介護職員初任者研修（旧ホームヘルパー2級）ってどんな資格？取得後の仕事内容についても解説

介護職員初任者研修（旧ホームヘルパー2級）は、介護の仕事に携わるうえで知っておくべき知識や技術を習得することができる初歩的な資格です。

同じような資格に「介護福祉士実務者研修」という資格がありますが、これから介護の資格を取得したいと考えている方にとって、どちらを取得するべきか迷うこともあるかと思います。

今回は介護職員初任者研修（旧ホームヘルパー2級）がどのような資格なのか、また取得するメリット、取得後の仕事内容などについて解説します。

介護職員初任者研修（旧ホームヘルパー2級）とは

介護資格には比較的取得しやすい資格から非常に難易度が高い資格まで様々なものがあります。ここでは比較的取得しやすい介護職員初任者研修（旧ホームヘルパー2級）についてご紹介いたします。

どんな資格？

介護は買い物、食事の支度、掃除など身の回り支援を行う生活介護と、食事、排泄、入浴といった直接関りを持つ身体介護の2種類に分かれます。

介護現場において利用者の身体介護を行う場合、介護の資格を持っていることは必須です。

介護職員初任者研修（旧ホームヘルパー2級）は現場で介護をするにあたり最低限必要な資格で、介護資格のなかでもっとも取得しやすい「登竜門」のような資格です。

介護職員初任者研修（旧ホームヘルパー2級）修了は2013年4月に行われた介護保険法改正により旧ホームヘルパー2級から名称とともに制度が一部変更されたものです。

ホームヘルパー2級との違い

介護職員初任者研修は旧ホームヘルパー2級と同じ位置づけですが、法改正により見直されたため若干異なる部分があります。

➀カリキュラムの追加

施設によっては認知症を発症している高齢者の介護を行います。認知症についての正しい知識や理解がなければ、利用者に不安を与えてしまい相応しい対応ができません。

また、不要なトラブルを引き起こしてしまいます。これらの理由により介護職員初任者研修では認知症について学ぶカリキュラムが追加されました。

➁実習の廃止

旧ホームヘルパー2級は30時間の実習がありましたが、介護職員初任者研修ではそれが廃止され座学講義のみとなっています。

➂修了後の筆記試験の実施

旧ホームヘルパー2級はカリキュラムの修了をもって資格取得となりました。介護職員初任者研修（旧ホームヘルパー2級）ではカリキュラム終了後に1時間の筆記試験を受験することが義務となっています。

旧ホームヘルパー2級は名称や内容が変更され、介護職員初任者研修と変化しました。

これにより以前の旧ホームヘルパー2級資格は介護現場で活かせなくなるのかといえばそんなことはありません。

ホームヘルパー2級（または訪問介護員2級要請研修課程修了）と記載すれば現在でも十分通用します。ただし旧ホームヘルパー2級保有者は介護職員初任者研修修了との記載はできません。

介護実務者研修との違い

介護職員初任者研修は旧ホームヘルパー2級と同じ位置づけの資格であり、介護職員の登竜門であるとお伝えしました。では、介護実務者研修はどういった位置づけになるのでしょうか。

介護実務者研修とは、介護資格のなかで唯一の国家資格である介護福祉士の受験資格を得るための土台にあたると位置づけることができます。

つまり、介護職員初任者研修（旧ホームヘルパー2級）のみでは介護福祉士の受験資格を得られないため介護実務者研修の修了が必要になるのです。

また、介護職員初任者研修（旧ホームヘルパー2級）では9科目を130時間で学びますが、介護実務者研修では20科目を450時間で学びます。

履修9科目は双方に共通する科目であるため、先に介護職員初任者研修（旧ホームヘルパー2級）を受講しておけば実務者研修を受講する際に9科目130時間分の免除を受けることができます。

介護職員初任者研修（旧ホームヘルパー2級）の最後には学習を振り返るための筆記試験がありますが、実践的な学習が狙いである介護実務者研修にはありません。

介護職員初任者研修（旧ホームヘルパー2級）を受講するのに向いている人は？

介護職員初任者研修（旧ホームヘルパー2級）は介護の世界に初めて足を踏み入れた方が対象です。そのため、介護の基礎知識を習得するには最適な資格です。

また、介護職員初任者研修（旧ホームヘルパー2級）の受講費用はリーズナブルに設定されているため、資格が欲しいけど費用は抑えたいという方にもおすすめの資格といえます。

介護職員初任者研修（旧ホームヘルパー2級）取得後の仕事内容

介護職員初任者研修（旧ホームヘルパー2級）では介護の基礎知識と技術を学ぶことができるため、施設や訪問介護で生活介護だけでなく、身体介護や送迎時の移乗介助などが行えるようになります。

ほかにも病院や診療所などで、医師や看護師の指示のもと食事の配膳や患者の車椅子移乗介助、院内のヘルパーとしても活躍の場が広がります。

さらに、高齢者の身体に関する深い知識を活かして、高齢者を対象とする民間企業への就職にも役立てることができます。

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介護職員初任者研修（旧ホームヘルパー2級）を受講するには

こちらでは介護職員初任者研修（旧ホームヘルパー2級）の受講方法についてご紹介いたします。

研修内容

介護職員初任者研修（旧ホームヘルパー2級）の9科目の内訳は以下の通りになっています。

上記カリキュラム修了後に1時間の筆記試験が行われます。

※参考：厚生労働省「介護員養成研修の取扱細則について」

修了までにかかる時間

全てのカリキュラム修了までにかかる時間は130時間です。

介護職員初任者研修（旧ホームヘルパー2級）の時間数やカリキュラムの詳細は都道府県で規定が異なります。

受講は平日、夜間、土日など養成機関によって異なります。申し込む前にスクールのプランを確認しましょう。介護職員初任者研修（旧ホームヘルパー2級）修了後は全国の介護系施設で資格を活かすことができます。

受講方法

受講方法は通信教育と通学の2つから選べます。

都道府県の規定によっては通学しか選べないところもあります。

また、通信教育を選んだ場合でも、自宅での通信教育と通学の両方をこなすことが必要です。そのため、これらの点をデメリットと感じてしまう方もいるでしょう。

なお、通信教育として認められているカリキュラム数は40.5時間までとなっています。

介護職員初任者研修（旧ホームヘルパー2級）を修了するメリット

介護職員初任者研修（旧ホームヘルパー2級）を修了することで得られる4つのメリットをご紹介いたします。

資格手当などによって給料・年収アップに繋がる

介護職員初任者研修（旧ホームヘルパー2級）は国家試験ではありませんが、介護に必要な資格であるため無資格者に比べて基本給が高く、また資格手当が出る可能性が期待できます。

※参考：厚生労働省「令和2年度介護従事者処遇状況等調査結果」

細かい給与設定は就業先によって異なるので必ずしも給料・年収がアップするとは断言できませんが、資格手当の出る現場が選びやすくなる分、給料・年収アップに繋げやすくなります。

介護の基礎を習得できる

何の知識も持たずに介護の仕事に就くと、実際の現場で「こんなはずじゃなかった」と挫折してしまうかもしれません。

しかし、介護職員初任者研修（旧ホームヘルパー2級）を修了していることで介護に関する基礎知識が身に着いているので戸惑うことなく介護に取り組むことができます。介護職員初任者研修（旧ホームヘルパー2級）を受けることで即戦力として活躍ができるというのは非常に大きなメリットといえるでしょう。

就職先／転職先の選択肢が幅広い

将来のことを考えて就職先や転職先を選びたいという場合、介護職員初任者研修（旧ホームヘルパー2級）を修了していることによって多くの就職先が選択肢に入ります。

介護業界での活躍はもちろん、一般企業で身体の自由に制限がある方を対応するときに介護職員初任者研修（旧ホームヘルパー2級）は大きく役立ちます。

自分が資格を持っていることで、他の従業員に介護の知識を教えたりサービスの向上に繋げたりと、周囲から期待される場面も増えるかもしれません。

スキルアップやキャリアアップのスタートライン

介護職員初任者研修（旧ホームヘルパー2級）は介護系の資格のなかでもっとも基礎的な資格です。

これから新たに他の資格も取得していきたいと考えている方にとって、キャリアアップのための第一歩となります。基礎をしっかり押さえて今後のキャリアアップに役立てましょう。

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まとめ

介護職員初任者研修（旧ホームヘルパー2級）を修了することで、介護現場だけでなく多くの場面での活かすことができます。将来、自分の家族に介護が必要になったときでも非常に役立つでしょう。

今後、高齢者の増加に伴い、介護人員はこれまで以上に必要となるでしょう。社会貢献や人の役に立つ仕事がしたいという方は介護職員初任者研修（旧ホームヘルパー2級）を検討して活躍の場を広げてみませんか。

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