介護予防運動指導員とは？仕事内容や資格取得方法について解説

介護予防主任運動指導員とは、高齢者一人ひとりに合った身体機能改善プログラムの立案を行い、高齢者の筋力低下・転倒・うつ病を予防するための専門職です。介護予防主任運動指導員になるには、どのような資格取得要件が必要なのか。介護予防主任運動指導員の仕事内容や資格取得方法をご紹介します。

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介護予防主任運動指導員とは？

介護予防主任運動指導員とは、「介護予防運動指導員養成講座」の講師になるための資格です。介護予防運動指導員は、高齢者の筋力向上・介護予防を目的としたトレーニングを行う専門職です。介護予防運動指導員は、地方独立行政法人東京都健康長寿医療センターが認定を行っている資格で、指定の研修を受講することで取得できます。介護予防主任運動指導員は、養成講座の講師として介護予防運動指導員の育成を行います。高齢者の筋力向上トレーニングを行っている指定事業者から推薦を受けた方のみ、介護予防主任運動指導員になることができるため、個人での申し込みはできません。

介護予防主任運動指導員の資格取得要件

介護予防主任運動指導員の資格を取得するには、養成講座を受ける必要があります。しかし、介護予防主任運動指導員の養成講座は、個人での申し込みができません。東京都健康長寿医療センター研究所が定める「指定事業者」が推奨する人のみ、その養成講座を受けることができます。介護予防主任運動指導員は、高齢者の筋力向上・介護予防のトレーニングやノウハウを介護予防運動指導員に教える役割を持っています。

「介護予防主任運動指導員養成講習」の概要

【受講対象者】
①介護給付関連事業の法人運営を行っている者
②高齢者の筋力向上トレーニングに関する知識や理解があり、介護予防運動指導員の養成に対する意思がある者
③以下のいずれかの資格を保有している者
医師・歯科医師・薬剤師・保健師・助産師・看護師・准看護師・臨床検査技師・理学療法士・作業療法士・言語聴覚士・社会福祉士・介護福祉士・精神保健福祉士・歯科衛生士・あん摩マッサージ指圧師・はり師・きゅう師・柔道整復師・栄養士・介護支援専門員・健康運動指導士・介護職員初任者研修／実務者研修（実務経験3年以上）

【受講者の推薦】
東京都健康長寿医療センター研究所が定める「指定事業者」が受講要件に該当する者を推薦します。原則として個人での申し込みはできません。定員は、1回の講習につき16名です。定員を超えた場合は、東京都健康長寿医療センター研究所において審査・抽選を行い、受講者を決定します。

【講習内容と受講にかかる時間】
東京都健康長寿医療センター研究所が定める「介護予防主任運動指導員講習課程（26講座82.5時間）」を受講後、修了試験の合格で「介護予防主任運動指導員」の修了証及び登録証が発行されます。資格取得後も、3年ごとの登録更新が必要です。

【受講にかかる費用】
受講料・テキスト代・修了試験受講料が必要です。これらの受講費用については、東京都健康長寿医療センター研究所もしくは指定事業者に直接問い合わせてください。

介護予防主任運動指導員の受講内容

介護予防主任運動指導員の資格を取得するには、東京都健康長寿医療センター研究所が定める「介護予防主任運動指導員講習課程（26講座82.5時間）」の受講が必要です。受講後、修了試験の合格で「介護予防主任運動指導員」の修了証及び登録証が発行されます。また、資格取得後も3年ごとの登録更新が必要です。

介護予防主任運動指導員養成講座の内容・カリキュラム

【老年学】
・老年症候群と高齢期の疾病（講義1.5時間）

【介護予防概論】
・高齢化社会における介護予防の必要性と社会的意義（講義1.5時間）

【保険・福祉論】
・地方分権時代に求められる保健・福祉像（講義1.5時間）

【介護予防ケアマネジメント】
・物理的・人的資源の利用と機能的配置（講義1.5時間）

【介護予防コーディネーション】
・介護予防ネットワークの構築と介護予防計画の立案（講義1.5時間）

【介護予防評価学】
・包括的介護予防健診の理論と実際（講義1.5時間）
・実習4.5時間

【介護予防統計学】
・データベース構築と個人情報管理（講義1.5時間）

【行動科学特論】
・行動科学の理論と行動変容のメカニズム（講義1.5時間）
・実習4.5時間

【リスクマネジメント】
・リスク予防と顕在化した後の対応（講義1.5時間）

【高齢者筋力向上トレーニング】
・虚弱高齢者の理解と高齢者筋トレの実際（講義1.5時間）
・実践10.5時間

【転倒予防特論】
・転倒・骨折の理解と転倒予防の方法論（講義1.5時間）
・プログラム実習4.5時間

【失禁予防特論】
・失禁の理解と失禁予防の方法論（講義1.5時間）
・プログラム実習4.5時間

【高齢者の栄養改善活動】
・高齢者の栄養改善活動の理解と方法論（講義1.5時間）
・プログラム実習3.0時間

【口腔機能向上特論】
・口腔機能向上の理論と実際（講義1.5時間）
・プログラム実習1.5時間

【認知症予防特論】
・認知症の理論と認知症予防の方法論（講義1.5時間）
・プログラム実習3.0時間

【うつ・閉じこもり特論】
・高齢者のうつに対する理解と高齢者のうつの早期発見、予防プログラムの紹介（講義1.5時間）

【実践者養成】
・演習24.0

介護予防主任運動指導員の仕事内容

介護予防主任運動指導員は、主に介護予防指導員の養成・育成を行います。それ以外にも、高齢者の健康をサポートするという役割があります。

・通所介護事業所（デイサービス・デイケアセンターなど）
利用者の寝たきりや転倒、うつ病を予防するための栄養指導や筋力向上トレーニング、メンタルサポートを行う。また、多職種との連携を図りながら、利用者一人ひとりに応じた介護予防プログラムを立案する。
・介護予防を目的としたフィットネスクラブ
利用者一人ひとりに適した軽運動や筋力向上トレーニングなどの運動プログラムを立案する。

他にもある「介護予防」に関する資格

介護予防主任運動指導員は、高齢者の筋力向上トレーニングや健康作りを提案・実施する介護予防指導員の養成を行います。介護予防主任運動指導員以外にも「介護予防」に関する資格はいくつかあり、複数の資格を併せ持つことで専門性を磨くことができます。

高齢者の「介護予防」に関する資格

【介護予防運動指導員】
①認定機関：地方独立行政法人東京都健康長寿医療センター
②受験資格：以下のいずれかの資格を保持していること
保健師・助産師・看護師・准看護師・理学療法士・作業療法士・介護福祉士・社会福祉士・歯科衛生士・はり師・きゅう師・柔道整復師・栄養士・介護支援専門員・健康運動指導士・あん摩マッサージ指圧師・言語聴覚士・介護職員初任者研修／実務者研修（実務経験2年以上）
③認定方法：講習の受講後、修了試験に合格すること

【介護予防指導士】
①認定機関：特定非営利活動法人日本介護予防協会
②受験資格：以下のいずれかの資格を保持していること
介護福祉士・介護職員初任者研修・実務者研修・介護支援専門員・理学療法士・作業療法士・言語聴覚士・柔道整復師・鍼灸師・あん摩マッサージ指圧師・社会福祉士・社会福祉主事・歯科衛生士・栄養士・保健師・医師・歯科医師・看護師・准看護師・レクリエーション介護士・健康運動指導士
③認定方法：講座の受講（取得後も更新が必要）

【介護予防運動トレーナー】
①認定機関：一般社団法人メディカル・フィットネス協会
②受験資格：以下のいずれかの資格を保持していること
介護福祉士・介護支援専門員・社会福祉士・介護職員初任者研修・実務者研修・看護師・保健師・管理栄養士・理学療法士・作業療法士・柔道整復師・鍼灸師・健康運動指導士・健康運動実践指導者・ヘルスケアトレーナー・ヘルスケアリーダー・健康ケアトレーナー・スチューデントトレーナー・NSCA認定パーソナルトレーナー・ストレングス＆コンディショニングスペシャリスト
福祉施設・介護施設・運動施設での実務経験2年以上ある者
③認定方法：講習の受講後、認定試験に合格すること

【介護予防運動スペシャリスト】
①認定機関：公益財団法人日本スポーツクラブ協会
②受験資格：以下のいずれかの資格を保持していること
公益財団法人日本スポーツクラブ協会の中高老年期運動指導士・スポーツクラブインストラクター・介護福祉士・健康運動指導士・大学生・短大生・専門学校で福祉・介護・保健・体育・スポーツ関係の資格を取得する見込みの者（学生証のコピーを提出）
③認定方法：講座の受講後、レポートの提出で審査に合格すること（取得後も更新が必要）

まとめ　適切な運動・トレーニングで高齢者の健康を支える　

介護予防主任運動指導員は、主に介護予防運動指導員の養成・育成を行います。しかし、介護予防主任運動指導員の仕事内容はそれだけではありません。介護予防運動指導員と共に、通所介護事業所やフィットネスクラブなどで高齢者の介護予防に適した運動プログラムの立案を行い、高齢者の健康的な生活をサポートします。

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