介護のスキルアップ

介護業務の質を上げる申し送り4つのポイント

三交代などのシフト制で働く介護スタッフにとって、申し送りという業務は大変重要です。
なぜなら三交代勤務の場合、一日の中でスタッフが入れ替わるため、継続的に対応が必要なご利用者の情報を伝えないと、事故につながる危険があるからです。
ですから職員が交代する朝と夕方に必要な業務を申し送ることで、ご利用者にとって安全で安楽な介護サービスの提供が24時間可能となります。介護業務の質を上げようと思うのであれば、まずは申し送り業務から見直すことをおすすめします。

この記事では、申し送りを効果的におこなう4つのポイントを例文と一緒に紹介しています。すぐに取り組める内容となっていますので、是非参考にしてください。

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申し送りの目的とは

申し送りをおこなう目的は3つあります。ご利用者にとって快適な介護サービスを提供するだけでなく、申し送り業務は介護スタッフにとって働きやすい職場づくりや事業所を守ることにもつながっています。この章では、なぜ申し送りが重要なのか、その目的を紹介していきます。

利用者の処遇改善

介護施設では、介護スタッフが24時間介護サービスを提供しています。そして日中の時間帯では介護の職員だけでなく看護師や生活相談員などさまざまな専門職がかかわっています。
ですからご利用者の処遇について、スタッフがどう行動し、その結果どうなったのかという事を共有しておかないと、職員ごとに対応が異なったり、不適切な介護をおこなうことになりかねません。
たとえば、週に2回入浴介助が必要なご利用者に対して、最近いつ入浴したのかが申し送りされていないと、次の入浴日が設定できません。入浴できない日が続くと、身体の清潔が保てないだけでなく、皮膚疾患の管理や栄養状態の把握が不足し、褥瘡が発生してしまいます。介護サービスは多職種の連携が不可欠なので、申し送りの役割はとても大きいといえます。

業務改善のため

申し送りでは、その日の予定やスケジュール変更、事務連絡など業務に関する情報もやり取りします。現場が離れている介護スタッフや多職種が、決まった時間に参集して業務改善や処遇について共有する貴重な時間にもなります。
管理職やリーダーにもできるだけ申し送りに参加してもらい、施設の方針を共有する場として活用しましょう。
申し送りされた内容は、記録ソフトでデータ保存したり、申し送りノートを作って閲覧したりできるようにします。その場にいなかったスタッフが「聞いていない」といわないような工夫をすることが大切です。全スタッフが理解し、周知されていることが、業務改善につながります。

リスクマネジメント対策

申し送りには、ヒヤリハットや事故、苦情について共有しておく役割があります。
どのような事故が起こったのか、なにが原因だったのか、という事実を全体で共有しておくことで、再発防止や苦情に対して組織全体で対応できるようになります。
これら申し送りの3つの目的は、全て関連しています。事故や苦情に対するリスクマネジメントをおこなうことで業務やご利用者の対応を見直し、組織全体でサービスの質向上を図るためには、申し送りの目的を理解しておくことが必要不可欠なのです。

4つのポイントが申し送りを変える

申し送りでもっとも重要なことは、交代するスタッフに業務中の出来事や留意事項を的確に伝え、サービスを継続することです。
介護スタッフの中には、「何を伝えていいのかわからない」という人や「時間がかかるだけで必要なことが伝えきれない」と感じる人もいるのではないでしょうか。この章では、短時間で正確に申し送りができる4つのポイントを紹介します。

情報は正確に

申し送りの基本は、情報を正確に伝えるという事です。そのためには、「いつ・だれが・どこで・なにを・なぜ・どのように」という5W1Hを意識して情報を整理しましょう。
記録やノートで申し送る際にも、この情報が不足していると勤務するスタッフが適切に対応できないので注意が必要です。
また文章表現にもポイントがあります。「時々コールがあった」や「お茶を少し飲んだ」といった曖昧な表現は、受け手によって解釈が異なります。「1時間おきに1回コールがあった」「お茶を湯飲み1杯飲んだ」と具体的な数字や量で表現することで、情報を正確に伝えられます。

内容は簡潔に

日ごろから記録や伝達事項は簡潔にまとめる習慣を心がけましょう。つい状況を細かく報告しようと色々な情報を加えた結果、重要な情報が埋もれてしまう事があります。
一方で申し送り時間の短縮を気にしすぎ早口になってしまうと、受け手が聞きとれない場合もあります。ゆっくりと聞きやすい声で、伝えたい内容を簡潔にまとめたほうが、申し送り時間の短縮につながります。

事実は客観的に

事実を正確に伝えるためには、客観的に出来事を振り返ることが重要です。
たとえば、大きな声で話しているご利用者の様子が怒っているように見えたとします。
ところが本人は日ごろから大きな声で話す人だったり、あるいは相手の耳が遠いので声が大きくなったりしただけかもしれません。
自分がその時に見たままの状況を客観的に伝え「私は、怒っているように見えました」と、見解を区別して伝えることが誤解を避ける方法となります。

結論は最初に

もっとも重要な内容を最初に伝えたあとに、その理由を話すと聞き手が理解しやすくなります。そのためには、あらかじめ話す内容や順序を整理しておくことが重要です。
たとえば今日の会議が変更されたとします。その場合、申し送りでは「午後からの会議は延期です。明日15時に変更します」と結論を先に伝えましょう。そのあとで延期の理由や次回開催場所、ほかの職員への連絡方法などを補足すると、聞き手にもっとも伝えたい内容を確実に届けることができます。

例文を紹介

この章では、転倒事故、体調不良の二つの場面で使用できる例文を紹介します。ご利用者の事故や体調急変は介護現場において発生する可能性が高く、同時に早期対応が求められる場面です。
あらかじめ定型フォームを用意しておくことで、必要な情報を簡潔に申し送りできます。フォームを作る際には次の4つの内容を入れておくとまとめやすいので、参考にしてください。

  • ご利用者の訴えや行動など、発生したこと
  • ご利用者の心身の状態
  • スタッフの対応(根拠と共に)
  • 結果

転倒事故があった場合の例文

(例文)
本日午前8時ごろ、ホールでAさんが尻もちをついて転倒しましたが、今のところ負傷は見当たりません。ドスンと音がしたので、私が駆け寄ると「食事が終わって立ち上がろうとしたらふらついた」と本人がいわれました。すぐに看護師に連絡し本人の部屋で痛みや傷を看護師が確認。目立った傷や本人から痛みの訴えがなかったので、このあと10時にもう一度私と看護師で本人に声掛けする予定です。食事後に立ち上がる際には、今後介護スタッフが傍で見守り介助をおこないます。

体調不良があった場合の例文

(例文)
Bさんは昨夜38.0度の熱発がありましたが、今朝7時に36.5度に下がっています。22時に体位交換したスタッフがBさんの体を熱く感じたため検温すると、38.0度。看護師にオンコールし、頭部のクーリング指示を受け対応しました。7時には「おなかがすいた」と訴えがあり、熱も36.5度に下がっていたので、現在部屋で朝食中です。

申し送りのコツをつかんで業務の質を上げよう

申し送りは、限られた時間で重要な情報を共有するため、コツをつかむことが大切です。
今回紹介したポイントを知っておくだけで、申し送りにかかる無駄な時間を省いたり、業務にかかる悪影響を防いだりできます。介護スタッフにとって申し送りはそれほど重要であり、申し送りのスキルを磨くことは業務の質をあげる上で必要不可欠といっても過言ではありません。
あなたの周りに「この人の申し送りは内容がまとまっていて分かり易い」と感じる人はいませんか。もしかするとその人は、申し送りのコツをつかんで、実践している人かもしれません。本記事を参考にして、早速あなたもできることからチャレンジしてはいかがでしょう。

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