「介護食士」とは、介護食に関する専門知識が習得できる資格です。現在介護職員として介護施設に勤務している方や、家族に介護を必要とする人がいるという方にオススメの資格です。この記事では、介護食士の仕事内容や資格取得方法、資格取得のメリットをご紹介します。
介護食士とは?一般的な介護職員とどう違う?
介護食士とは、介護を必要とする方に適切な食事が提供できることを証明する資格です。介護食士は、内閣総理大臣認定・公益社団法人全国調理職業訓練協会が、介護に携わる方の調理技術を向上させる目的で設けた認定資格制度で、公益事業として認定されています。
介護食士には1~3級があり、段階的に介護食についての専門的知識が習得できます。食事は多くの人が幸せを感じる大切な時間であり、その時間をより一層楽しめるものにすることができるのが介護食士です。ホームヘルパーや介護福祉士、栄養士や調理師など、介護や食に携わる方がスキルアップのために取得することが多い資格です。
介護食士の資格取得方法
介護食士の資格取得方法は、「指定の講習会を受講する」「専門学校に入学する」の2通りです。介護食士の資格は、指定のカリキュラムを受講することが取得の必須条件のため、通信教育や独学での資格取得はできません。介護食士は3級・2級・1級があり、いずれも講習会への出席率80%以上で修了試験が受験できます。介護食士の試験合格基準は、筆記・実技ともに60点以上です。
介護食士の「受験資格」と「受講時間」
介護食士は3級・2級・1級とあり、それぞれの受験資格や受講時間は異なります。初めて介護食士の資格取得を目指す方は、まず3級から申し込みましょう。介護食士3級・2級・1級の「受験資格」と「受講時間」は以下の通りです。
【3級】
受験資格 | 受講時間 |
特別な受験資格はなく、誰でも受験可能 | 学科:25時間 実習:47時間 |
【2級】
受験資格 | 受講時間 |
協会が指定した認定校で介護食士3級を取得した方 | 学科:16時間 実習:56時間 |
【1級】
受験資格 | 受講時間 |
協会が指定した認定校で介護食士2級取得後、 2年以上介護職調理の実務に従事した25歳以上の方 | 学科:32時間 実習:40時間 |
介護食士の「講習内容」
介護食士は3級・2級・1級とあり、それぞれ指定のカリキュラムがあります。各級の講習内容が、介護食士の修了試験の出題範囲になります。介護食士3級・2級・1級の「講習内容」は以下の通りです。
【3級】
出題分野 | 受講内容 |
・介護食士概論 ・医学的基礎知識 ・高齢者の心理 ・栄養学 ・食品学 ・食品衛生学 | ・高齢者の身体機能の特徴や栄養についての知識、調理を行う際の衛生上の注意点などを学ぶ ・美味しく、見た目も楽しめ、飲み込みやすい「介護食」の調理技術を習得する |
【2級】
出題分野 | 受講内容 |
・医学的基礎知識 ・高齢者の心理 ・栄養学 ・食品学 ・食品衛生学 | ・医学の基礎知識や高齢者の心理、食材の衛生管理などを学ぶ ・美味しく食べやすい「介護食」について学び、普通食から介護食への展開方法や生活習慣病の予防策など、幅広い知識を習得する |
【1級】
出題分野 | 受講内容 |
・医学的基礎知識 ・高齢者にかかわる制度 ・栄養学 ・食品学 ・食品衛生学 | ・高齢者の栄養状態の判定や、栄養バランスを考慮した献立作り、食品と薬の関係などを学ぶ ・高齢者の身体状態や持病に合わせた献立を作成し、調理する実習を行う ・高齢者一人ひとりに合った食事が提案できるようになる |
介護食士の仕事内容
「介護食士」という職種での求人募集はされていません。介護食士は、介護施設や病院などの厨房で働く栄養士や調理師が介護食の専門的知識を有していることを証明する資格です。そのため、介護食士の資格を有する栄養士や調理師が行うのは、「介護が必要な方の毎日の食事作り」がメイン業務です。介護食士の資格を有する方の具体的な仕事内容には、以下のようなものがあります。
・要介護高齢者が入居する介護施設の厨房で調理業務を担う
・認知症高齢者が入居するグループホームで調理業務を担う
・医療機関または障がい者施設の厨房で調理業務を担う
・介護食販売会社またはシニア向けの外食産業で商品開発業務を担う
介護食士の資格・知識が活かせる職場
介護食士は栄養士や調理師などの資格を持っていることで知識が活かせる職場の範囲が広がります。そのため、介護食士以外にも栄養士や調理師などの資格を併せて取得することがオススメです。以下では、介護食士の資格・知識が活かせる職場をご紹介します。
介護施設やグループホーム
介護施設には、咀嚼(噛む)・嚥下(飲み込む)の機能が低下した要介護高齢者が多くいます。咀嚼や嚥下が上手くできないことで、窒息や誤嚥を起こしてしまうリスクもあるのです。介護施設やグループホームでは、利用者一人ひとりの咀嚼・嚥下機能に合わせた食事を作ります。介護食士の資格・知識を活かせば、高齢者一人ひとりに適した食事作りが可能になります。
介護が必要な方がいる医療機関や障がい者施設
咀嚼・嚥下機能が低下し、介護食が必要な方は要介護高齢者だけではありません。医療現場や障がい者施設には、病気や障がいにより咀嚼・嚥下機能が低下している方もいます。介護食士の資格・知識を活かせば、高齢者のみならず幅広い病気や障がいを抱える人たちに適した食事形態の介護食が提供できます。
介護食販売会社・高齢者向け外食産業
近年、日本の高齢化社会により、介護食の販売会社や高齢者向けの外食産業が増加しています。咀嚼・嚥下機能が低下している高齢者にも食を楽しんでもらえるよう、外食産業の食品を採用する介護施設も増加傾向にあります。介護食士の資格・知識は介護現場のみならず、介護食販売会社での商品開発や、高齢者向け外食産業でのメニュー開発にも活かすことができるのです。
介護食士の資格を取得するメリット
介護食士の資格を取得することで、高齢者の心身機能に合った介護食が作れるようになります。また、働ける職場の選択肢が広がるというメリットも。以下では、介護食士の資格を取得するメリットをご紹介します。
介護食についての知識が得られる
介護現場に勤務する介護職員でも、介護食の作り方について深く学べる機会がありません。食事・入浴・排泄などの介助方法は学べても、意外と学ぶ機会のない介護食の作り方。介護食士の資格を取得することで、「介護」と「食」のプロフェッショナルとして活躍するための知識を得ることができます。
介護業界以外でも活躍できる
介護食士の資格を持っている方は、介護業界以外でも活躍が期待できます。医療機関や障がい者施設、介護食販売会社や高齢者向けの外食産業など。高齢化の影響により、高まっている「介護食」の需要。多くの職場・企業が抱える介護食のニーズに対応することができます。
家族の介護にも知識が活かせる
介護食士は、高齢者の健康や身体状況に適した食事や献立作りの知識を有しています。そのため、もし家族に介護が必要になっても、家族の健康や身体状況に応じた食事や献立作りが行えます。仕事だけでなく、私生活の家族介護にも介護食士の資格・知識を活かすことができるのです。
他の資格取得のきっかけになる
介護食士の資格を取得することで、働く職場の選択肢が増えます。それに伴い、他に必要な資格取得を目指すきっかけが増えるのも介護食士のメリットです。栄養士や調理師など、様々な資格取得にチャレンジでき、スキルアップに繋がります。
他の資格取得と併せることで自身の強みが増える
栄養士や調理師など、他の資格と併せることで、自身の強みを増やすことができます。食事作りや献立作りの知識・技術に加え、高齢者への理解や介護食の知識を取り入れることで、食や介護に関する幅広い知識が増えることが介護食士のメリットです。自身の知識や強みが増えれば働く職場の選択肢も増え、自分に合った職場探しが実現します。
まとめ 介護食士は「食」と「介護」のプロとして活躍できる
介護食士は、「介護」と「食」に関する知識を持つプロフェッショナルです。介護現場で食の提供を行うだけでなく、医療業界や障がい者施設、介護食販売会社や高齢者向けの外食産業など、幅広い分野で活躍できます。また、栄養士や調理師などの資格を取得することで、介護食士の専門性が高まります。介護食士は多くの人に「食べることの楽しみ」を届けることができる専門職です。
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