デイサービスの管理者の役割とは？デイサービス管理者の仕事内容を紹介

高齢者が通所するデイサービスには、管理者の配置が義務付けられています。デイサービス管理者は介護現場に出ず、利用者やご家族と接する機会が少ないため、介護職員や利用者、ご家族からあまり認知されていないことも。本記事では、デイサービス管理者の仕事内容や役割についてご紹介します。

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デイサービス管理者とは？

デイサービス管理者とは、通所介護事業所（デイサービス）の責任者のことです。デイサービス管理者は、デイサービス職員の1人として介護業務に携わっているケースもありますが、ほとんどは管理業務や事務作業に追われています。
デイサービス管理者の主な仕事内容は、以下の通りです。

・利用者・介護サービス・職員・事業所の運営・収支などの管理
・従業員の人材育成・人材配置・勤怠・労働環境・給与などの社員管
・多職種連携や各関係機関との連絡調整、地域住民との交流の促進

上記で挙げた以外にも、サービス担当者会議やケアカンファレンスの実施、運営会議への参加など、デイサービス管理者の仕事は多岐にわたります。利用者や利用者のご家族、地域住民との信頼関係を築くためにデイサービスでの介護業務や送迎業務に参加することもデイサービス管理者の役割です。しかしながら、管理業務や事務作業に追われ、デイサービスでの介護業務や送迎業務が
疎かになっているデイサービス管理者が少なくないのも実情です。

デイサービスの管理者の仕事内容

デイサービス管理者は、通所介護事業所（デイサービス）の運営を行う重要な存在です。通所介護事業所（デイサービス）の運営を行うサービス管理者ですが、具体的にどのような仕事内容で事業所の運営を支えているのでしょうか。
デイサービス管理者の仕事内容は、以下の通りです。

●仕事内容➀：利用者・介護サービスの管理
【具体的な内容】
・利用者一人ひとりの健康状態とケアプラン内容の把握
・提供している介護サービスの管理を行い、不適切ケアを防止する
・利用者やご家族との定期的な面談

●仕事内容➁：職員管理・人材育成
【具体的な内容】
・新人職員の採用面接や教育、指導
・職員一人ひとりの保有資格に応じた適切な人員配置
・職員のシフト作成や勤怠管理

●仕事内容➂：運営管理
【具体的な内容】
・事業所の運営理念／介護サービス提供方針の策定
・利用者や職員の様子をモニタリングし、事業所の稼働状況を管理
・地域や外部事業所への営業／広報活動
・定期的なサービス担当者の会議の実施
・新規利用者との契約及び利用者の入退所に伴う契約書類作成

●仕事内容➃：収支管理
【具体的な内容】
・介護報酬と事業所運営にかかる経費の収入／支出管理
・職員の人件費管理
・事業所で使用する備品の選定や購入及び備品購入にかかる経費の管理

●仕事内容➄：行政管理
【具体的な内容】
・事業内容の変更に応じた「介護保険担当窓口」への提出届の提出
・非常時に備えた消防計画の作成

デイサービスの管理者には資格が必要？

デイサービス管理者になるための必須資格は特に決められていません。介護職としての実務経験や介護に関する知識があることは求められますが、無資格でもデイサービス管理者になることができます。
そのため、別業種から転職し、介護知識や実務経験を身につけてデイサービス管理者になる方も少なくありません。しかし、無資格でデイサービスの運営に関わる仕事をするとなると、利用者やご家族、職員に信頼してもらえない可能性もあります。デイサービス管理者にオススメの介護資格を3つご紹介します。

介護福祉士

介護福祉士は、介護系の資格の中で唯一の国家資格です。介護福祉士を保持していることで、専門性の高い介護知識・技術を有していることが証明できます。また、介護福祉士を保持していることで信頼性が高まり、チームリーダーや介護主任を任される機械も多くなります。

認知症ケア専門士

認知症ケア専門士は、「認知症の症状」や「認知症ケア」「認知症の方との関わり方」を熟知していることが証明できる資格です。認知症ケア専門士の資格を保持していることで、認知症を患っている利用者や、認知症高齢者を支えるご家族からの信頼度が高まります。

認定介護福祉士

認定介護福祉士は、介護福祉士の上級資格です。ベテランの介護福祉士として、専門的かつ実践的な介護知識や技術、多職種連携などの能力を有していることが証明できます。
介護主任やデイサービス管理者などの役職を目指している方にオススメの資格です。

デイサービス管理者になる方法

デイサービス管理者になるための必須資格は特に決められていません。しかし、介護に関する知識や経験が一切なく、無資格の方でもデイサービス管理者になれるかというと、そうではありません。デイサービス管理者になるには、最低でも以下の介護資格や実務経験が必要です。

●介護資格：介護職員初任者研修・介護福祉士実務者研修・介護福祉士

●実務経験：介護施設及び介護事業所で介護職員として3～5年の実務経験

デイサービス以外の「特別養護老人ホーム」や「小規模多機能型居宅介護」では、上記の介護資格や実務経験だけでは管理者・責任者になれない場合もあります。

デイサービス以外で管理者・責任者になる場合の要件

デイサービス管理者には必須となる資格や実務経験などの要件はありませんが、規模が大きい介護施設や小規模の介護事業所では細かい要件が決められている場合があります。デイサービス以外の種別の介護施設・介護事業所で管理者・責任者になる場合、必要になる資格や実務経験の要件は以下の通りです。

●小規模多機能型居宅介護・認知症対応型共同生活介護（グループホーム）
・事業所指定の施設において認知症介護の実務経験3年以上
・認知症対応型サービス事業の管理者研修を修了していること

●デイサービス、有料老人ホーム、サービス付き高齢者向け住宅
・介護職員初任者研修、介護福祉士実務者研修、介護福祉士などの介護資格があること
・介護施設及び介護事業所で介護職として3～5年の実務経験があり、介護知識を有していること

●特別養護老人ホーム
・管理者／責任者になるための要件は施設によって異なる

●介護老人保健施設
・都道府県知事の承認を受けた医師であること介護療養型医療施設
・施設が専門性の高い医療的ケアを提供している場合、臨床研修終了の医師であること（※細かい要件は施設によって異なる）

介護老人保健施設や介護療養型医療施設では、管理者・責任者になるための要件として「医師免許」が求められる場合もあります。また、小規模多機能型居宅介護事業所やグループホームでは、「認知症介護の実務経3年以上」や「認知症対応型サービス事業の管理者研修修了」の要件を求められます。
そのため、デイサービス管理者は他の介護施設・介護事業所に比べ、無資格者・介護未経験者でも挑戦しやすいことが特徴です。

デイサービス管理者に求められる能力

デイサービス管理者は事業所の運営に関わる「介護サービス管理」や「職員管理」「収支管理」など、幅広い業務内容を1人で担います。そのため、デイサービス管理者としての高い能力や仕事への適性が求められます。デイサービス管理者に求められる能力・適性は以下の3つです。

視野が広く、複数の業務を同時進行できる

デイサービス管理者は事業所全体の運営管理を行うため、利用者やご家族、介護職員、行政、地域、関係各所など、様々な観点に視点を向けながら仕事を行うことが求められます。また、デイサービス管理者の業務内容は多岐にわたるため、複数の業務を効率よく行うことが得意な方に向いている仕事です。

コミュニケーション能力が高い

デイサービス管理者は事業所の管理業務・事務業務がメインと思われがちですが、利用者やご家族、地域との交流も重要な業務の1つです。そのため、コミュニケーション能力が高く、周囲との信頼関係が築ける方は円滑に業務を進めることができます。また、管理者の愛想や勤務態度が良いことで、事業所全体の印象も良くなります。

自己成長への意欲が高い人

デイサービス管理者は、運営に関わる課題や問題を解決に導くことが求められます。そのため、「職場環境を良くしたい」「利用者の不満や職員の悩みを解決したい」という強い意思を持って仕事に取り組めることが重要です。自己成長への意欲が高く、どんな課題も乗り越えられる力がある方に向いている仕事です。

デイサービス管理者は事業所の責任を担う存在

デイサービス管理者は、通所介護事業所（デイサービス）の責任者として事業所の運営を行います。しかし、デイサービス管理者に必要な資格や実務経験の要件は特に定められておらず、無資格者や未経験者、別業種の方も目指しやすい職種です。デイサービス管理者は、管理者・責任者として「自らの力で職場環境を変えていきたい」という強い意思がある方のキャリアアップにオススメです。

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