介護のスキルアップ

要介護認定の一次・二次判定が一瞬でわかる!鍵となる「介護の手間」とは

要介護認定では本人の実情にあった介護度を認定するために、一次判定・二次判定を経て要介護度が決定します。
この記事では、その一次判定や二次判定について解説します。本記事を読めば、要介護認定の判断基準が理解できるでしょう。要介護度について疑問を持っている利用者さんやご家族もきっと多いはず。そのような方々のためにも、要介護認定を理解して納得のいく説明をしてあげましょう。

求人を紹介してもらう

要介護認定では「介護の手間」がはかられる

要介護認定では介護度が決められます。そのさいに重要になるのが「介護の手間」です。多くの方が日常生活の中で、介護を必要としています。しかし、人によって介護にかかる労力は違ってきます。介護保険制度では、介護にかかる労力を「介護の手間」としています。そして介護度は、必要とされる「介護の手間」の総量により決定されるのです。

「介護の手間」をはかる理由

介護度の認定(以下、介護認定)では、「介護の手間」が重要になります。そもそも介護認定は、介護保険サービスの利用のために行われます。そのため本人の状態が悪化した場合でも、介助の量が変わらないのであれば介護サービスの利用も問題ありません。
一方で、状態に変化が無くても環境の変化などで「介護の手間」が増えるのなら、介護度の変更が必要になるでしょう。そのため、介護度の認定では本人の状態そのものではなく、「介護の手間」が重要になってくるのです。

その人の状態と介護の手間は比例しない

本人の状態と「介護の手間」は比例するとは限りません。介護認定では「介護の手間」が評価の基準になります。そのため、本人の健康状態や身体機能・認知機能の低下があった場合でも、介護度が変わるとは限らないのです。また介護認定で評価される「介護の手間」は日常生活全般やすべての医療行為を対象としているわけではありません。そのため、介護認定で「非該当」になっても、医療的な対応を必要とするケースもあります。

「介護の手間」はこうしてはかる

「介護の手間」はその人の起居動作や生活行為、認知機能などによって評価されます。もし似たような特徴を持った方がいた場合でも、居住環境やほかの要因により、結果は違ったものになるはずです。
例えば「歩行はできないが、施設内は車いすを自走して生活している人」と「歩行はできないが、自宅内で介護者の手引きで歩行している人」がいたとします。両者とも歩行機能の状態は同じですが、室内を移動する状況が違います。そのため、それぞれ違った介助の状況が出てくるでしょう。
このように「介護の手間」はそれぞれの状態を単純足していったものではなく、組み合わせを考慮する必要があるのです。これらの統計データを用いてコンピューターで判定するのが、一次判定と呼ばれるものです。

要介護認定の一次判定で判定されるもの

介護認定の一次判定では以下の5項目における要介護認定等基準時間を、客観的に推計して算出します。

・直接介助
・間接生活介助
・BPSD関連行為
・機能訓練関連行為
・医療関連行為

一次判定は調査で得たデータをコンピューターに入力し、機械的に判定されます。そのため、実情とあった判定結果が出るとは限りません。

一次判定で「介護の手間」を計算する

要介護認定の一次判定は、認定調査員による認定調査と、主治医の意見書をもとにしてコンピューターで判定します。判定は、介護の手間を7つの区分に分け、それぞれを時間に換算します。その結果で得られた時間を「要介護認定等基準時間」と言い、これに「認知症加算」を加えて評価が決まるのです。
7つの区分については、以下の表を参考にしてください。

※「認知症加算」とは、運動機能の低下していない認知症高齢者に対して、要介護認定等基準時間を積みあげるものです。

要支援1要介護認定等基準時間が25分以上32分未満またはこれに相当すると認められる状態
要支援2
要介護1
要介護認定等基準時間が32分以上50分未満またはこれに相当すると認められる状態
要介護2要介護認定等基準時間が50分以上70分未満またはこれに相当すると認められる状態
要介護3要介護認定等基準時間が70分以上90分未満またはこれに相当すると認められる状態
要介護4要介護認定等基準時間が90分以上110分未満またはこれに相当すると認められる状態
要介護5要介護認定等基準時間が110分以上またはこれに相当すると認められる状態

※参考: 厚生労働省「要介護認定はどのように行われるか

一次判定の特徴と役割

一次判定は、データをコンピューターに入力して機械的に判定されたものです。当然その人の実態とは、かけ離れている場合が多いでしょう。そのほかにも、一次判定には以下の特徴があります。

・日常生活すべての状態を表しているわけではない
・統計によって得られた数値であるため、対象者の実情を反映しているとは限らない
・その人に特有のくせや性格などが要因の手間は、含まない

一次判定で得られた結果には以上のような特徴があるため、実態に即しているか検討する必要があります。そのため、介護認定審査会における二次判定では、保険・医療・福祉の観点から行われるのです。一次判定は、二次判定のためのたたき台といったところでしょう。

要介護認定の二次判定で判定されるもの

二次判定では一次判定の結果をもとに、介護度変更の必要性を検討したうえで介護度が決定されます。一次判定では、心身の状態や介護の状況から大まかな介護の手間が判定されます。二次判定では一次判定の結果をもとに微調整を行い、介護度が確定します。

二次判定で「介護の手間」が決定する

介護認定で重要なのは「介護の手間」です。二次判定でもそれは変わりません。二次判定では、認定調査や主治医意見書などから「介護の手間」を読み取ります。認知症や病状の悪化などが、直接評価されるのではありません。あくまでも、それらによって引き起こされる「介護の手間」が検討されるのです。そのため、認定調査などでは病状や認知症の症状だけではなく、それらによって生じた「介護の手間」を伝えるのがいいでしょう。

二次判定で何をみているのか

二次判定では、直近の心身の状態や介護の状況などから、どれだけ介護が必要なのかを判定します。そのうえで、その人固有の特徴や性格などが考慮されます。そのため、健康状態や環境の変化が予想される場合は、実際にその変化が起こったさいに申請するのが基本です。

適正な「介護の手間」をはかるために気をつけたいこと

対象となる方の適正な「介護の手間」がはかれなければ、適正な介護度が出せません。「介護の手間」がかかるのに介護度が低く出たり、逆に「介護の手間」のわりには介護度が高く出たりします。適正な介護度が出るためには、以下の3点に気をつけましょう。

・認定調査のタイミングに注意
・主治医意見書は詳細に記載してもらう
・調査や受診のときに「介護の手間」を伝える

認定調査のタイミングに注意

介護認定では、原則として調査日や受診日時点の「介護の手間」を評価します。そのため、疾患の状態や環境などが、短い期間でコロコロと変わってしまっては適正な認定が出せません。特に入院や施設に入所してすぐなどの場合は、注意してください。

主治医意見書は詳細に記載してもらう

主治医意見書は詳しく書いてもらいましょう。主治医意見書は対象者の病状について詳しい医師に、作成してもらってください。病院に何件か通っている場合「介護の手間」の要因となる疾病の専門家ではない医師や、対象者の状態を把握していない医師の場合、詳しい情報を提供できないかもしれません。対象者の病状や状態を、しっかり把握している医師に依頼しましょう。主治医意見書は、認定申請の1〜2週間前後に受診し依頼してください。

調査や受診のときに「介護の手間」を伝える

介護認定の調査や受診のさいは、心身の状態を伝えるだけでなく、それに伴って引き起こされる「介護の手間」を伝えましょう。要介護度は、どれだけ介護に手間がかかるかで決まります。そのため、どのような介護をしているのか、どの程度の頻度でどれくらい行っているか、どのくらいの労力を払っているかなどを具体的に伝えてください。

要介護認定は「介護の手間」が重要【まとめ】

要介護認定では「介護の手間」が評価の基準になります。つまり「介護の手間」が大きいと介護度も高くなり、小さいと介護度が低くなります。つまり、対象者の認知症の状態やそのほかの疾患の状態が、直接介護度に影響するのではありません。あくまでもそれらによってもたらされた「介護の手間」が、評価されるのです。対象者の実情と介護度がそぐわないと感じたら、一度「介護の手間」について相談員やケアマネジャーと再検討してみましょう。また、介護度について、疑問を抱えている方も多いと思います。そのような方にも、要介護認定について説明してあげてください。

「ミラクス介護」では、あなたの転職活動を求人紹介から入職決定まですべて無料でサポートさせていただきます。

ミラクス介護とは?

ミラクス介護の特徴

  • 介護業界では最大級の求人数を保有しています。
  • 介護の専門知識を有するコンサルタントがサポート。

「ミラクス介護」に登録するメリット

  • 求人情報には載っていない、評判や施設情報を提供します。
  • 無料で履歴書・職務経歴書を添削します。
  • 無料で面接対策をサポートします。
  • 登録した方限定で、ご案内可能な求人があります。

上記の特徴のようにあなたの転職を全力でサポートさせていただきます!

伺った希望条件からピッタリの求人をピックアップすることやお給料・勤務時間などの待遇面の交渉などをあなたに代わって、弊社のコンサルタントが行います。きっとあなたが希望するお仕事を見つけることができます。

ご相談をお待ちしております!

ミラクス介護 無料登録