介護現場でおすすめ個別・集団脳トレ9選！効果やポイントも解説

「利用者にとって効果的なレクリエーションやリハビリを行いたい」と思っている方も多いのではないでしょうか？
生活の質向上を目指すなら、介護施設のレクリエーションに脳トレを取り入れることがおすすめです。そこで、この記事では厳選したおすすめ脳トレや、その効果を紹介します。より効果的に行うためのポイントも解説していきますので、是非参考にしてみてください。

脳トレとは

脳トレは、リハビリ要素を含むレクリエーションのうちの一つです。脳を活性化させるトレーニングのことを「脳トレ」と呼び、記憶力や想起力、集中力といった脳の機能を鍛える目的で実践されているものです。トレーニングと言っても、楽しんでできることも大切。
遊び要素を取り入れ、尚且つ脳の機能にもアプローチできるような脳トレが特に人気です。医療や介護、教育現場では、楽しんでできるような脳トレを選択し、取り入れている現状があります。

脳トレの効果

脳トレを行うことで期待できる効果は多数あります。そこで、脳トレの効果を以下で紹介していきます。

認知症予防

脳トレは、脳を活性化させ認知機能の低下を防ぐ効果もあります。
また、認知機能の低下を防ぐ脳トレを日常的に継続することで、脳を健康な状態に保つこともできるのです。
また、認知機能の衰え部分は人それぞれ違うため、特に衰えている認知機能をスタッフや機能訓練指導員などが客観的に把握し、その部分を鍛える脳トレを実践できるとより高い効果が期待できます。

集団で行う脳トレはコミュニケーションが図れる

脳トレというと個別で行うイメージを持たれがちですが、集団で実施するものもあります。集団脳トレは、スタッフが司会・進行を行い複数人でゲーム感覚の脳トレを行います。遊び要素を取り入れて行うことで、利用者同士の交流が生まれることも。皆で笑い合いながら、楽しんでできる脳トレが理想的です。

メリハリのある生活を送るきっかけになる

脳トレを習慣化することで、生活にメリハリをつけることもできます。特に、自室に引きこもりがちな利用者に対しては、脳トレの時間を決め習慣的に実施することで自室外での活動量を増やすことも。単調な毎日に刺激を与えることができる点が大きなメリットです。

脳トレを効果的に行うポイント

脳トレを実施する際に抑えておきたいポイントがいくつか存在します。そこで以下では、脳トレを効果的に行うためのポイントを解説していきます。

各利用者に合ったものを選択する

利用者それぞれの残存能力に合ったものを選択するとより脳トレの効果が期待できます。
また、片麻痺の方や認知症の方、起立性低血圧があって長時間座位を取れない方などそれぞれの疾患や体調によっても実施する脳トレを変える必要があります。大切なのは、利用者の残存能力や心身の状態をしっかり把握し、それに合った脳トレを行うこと。適切なものが選択できれば、より安全に脳トレを楽しむことが可能です。

楽しくできるものにする

嫌々やらされているよりも、本人が楽しんで取り組めるものを実施したほうがもちろん良いです。個別の脳トレであれば、利用者の好みに合いそうなものを選択し実施するようにしましょう。
また、集団での脳トレは遊び要素を入れるのもGOOD。スタッフが一緒になって楽しめると、より盛り上がります。

継続性のあるものを選ぶ

個別で行う脳トレの場合、単発ではなく継続して実践できるとより効果的です。利用者本人が好みのものや取り組みやすいもの、得意な分野などの脳トレを用意するようにしましょう。
また、個別で行う際にはスタッフがしっかり声掛けやサポートをすることで、より継続しやすい雰囲気になります。

個別・集団どちらにしても、毎回同じものだと飽きてしまうこともあります。利用者が飽きてきている感じがしたら、違う脳トレにもチャレンジしてみましょう。新しいものである場合は、慣れるまで付き添ってサポートしたり、丁寧に説明したりするとより取り組みやすくなります。

【個別】介護施設でおすすめの脳トレ

脳トレは個別で行っても効果を発揮します。そこでここからはおすすめの介護施設で実施する個別脳トレを紹介していきます。

点繋ぎ

点繋ぎは、1から順番に点を線で繋いでいくことで、一つの絵や字が完成するというものです。最近では、点繋ぎで遊ぶための本が出ていたり、ネット上で無料ダウンロードできるサイトがあったりと、さまざまな形で点繋ぎの原本を手に入れることができます。何枚かコピーし、複数人で一斉に点繋ぎ遊びに取り組むのも良いでしょう。
また、利用者が喜びそうな絵を完成させるオリジナルの点繋ぎをスタッフが手作りしてみるのもおすすめです。

クロスワード

クロスワードは、ヒントを元に、タテヨコに交差したマスに言葉を当てはめるゲームです。最近ではクロスワードの本が多く出版され、簡単なものから難しいものまで簡単に問題を手に入れることができます。
また、ネット上で無料の問題を探すことも可能。何枚かの問題を用意し、スタッフが付き添いながらワイワイと問題を解いていくと楽しんで取り組めるかもしれません。

計算・漢字問題

頭を使うレクリエーションとして計算・漢字問題の実施もおすすめです。計算は比較的簡単なもの、漢字問題は高齢者に馴染みのあるようなものを選択するといいでしょう。問題を何枚か作成し、毎日実践していくと習慣になってより脳トレ効果が期待できます。

手遊び

大きな道具が必要のない手遊びも、脳トレ効果が期待できるレクリエーションの一つです。
特におすすめの手遊びは以下になります。
・指体操
・あやとり
・お手玉
指体操は、人差し指から内側に指を順番に折っていく運動や両手でジャンケンをするじゃんけん手遊びなどがあります。どちらも、手先を動かすことで脳に刺激を与えることが可能です。
また、あやとりやお手玉のような利用者にとってなじみ深い遊びを取り入れるのも大切。昔に戻ったような気持ちでワイワイと遊ぶことができます。

【集団】介護施設でおすすめの脳トレ

脳トレは個別で集中して行うことも大切ですが遊び要素を入れて複数人で実施するのも効果的です。そこで、以下ではおすすめの集団脳トレを紹介していきます。

しりとり

しりとりは単純な遊びのようで意外と脳を使います。毎回ただのしりとりだと飽きてしまう場合であったら、ユニークな遊びも取り入れるとなお良いでしょう。しりとりのおすすめアレンジは以下です。

・文字数決めしりとり
・色指定しりとり
・テーマ決めしりとり

文字数決めしりとりは、例えば「りんご・ごりら」のように3文字縛りでしりとりを進めていくゲームです。色指定やテーマ決めは、それぞれ指定した色やテーマに沿ってしりとりを実践していきます。しりとりに色々なテーマを加えることで、より盛り上がるレクリエーションとなります。

クイズ

クイズはさまざまな種類のものを楽しく行うことができます。
中でもおすすめのクイズは以下です。

・都道府県クイズ
・なぞなぞ
・あるなしクイズ
・これは何でしょうクイズ
・漢字クイズ

「都道府県クイズ」と「これは何でしょうクイズ」は、都道府県やものに関連するワードや情報をひとつずつ出して、早く答えられた人が勝ちというゲームです。漢字クイズは、比較的難しいけど、高齢者に馴染みのあるような漢字を選択し、問題を出していきます。(例：鰤や鯨のような魚に関連する漢字シリーズなど)

後だしじゃんけん

後出しじゃんけんは、スタッフが先にジャンケンの手を出し、その後に利用者が後出しで勝つ手を出すゲームです。
例えばスタッフが先にパーを出したら利用者が後出しでチョキを出すといった遊び方です。瞬時に勝つ手を考えなければならないゲームであるため、脳の刺激になります。最初はゆっくり始め、段々スピードを上げていくと盛り上がります。

口と体を一緒に動かす脳トレ体操

口と体を一緒に動かす脳トレは集団リハビリの際にも実施されています。言葉を発しながら腕や足を動かすといった体操です。
また、歌をうたいながらリズムに合わせて身体を動かす体操もあります。皆で楽しみながら取り組める体操として人気の脳トレです。

歌クイズ

歌クイズは、利用者が知っているような曲のイントロだけ流し、なんの歌か当てるゲームです。複数人の集団リハビリやレクリエーションの場で実施するのが良いでしょう。曲は、昭和の歌謡曲や童謡、軍歌など利用者に馴染みのある歌を選ぶのがおすすめです。何の曲かを当てるためにメロディーに集中することが脳トレーニングになります。