介護福祉士実務者研修(旧ホームヘルパー1級)は、実際に介護を行ううえで必要な知識や技術の習得を目的とする資格です。
これから介護の資格取得を目指そうとする方にとって、介護職員初任者研修とどちらを受講するべきか迷うこともあると思います。
そこで今回は、介護福祉士実務者研修(旧ホームヘルパー1級)がどのような資格なのか、また介護福祉士実務者研修(旧ホームヘルパー1級)取得のメリットや取得時間、介護職員初任者研修との違いについて解説いたします。
介護福祉士実務者研修(旧ホームヘルパー1級)とは
まずは介護福祉士実務者研修(旧ホームヘルパー1級)についてご説明いたします。
介護福祉士実務者研修(旧ホームヘルパー1級)とは
介護福祉士実務者研修(旧ホームヘルパー1級)自体は介護業務未経験者や無資格者であっても要件を満たせば受講することができます。
その反面、介護資格で唯一の国家資格である介護福祉士国家試験を受験するための受験資格となる重要なポジションに位置する研修です。
介護福祉士実務者研修(旧ホームヘルパー1級)では幅広い介護の知識や技術が求められるため、介護従事者にとってスキルアップに繋がる資格です。
将来、介護業界で活躍の場を広げたいという方は資格取得を検討してみてはいかがでしょうか。
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ホームヘルパー1級との違い
介護系の資格として代表的であった旧ホームヘルパー資格は介護保険法改正により見直され、2013年度から「介護福祉士実務者研修」と「介護職員初任者研修」という資格に変更されました。
旧ホームヘルパー1級は介護福祉士実務者研修と同じ位置づけの資格であり、介護に関する高いレベルの知識や技術を保有しているということになります。
しかし、旧ホームヘルパー1級は介護福祉士の受験資格を有していません。
そのため、過去に旧ホームヘルパー1級を取得していて介護福祉士を目指したい場合は、一部の科目を新たに受講して介護福祉士実務者研修の資格を取得する必要があります。
介護職員基礎研修との違い
介護職員基礎研修は2006年に誕生した資格で、2012年度にホームヘルパー1級と一本化された後、廃止されました。
すでに介護職員基礎研修を修了している人が介護福祉士実務者研修(旧ホームヘルパー1級)の資格を取得する場合、座学の医療的ケア(50時間)と医療的ケアの演習のみ受講すれば良く、介護職員基礎研修の資格が全く活かせなくなるということはありません。
つまり、介護福祉士実務者研修(旧ホームヘルパー1級)の履修科目のうち大幅な免除を受けられます。
介護福祉士実務者研修(旧ホームヘルパー1級)を修了するには
介護福祉士実務者研修(旧ホームヘルパー1級)を修了するにはどのようなことが必要になるのでしょうか。
こちらで修了に必要な要件や研修内容についてご紹介いたします。
研修を修了するには
介護福祉士実務者研修(旧ホームヘルパー1級)は介護職未経験者や無資格者であっても受講が可能です。
しかし、一定の知識やスキルがあることを前提とした研修内容であるため、先に介護職員初任者研修を修了していなければ途中で分からなくなって挫折してしまう可能性があります。
介護職員初任者研修は介護職未経験者や無資格者を対象とした介護の入門編のような内容なので無理なく続けることができます。
また、すでに初任者研修を修了している場合は介護福祉士実務者研修(旧ホームヘルパー1級)の講習内容や費用が一部免除になります。
研修内容
特に何の資格も所有していない場合の介護福祉士実務者研修(旧ホームヘルパー1級)受講科目は20科目です。
カリキュラムは大きく、「人間と社会」、「介護」、「こころとからだのしくみ」、「医療的ケア」の4つに分類されます。医療的ケアの分野では喀痰吸引や経管栄養など実技を行いながら学びます。
修了するのにかかる時間
20科目の受講時間数は計450時間になります。内訳は以下の通りです。
分野 | 科目名 | 受講時間 |
---|---|---|
人間と社会 | 人間の尊厳と自立 | 5時間 |
社会の理解Ⅰ | 5時間 | |
社会の理解Ⅱ | 30時間 | |
介護 | 介護の基本Ⅰ | 10時間 |
介護の基本Ⅱ | 20時間 | |
コミュニケーション技術 | 20時間 | |
生活支援技術Ⅰ | 20時間 | |
生活支援技術Ⅱ | 30時間 | |
介護過程Ⅰ | 20時間 | |
介護過程Ⅱ | 25時間 | |
介護過程Ⅲ | 45時間 | |
こころとからだのしくみ | 発達と老化の理解Ⅰ | 10時間 |
発達と老化の理解Ⅱ | 20時間 | |
認知症の理解Ⅰ | 10時間 | |
認知症の理解Ⅱ | 20時間 | |
障害の理解Ⅰ | 10時間 | |
障害の理解Ⅱ | 20時間 | |
こころとからだのしくみⅠ | 20時間 | |
こころとからだのしくみⅡ | 60時間 | |
医療的ケア | 医療的ケア | 50時間 |
合計 | 450時間 |
有資格者は資格内容によって免除される講習が変わるため、自分はどの講習が必要になるのか事前に確認しておきましょう。
※参考:厚生労働省「実務者研修における「他研修等の修了認定」の留意点について」
まずは介護職員初任者研修を修了
介護福祉士実務者研修(旧ホームヘルパー1級)は、介護職員初任者研修の上位資格といえます。
介護に関する知識や技術が全くない方は、もっとも基礎的な内容が学べる介護職員初任者研修を修了するところからスタートしてみましょう。
先述したとおり、介護職員初任者研修を修了している場合は、9科目分(130時間)の講習が免除され、費用を抑えることができます。
介護福祉士実務者研修(旧ホームヘルパー1級)を修了するメリット
介護福祉士実務者研修(旧ホームヘルパー1級)を修了することで得られるメリットはたくさんあります。
具体的に得られるメリットや介護福祉士実務者研修(旧ホームヘルパー1級)の受講に向いている人の傾向についてご説明します。
研修を活かし、できる仕事の幅が広がる
高齢者の増加に伴い法が改正され、2012年度から介護福祉士実務者研修(旧ホームヘルパー1級)修了者も喀痰吸引や経管栄養が行えるようになりました。
介護福祉士実務者研修(旧ホームヘルパー1級)では講習に医療的ケアが含まれているため、講習終了後に用件を満たせばこれまで医療従事者しか行うことができなかった医療行為の一部が行えるようになります。
それにより、就職先の選択肢として介護施設以外に医療機関を含めることもできるようになります。
給料・年収が上がる
介護福祉士実務者研修(旧ホームヘルパー1級)を修了していることで、資格手当がついたり有資格者として基本給のアップも見込めるため、給与面では非常に期待ができるでしょう。
資格名 | 常勤 | 非常勤 |
介護福祉士 | 329,250円 | 145,710円 |
社会福祉士 | 353,020円 | データ無 |
介護支援専門員 | 368,030円 | データ無 |
実務者研修 (介護職員基礎研修およびヘルパー1級) | 303,230円 | 150,720円 |
介護職員初任者研修 (介護職員初任者研修およびヘルパー2級) | 301,210円 | 133,670円 |
※参考:厚生労働省「令和2年度介護従事者処遇状況等調査結果」
介護の専門的な分野について習得できる
介護福祉士実務者研修(旧ホームヘルパー1級)は介護の専門的な知識や技術を必要とされる資格です。
修了することで職場の仲間からの信頼や期待、また利用者とその家族から安心や信頼を獲得することができるでしょう。
また、介護職に対する意欲や熱意をアピールすることもできるため、就職活動の際には有利に働きやすくなります。
スキルアップやキャリアアップだけでなく転職活動でも有利になることが多いことは、あらゆる面で大きなメリットといえます。
サービス提供者の要件を満たせる
介護福祉士実務者研修(旧ホームヘルパー1級)を修了することで、訪問介護事業所のサービス提供者になる要件を満たすことができます。
訪問介護事業所では介護福祉士実務者研修(旧ホームヘルパー1級)の修了者が必ずサービス提供者として配置されなければなりません。
過去にホームヘルパー2級取得と3年以上の実務経験を経て訪問介護事業所のサービス提供者として認められている方の場合だと介護報酬から10%減額されてしまいます。
そのため、訪問介護事業所では介護福祉士実務者修了者の需要が非常に高くなっています。
実務者研修を受講するのに向いている人は?
介護福祉士実務者研修(旧ホームヘルパー1級)の修了は介護福祉士国家試験の受験資格であるため、これから介護福祉士資格を取得したいという方はもちろん、介護職に対し意欲的であることを積極的にアピールしたい方にも向いているといえます。
医療的ケアが学べるため、より多くの知識や技術がある人材を求めている現場では非常に重宝されるようになります。
介護を通してたくさんの高齢者の支えになりたい方や、誰かの生活を支援したいという方には非常におすすめの資格です。
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まとめ
未経験・無資格でも取得できる資格でありながら研修内容が専門的であるため、介護福祉士実務者研修(旧ホームヘルパー1級)は人気が高い資格であり、資格保有者は非常に多くの現場から必要とされる存在となります。
特に訪問介護事業所ではサービス提供者として求められやすい資格です。
これから介護業界を支えていくためにも、介護福祉士実務者研修(旧ホームヘルパー1級)の講習は是非受講しておきたい資格といえるのではないでしょうか。介護福祉士実務者研修(旧ホームヘルパー1級)を修了してこれからの介護現場を支えていきましょう。
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