健康運動指導士とは？仕事内容や資格取得方法について解説

保健師として働くには、行政や企業、学校、介護施設などさまざまな選択肢があります。また、資格を持っていることで長く勤務する方も多いですが、どのくらいの年収なのか気になる方もいるのではないでしょうか。
この記事では、保健師の平均・職場別の年収や、収入アップにつながる方法について解説します。

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健康運動指導士とは？

健康運動指導士とは、厚生労働大臣の認定事業として1988年に創設された民間資格です。健康運動指導士は「生涯を通じた国民の健康づくり」を目的として、以下の業務を行います。

・対象者の心身機能に合わせた運動プログラムの立案
・安全かつ効果的な実践指導計画の作成
・対象者への指導や運動管理　など

健康運動指導士は、2006年の医療制度改革で「生活習慣病予防の重要性」が再認識されたことで、有資格者の需要が一気に高まりました。また、2007年には健康運動指導士の養成カリキュラムや資格習得方法が見直され、専門性の深さと学べる知識の幅広さがグレードアップしています。2024年現在も「公益社団法人　健康・体力づくり事業財団」が、健康運動指導士の資格取得に必要な講習会の開講や、養成校の認定、認定試験の実施、資格登録を行っています。

健康運動指導士の仕事内容

健康運動指導士の主な仕事内容は、全国民の生活習慣病や要介護状態を予防するための「運動プログラムの作成」や「運動指導」を行うことです。保健医療関係者との連携を図りながら、対象者一人ひとりの健康状態・心身機能に合わせた、安全かつ効果的な運動プログラムを考案します。「生活習慣病の予防」「介護予防」など、対象者一人ひとりの目標に合わせて、以下の3ステップで運動の実践に取り組みます。

step1.対象者一人ひとりに合わせた運動プログラムを作成する
step2.実際の運動に用いられる「実践指導計画書」の見直し・調整を行う
step3.対象者の運動指導に直接携わる

健康運動指導士の活躍の場

全国民の「生活習慣病予防」や「介護予防」に大きく貢献している健康運動指導士。具体的に、どのような場所で活躍しているのでしょうか。また、対象者の方は、どのような場所で健康運動指導士による運動指導が受けられるのでしょうか。健康運動指導士が活躍している場所は、主に以下の6つです。

・アスレチッククラブ／フィットネスクラブ
・病院／診療所
・保健所
・介護福祉施設
・学校／教育機関
・健康組合／会社の健康管理部門

他にも、個人開業の整骨院や整体院、地域の町内会活動などで、個人的に運動指導を行っている健康運動指導士も存在します。健康や運動に関する相談を希望される方は、お住まいの地域にある医療機関や保健所、介護施設、教育機関などに問い合わせてみてください。

健康運動指導士の資格取得方法

健康運動指導士の資格を取得するには、以下の3つのルートのいずれかで必要なカリキュラムを受講し、認定試験に合格する必要があります。

ルート①
・4年制体育系大学の卒業者、もしくは卒業見込み者であること
・指定の「健康運動指導士養成講習会」を修了する

ルート②
・医療系の資格保持者であること
・指定の「健康運動指導士養成講習会」を修了する

ルート③
・4年制体育系大学の学歴や、医療系の資格がない場合
・健康運動指導士養成校へ入校し、養成講座を修了する

健康運動指導士養成講習会の受講

健康運動指導士の資格取得に欠かせない「健康運動指導士養成講習会」。受講者の学歴や保有している資格によって、講座の取得単位が異なります。受講者の学歴・保有資格ごとに必要な講座の取得単位は、以下の通りです。

●受講者の学歴／保有資格
4年制大学以上の卒業者で、以下の資格を保有していること。
歯科医師・看護師・准看護師・助産師・薬剤師・栄養士・はり師・きゅう師・あん摩マッサージ指圧師・柔道整復師・理学療法士・作業療法士・臨床検査技師

●必要単位数
104単位

●受講者の学歴／保有資格
医師・保健師・管理栄養士
●必要単位数
70単位

●受講者の学歴／保有資格
4年制体育系大学（教育学部体育学系を含む）の卒業者もしくは卒業見込み者
●必要単位数
51単位

●受講者の学歴／保有資格
健康運動実践指導者・スポーツプログラマー・アスレティックトレーナー・フィットネストレーナー・GIFエグザミナー・GIFディレクター
●必要単位数
40単位

詳しい受講要項については、「公益社団法人　健康・体力づくり事業財団」の公式サイトにある「健康運動指導士養成講習会　開催要項」をご確認ください。

健康運動指導士養成校への入校

健康運動指導士の受験資格である学歴や保有資格がない場合でも、運動指導士養成校への入校で、必要なカリキュラムを修了することができます。学歴や保有資格の要件を満たしていない方が入校できる「健康運動指導士養成校」は、全国各地に約71校存在します。中には、栄養士や管理栄養士とのダブルライセンスが目指せる養成校もあるため、ご自身の希望に合った養成校を選ぶことが大切です。養成校に関する詳しい情報については、「公益社団法人　健康・体力づくり事業財団」の公式サイトにある「健康運動指導士養成校のご紹介」をご確認ください。

認定試験の受験

健康運動指導士の認定試験は、毎年3月頃と9月頃の年2回、実施されています。実施時期は年ごとによって変動する可能性もあるため、受験する年の最新情報をご確認ください。2023年に実施された「第154回健康運動指導士認定試験」の合格率は、全体で72.3%でした。合格率も年ごとによって変動する可能性があるため、最新情報をご確認ください。なお、健康運動指導士は、資格認定後も5年ごとの登録更新が必要です。

健康運動実践指導者との違い

健康運動指導士と混在しやすい資格に、「健康運動実践指導者」があります。健康運動実践指導者は、医学や運動生理学に関する知識を根拠とし、安全かつ効果的な運動方法を指導する能力を有していることが証明できる資格です。健康運動指導士とは、「公益社団法人　健康・体力づくり事業財団」が資格の認定を行う点や、健康を目的とした運動の指導を行う点が共通しています。しかし、「健康運動指導士」と「健康運動実践指導者」は、それぞれが担当する役割において、以下のような違いがあります。

・健康運動指導士：運動メニューやスケジュールを組み立てるところから、実際に運動の
指導や管理を行うまでの一連の流れを担当する
・健康運動実践指導者：既に作成された運動計画に沿って、現場での指導を行う

健康運動実践指導者は、健康運動指導士よりも、「運動の実践・指導」に特化した資格です。健康運動実践指導者の認定試験には実技科目もあり、運動指導の専門知識を有していることだけでなく、技能や身体能力も重視されます。健康運動指導士の資格を取得した方の、さらなるステップアップとして最適の資格です。

健康運動指導士の資格を取得するメリット

健康運動指導士の資格を取得することには、どのようなメリットがあるのでしょうか。ここからは、健康運動指導士の資格を取得する3つのメリットについてご紹介します。

幅広い視点から健康維持を目指せる

健康運動指導士は、生活習慣病の予防や介護予防、健康維持に最適な効果を発揮する運動方法を熟知している専門職です。栄養士の方が健康運動指導士の資格を取得した場合、食事と運動の両面から人々の健康をサポートできるようになります。他の資格とのダブルライセンスを目指すことで、さまざまな観点から人々の健康を支えられるようになります。

スキルアップや転職活動に最適

健康運動指導士は現在、栄養士や理学療法士、作業療法士などの専門職として活躍している方のスキルアップや転職活動に最適です。高齢化により、介護予防や健康維持への意識が高まっている日本では、健康運動指導士の需要が年々高まっています。新たなスキルを獲得し、運動増進施設や医療機関、教育機関など、数ある分野への転職を検討したいという方にオススメの資格です。

活躍の場が豊富

健康運動指導士が活躍できる場は、豊富にあります。アスレチッククラブやフィットネスクラブなどの運動増進施設、医療機関、介護福祉施設、教育機関など、さまざまな分野の中から自分に合った職場が選べます。また、個人事業主やフリーランスとして、健康運動指導士の活動をしている方も少なくありません。健康運動指導士の資格を取得することで、活躍の場が一気に幅広くなるでしょう。

健康運動指導士は人々の健康を支える専門職

高齢化が進む日本では、介護予防や健康維持のプロフェッショナルとして、健康運動指導士の需要が年々高まり続けています。現在、栄養士や介護福祉士、理学療法士などの専門職として活躍している方は是非、健康運動指導士の資格取得を検討してみてください。ご自身が持っている専門知識やスキルが、さらに豊かになるでしょう。

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