精神保健福祉士になるためには、相談援助の実務があれば学歴は関係ありません。「精神保健福祉士になりたいけど、大学を出ていないし自分には無理だよね」と、悲観的になっていませんか?
精神保健福祉士国家試験の受験資格を得るには、いろいろなパターンがあります。ほとんどは、大学や短大卒を要件としていますが、中には実務経験があれば受験資格を得られるコースもあるのです。
この記事では精神保健福祉試験について、試験の内容や受験資格などを解説しています。本記事を読めば、どうすれば受験資格が得られるのかわかりますよ。記事を参考に、精神保健福祉士の資格取得を目指しましょう。
精神保健福祉士とは
精神保健福祉士は精神保健福祉法に基づいた国家資格で、その名の通り精神保健福祉分野で活躍します。精神保健福祉士の資格は名称独占にあたり、精神保健福祉士の資格を保有している者だけが、その名称を名乗れるのです。
精神保健福祉士試験の概要
精神保健福祉士になるためには、年1回実施される精神保健福祉士国家試験に合格しなければなりません。
試験の内容については、以下で詳しく解説します。
・試験の内容
・試験の合格率
・受験資格
試験の内容
精神保健福祉士の試験は、精神保健福祉に関する専門科目と社会福祉士国家資格の共通の科目、あわせて17科目になります。
試験の合格率
2023年2月に行われた精神保健福祉試験では、7,024人が受験し合格者は4,996人でした。
合格率は71.1%となっています。精神保健福祉士試験は、合格率が60%を超えているため簡単そうに見えます。しかし、該当する各項目すべてで得点しなければならないため、まんべんなく学習しなければなりません。
※参考: 厚生労働省「第26回精神保健福祉士国家試験合格結果」
受験資格
精神保健福祉士試験を受けるためには受験資格が必要で、その資格取得にはいくつかのルートがあります。
詳しくは、以下を参考にしてください。
【福祉系大学4年】
・基礎科目履修
・短期養成施設等(6か月以上)
【福祉系短大3年】
・基礎科目履修
・相談援助実務1年
・短期養成施設等(6か月以上)
【福祉系短大2年】
・基礎科目履修
・相談援助実務2年
・短期養成施設等(6か月以上)
【社会福祉士取得者】
・短期養成施設等(6か月以上)
【一般大学等4年】
・一般養成施設等(1年以上)
【一般大学等3年】
・相談援助実務1年
・一般養成施設等(1年以上)
【一般大学等2年】
・相談援助実務2年
・一般養成施設等(1年以上)
【相談援助実務4年】
・一般養成施設等(1年以上)
※参考: 社会福祉振興・試験センター「受験資格(資格取得ルート図)」
実務経験のある社会人は受験資格を満たしている場合も
大学や短大などを卒業していなくても実務経験がある場合は、精神保健福祉士の受験資格を満たせるかもしれません。一定の実務経験があるなら1年以上一般養成施設に通えば、精神保健福祉士試験の受験資格が得られます。
実務経験がある社会人の、受験資格を満たす要件は以下の通りです。
・社会人が受験資格を得るために必要な実務経験年数は4年
・相談援助に該当する業務とは
・どこの施設の実務が認められる?
・実務経験年数の計算方法
・実務経験証明書を記入してもらおう
社会人が受験資格を得るために必要な実務経験年数は4年
社会人で大学や短大などを卒業しておらず、社会福祉士の資格を持っていない場合でも受験資格を得られます。その場合相談援助の実務経験が4年以上あり、さらに一般養成施設で指定のカリキュラムの履修が必要になります。
相談援助に該当する業務とは
社会福祉士の受験資格を得るにはさまざまなコースがありますが、中には相談援助の経験を必要とするものもあります。
受験資格が得られる相談援助の実務は、以下の通りです。
●精神保健福祉士試験の受験資格に係る実務経験
【精神障害者の相談】
精神障害者の精神疾患の状態にも配慮しつつ、その円滑な社会復帰に資する各種の情報提供
【精神障害者に対する助言、指導】
精神障害者に対して精神疾患の状態に配慮しつつ、その退院後の住居や再就労先の選択等について、積極的な提案、誘導
【精神障害者に対する日常生活への適応のための必要な訓練】
社会復帰の途中にある精神障害者に対し、時間どおりに洗面させる、清掃、洗濯等の習慣をつけさせる、公共交通機関の利用に慣れさせる等の生活技能を身につけるための訓練
【精神障害者に対するその他の援助】
精神障害者自身が行うことに困難が伴う手続きを代行し、社会復帰を目指す精神障害者を受け入れる側の家族、学校、会社等に精神障害者に関する理解を求めるなど、個々の精神障害者のニーズに応じた多様な支援
【援助を行うための関係者との連絡・調整等】
・ケースカンファレンス等の会議への出席
・ケース記録等の関係書類の整理
・職員間の申し送り、連絡、調整
・関係機関等との連絡、調整
※参考: 社会福祉振興・試験センター「精神保健福祉国家試験 受験資格」
どこの施設の実務が認められる?
実務経験として対象となるのは、特定の法律に基づく施設です。
代表的な法律5つを、以下にまとめました。
●実務経験として認められる施設とその根拠法
【精神保健及び精神障害者福祉に関する法律】
・精神科病院
・精神保健福祉センター
・ソーシャルワーカー、社会福祉士としての実務経験が必要
【児童福祉法】
・児童相談所
・乳児院
・障がい児の相談支援を行う施設や入所施設
・母子生活支援施設
・児童家庭支援センター
※保育士または児童指導員の実務経験が必要
【地域保健法】
・保健所
・市町村の保健センター
・社会福祉士や精神科ソーシャルワーカーおよび心理判定員としての実務経験が必要
【医療法】
・精神科
・心療内科
※精神科ソーシャルワーカーや医療ソーシャルワーカーの実務経験が必要
【生活保護法】
・救護施設・更生施設などの入所施設や就労支援を行う事業所
※生活指導員や就労支援員としての実務経験が必要
※参考: 社会福祉振興・試験センター「精神保健福祉国家試験 受験資格」
実務経験年数の計算方法
精神保健福祉士試験の受験資格を得るためには、4年以上の実務経験年数が必要とされています。必要な実務経験年数は、常勤(労働時間が当該施設の常勤者のおおむね3/4以上である者を含む。)で従事した期間を通算して計算されます。
実務経験証明書を記入してもらおう
実務経験証明書は、実務経験のあった施設や事業所に記入を依頼します。実務経験証明書の記入例に「施設または事業所の方へ」と、記入のさいの注意事項が掲載されています。記入依頼のさいにあわせて提出しましょう。
精神保健福祉士が活躍する職場
公益財団法人社会福祉振興・試験センターの「令和2年度社会福祉士・介護福祉士・精神保健福祉士就労状況調査結果」によると、以下の4つの分野に多く就職しているようです。
・医療関係
・福祉関係
・教育関係
・行政関係
福祉・介護・医療の分野の中では高齢者福祉関係が最も多く、ついで障害者福祉関係、地域福祉関係と続きます。
※参考: 公益財団法人社会福祉振興・試験センター「令和2年度社会福祉士・介護福祉士・精神保健福祉士就労状況調査結果」
【まとめ】 実務経験のある社会人は精神保健福祉士の受験資格がある!
精神保健福祉士国家試験を受験するためには、受験資格が必要です。その資格を得るためには、さまざまなコースがありますが、中には大学や短大などを卒業しないでも資格を得るコースもあります。もしあなたが、児童相談所や精神科病棟などで4年以上の実務経験があれば、精神保健福祉士国家試験の受験資格があるかもしれませんよ。国家資格を取れば、いろいろなキャリアアップの道が開けます。精神保健福祉士に興味があるのなら、まずは自分の経歴を振り返って確認してみましょう。
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