまざまな負担が減ります。

生活にメリハリがつく

QOLの向上で、ダラダラとした毎日からイキイキとした生活に変わります。その結果、メリハリのついた生活を送ることができるようになります。メリハリがつくようになると、規則正しい生活が送れるようになったり、何事にも前向きに取り組めるようになったりと安定した毎日を送れるようにもなるでしょう。

QOLを向上させる方法

QOLを向上させることでのメリットが多いのは、上記で説明した通りですが、その具体的な方法はあるのでしょうか？
できれば、日常生活上で、簡単に取り組める方法を知りたいものですよね。QOLを向上させる簡単な方法は以下の4つです。

・規則正しい生活をする
・運動・リハビリを行う
・自発的に活動する
・楽しみを増やす

ここからは、QOLが向上する可能性が高い４つの方法を解説していきます。

規則正しい生活をする

生活の質を上げるために、まず大切なのは規則正しい生活です。

・充分な睡眠
・満足な食事
・定期的な排泄

など、日常生活が安定すれば生活の質を向上させることにも繋がります。不規則な生活で、日常に満足できていない場合は、まず生活リズムを整えてみることから始めてみてはいかがでしょうか？

運動・リハビリを行う

体力や健康を維持する上で、運動やリハビリを習慣化することも大切です。健康面が安定すれば、それも生活の質向上に繋がります。また、運動はストレス発散の効果もあるため、メンタル面へのアプローチとしてもいいでしょう。更に、高齢者の筋力や身体機能を維持・向上させる効果のあるリハビリを積極的に取り入れることも有効です。理学療法士や作業療法士が作成したプログラムに沿って、必要なリハビリを行うようにしましょう。生活リハビリとして、日常生活動作のなかでの機能訓練を習慣化させることも効果が高いです。

自発的に活動する

本人の「やる気」を刺激するような活動を増やしましょう。
例えば、

・達成までのノルマがあるレクリエーションを行う
・本人に役割を持ってもらい調理レクリエーションを行う
など、目標や役割を持ってもらうことが、本人のやる気に繋がります。自発的に行うことで、「やらされている感」ではなく、自ら楽しんで活動に取り組むことができます。

楽しみを増やす

生活の中に楽しみを増やし、QOLを上げることは人生の質を向上させることにも繋がります。「楽しい」という気持ちは、人生において大きなスパイスとなるからです。楽しみというのは、大それたものでなくても、日常生活上のちょっとしたことで構いません。
例えば、

・毎日見ているドラマがある
・他利用者とやる将棋が楽しい
・育てているトマトの成長が楽しみ

など、日常生活で本人が楽しみになるような環境を用意してあげることが大切です。

他者とのコミュニケーションを増やす

他者と触れ合う時間を増やしてあげることも大切です。介護施設であれば、レクリエーションやイベントなどを定期的に開催することで、他者と関わる時間が増える可能性があります。
特に、触れ合いが増えやすいレクリエーション例は以下のような内容のものです。

・運動会など協力して行う競技レクリエーション
・調理レクリエーションなど会話して行うもの
・幼児や地域住民などとの交流イベント

上記以外にも、日常生活で将棋や囲碁、トランプなどをみんなで行う場を設けるのも効果的です。会話は、孤独感を排除し、メンタル安定にも繋がるQOL向上の効果が高いものです。

まとめ

QOLを上げることで高齢者の人生の質も向上させることができます。幸福度とは、主観的なことであるため人によって違いがありますが、それを感じやすいように環境を整えてあげることが大切です。日常生活の中で、簡単にできるQOL向上の方法を少しずつでも工夫して取り入れていきましょう。高齢者のQOLを上げることは、本人の利益になるだけでなく、社会全体を救うきっかけにもなり得ます。

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