介護の仕事研究

認知症の専門家!認知症ケア専門士の取得メリットや難易度について解説

現在日本では高齢者の数は年々増加傾向にあり、2040年にピークを迎えると言われています。高齢者が増えていく中で必然的に認知症を患う方も増えていくことは必然的です。そのため高齢者の介護では認知症の知識が必須になってくるため、認知症ケア専門士の注目度が上がってきています。今回は認知症ケア専門士の試験内容や合格率、取得後のメリットについて解説していきましょう。

認知症ケア専門士って?

認知症ケア専門士は一般社団法人日本認知症ケア学会(以降、認知症ケア学会)が認定する民間資格です。認知症ケア学会は認知症ケア専門士について、「認知症ケアに対する優れた学識と高度な技術、および倫理観を備えた専門技術士を養成し、わが国における認知症ケア技術向上ならびに保健・福祉に貢献することを目的として設けられた資格」としています。認知症ケアについて正しい知識と高い技術を有していることを証明することができる資格となっています。

認知症ケア専門士の試験について

それでは認知症ケア専門士の試験内容について見ていきましょう。

受験資格

まずは受験資格から確認していきます。受験資格としては、「過去10年間のうち、3年以上の認知症ケアの実務経験を有する者」となっています。基本的に国家資格や医療福祉系資格の有無は問われません。また実務経験を証明する施設は認知症専門の施設や機関でなくても大丈夫です。
※実習やボランティア活動は実務経験には含まれないので注意してください。

受験までの流れ

では合格して認知症ケア専門士を取得するまでの流れを見てみましょう。
1.受験の手引きを購入
受験の手引きを認知症ケア学会ホームページや書店などで購入します。
2.受験申請
受験を受けるために願書を提出します。実務経験証明書は過去の職場へ記入してもらう必要があるかもしれません。そのため早めに行動することをおすすめします。
3.第一次試験
一次試験はWEB試験となっているため、使いにくさを感じるかもしれませんがすぐになれます。
4.合格発表
合格通知が来てもまだ論述の試験があるため、しっかり注意事項を確認してみましょう。
5.第二次試験
後述でも記載しますが論述の問題となっています。事例をしっかり確認して受験することをおすすめします。
6.合格発表
論述試験の採点が終了し、郵送で2度目の合格通知が手元に届きます。
7.登録申請
試験に合格した後は、倫理研修を受講します。
8.認知症ケア専門士資格取得
有効期限が5年かしっかり見て、WEBで学習を継続的に行っていきましょう。

一次試験内容

では試験内容について見ていきましょう。一次試験は年に一度、筆記試験となっています。試験方法はパソコンやタブレット端末を使用したWEB試験形式となっていますが、簡単な操作で受験することが可能なため、パソコン類に苦手意識がある方も積極的に挑戦してみましょう。試験は下記のように4分野に分かれており、それぞれ一時間ずつ分けてスケジュールが組まれています。

  • 認知症ケアの基礎
  • 知症ケアの実際Ⅰ:総論
  • 認知症ケアの実際Ⅱ:各論
  • 認知症ケアにおける社会資源

各分野は50問ずつ設定されており、各分野70%以上の正答で合格となっています。1つでも分野が70%をきってしまうと不合格となりますが、再受験するときに70%以上獲得した分野については免除となります。出題範囲は「認知症ケア標準テキスト」から出題されることとなっています。また認知症ケア准専門士であれば、実務経験3年で一次試験は免除されます。

二次試験内容

最後に二次試験について見ていきます。一次試験に合格した方は二次試験に進むことができます。合格すると認知症ケアの事例3題を論述する流れとなっています。
合格要件としては、

  • 適切なアセスメントの視点を有しているか
  • 認知症を理解しているか
  • 適切な介護計画を立てられる者
  • 社会資源を理解できるか
  • 認知症の人の倫理的課題を理解しているか

が論述の中で審査されています。
一次試験で知識の有無が問われた後、事例を通して論述問題にてアセスメント思考力や計画立案能力、倫理的な課題の理解が問われる形となっているため、とても実践的な試験内容となっています。

認知症ケア専門士の合格率

それでは認知症ケア専門士の合格率や難易度はどのようになっているのか見ていきましょう。

保有資格で多いのは?

認知症ケア専門士の合格率は第1回から第17回までで平均52.6%ほどです。福祉系の資格の中では比較的合格率が高い試験となっています。しっかり知識を蓄えて受験すれば、難易度の高い試験ではありません。また過去5年を見てみても、54〜56%が続いていますので試験対策の傾向もつかみやすいです。

近年の合格率

保有資格で多いのは、やはり密にかかわる機会が多い介護福祉士です。介護福祉士に次いで多いのが、介護支援専門員、ヘルパー、看護師となっています。どの職種も認知症の知識を有していないと適正な対応を行うことができず、日常業務に支障が出てしまいます。しかし認知症ケア専門士であれば、アセスメントもしっかりできて関わり方も適格になるため、患者や利用者も安心して穏やかに過ごすことが可能です。

認知症ケア専門士のメリット

では最後に認知症ケア専門士を取得するメリットについて解説していきます。

認知症の知識が増える

前述した通り、認知症ケア専門士には専門的な知識が必要になってきます。認知症という疾患についての理解や社会の制度、認知症の方のアセスメント方法などについて知識を深めることができるため、取得した後は格段に知識量は増加しています。知識が増えることでさまざまなアセスメントに繋げることが可能になったり、アプローチ方法のアイデアも生まれやすくなったりするメリットがあります。

キャリアアップにつながる

認知症ケア専門士は2022年の時点で第18回を迎えます。認知症ケア専門士の知名度も上がっていき、さらに認知症ケア上級専門士などステップアップにも繋がる資格です。認知症についてのケアはとても難しく専門的な資格保有者は少ないため、これからも重宝される存在になるでしょう。

転職に有利になる

資格を取得するということは簡単なことではありません。認知症ケア専門士も高度な知識や技術を持ち合わせていると証明される資格です。転職をする際にはアピールするいい機会となります。何も資格を持たずに求人に応募するよりも、認知症ケア専門士を有していると面接まで漕ぎ着けたり採用に至ることも不可能ではありません。

まとめ

いかがでしょうか。認知症ケア専門士は高度な技術や知識だけではなく、倫理観も必要になってきます。認知症を患っている患者様には正しい対応をしなければ、BPSDが出現してさらに病状を悪化させるおそれがあるため避けなければなりません。認知症ケア専門士がリーダー的な立場に経ってしっかり引っ張っていくことが大切です。

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