私生活での結婚や出産、引っ越しなどを理由に退職し、他の介護施設や別業種の仕事を経験してから以前働いていた介護施設に再び出戻り転職する介護士がいます。出戻り転職には何のメリットがあるのか。転職するなら、他の介護施設の方が良いのではないか。
本記事では、介護士の出戻り転職のメリット・デメリットについて解説します。
介護士の出戻り転職とは?
介護士の「出戻り転職」とは、介護施設を退職後、他の介護施設や別業種に転職して、再び以前勤めていた介護施設に就職することです。慢性的な人手不足問題を抱えている介護業界では「残業や業務量が多く労働条件に不満がある」「職員同士の人間関係が悪い」といった職場環境の悪さが目立つ介護施設が多いです。そのため、半数以上の介護士に転職経験があり、3回以上の転職を経験している介護士も少なくありません。中には、職場の人間関係や労働条件に不満があって転職したけど、転職先よりも前の職場の方がましだったというケースもあります。
しかし、介護業界全体が人手不足のため、一度退職して同じ介護施設に再就職したいと希望する方の入社を断る介護施設はほとんどありません。揉め事を起こして退職してしまった場合は、同じ介護施設への再就職は厳しいですが、円満退職をした場合では断られることはほぼないでしょう。また、介護士が出戻り転職するには、以前よりも「新しく介護資格を取得した」「介護スキルを身につけた」などの強みをアピールすることが重要です。
介護士の出戻り転職のメリット
転職先である介護施設や別業種の会社を退職し、以前勤めていた介護施設に出戻り転職をするのと、別の介護施設や別業種に転職するのと、どちらがいいのでしょうか。介護士が以前勤めていた介護施設に出戻り転職するメリットを3つご紹介します。
顔馴染みの利用者や職員がいるため安心して働ける
以前勤めていた介護施設に出戻り転職することで、顔馴染みの利用者や職員と一緒に働けます。利用者の名前を1から覚える必要がなく、分からないことがあっても顔馴染みの職員に気軽に質問できるため、安心して働くことができます。
仕事内容・業務の流れを理解している
出戻り転職をした職場の上司が変わっていなければ、多少の業務内容の変化はあっても、基本的な仕事内容や業務の流れは変わっていない場合が多いです。そのため、出戻り転職では仕事内容や業務の流れを1から覚え直す必要がなく、変更になった部分だけ覚えるだけで済みます。また、介護現場の即戦力として重宝されるというメリットもあるでしょう。
部署ごとの仕事内容・人間関係を理解している
特別養護老人ホームや訪問介護事業所、デイサービスなどの複数の事業が併設している介護施設では、部署ごとに仕事内容や人間関係が異なります。新入社員や中途採用として就職した場合、新人研修で部署ごとの仕事内容を体験します。出戻り転職では部署ごとの仕事内容のみならず、各部署の人間関係や労働環境などの内情を知った上で入社できることが利点です。
介護士の出戻り転職のデメリット
介護士の出戻り転職では、以前退職した介護施設に再就職することから、「また辞めるのでは?」とマイナスイメージを持たれがちです。出戻り転職のデメリットを理解し、自分に合った転職先の選択をしましょう。介護士が手戻り転職する3つのデメリットについて解説します。
マイナスイメージを持たれがち
出戻り転職とは、勤めていた介護施設を退職後、転職先を退職し、一度辞めた介護施設に再び戻ってきたという状況です。そのため、「1つの職場にとどまらず、職を転々としている」「自分勝手」「採用してもすぐまた辞められそう」というマイナスイメージを持たれがちです。出戻り転職に対して否定的な職場や採用担当者の場合、不採用となるケースもあります。
仕事内容や在職する職員の変化に戸惑う
出戻り転職では、以前勤めていた経験がある介護施設に再び就職するため、「職員も仕事内容もどうせ変わっていないだろう」と思いがちです。しかし、以前勤めていた介護施設に出戻り転職しても、仕事内容や人間関係が同じとは限りません。上司が退職や部署異動で変われば、必然的に新しい上司のやり方で仕事を進めることになります。また、退職や部署異動で在職する職員が変わっていたり、業務内容や勤務時間、給与なども変化している可能性があるため、戸惑いやすいです。
出戻り転職後は退職がしづらい
出戻り転職では「すぐ辞めそう」というマイナスイメージを持たれがちです。そのため、出戻り転職した介護士は職場を辞めにくくなってしまいます。また、「戻って来ない?」と出戻り転職を誘った元同僚がいた場合、再度退職することで元同僚の顔に泥を塗ってしまうというケースもあります。
介護施設は介護士の出戻り転職大歓迎
日本の高齢化により、要介護高齢者が増加しています。それに反比例し、介護士の人材は不足する一方です。人手不足問題を抱える介護業界では、介護士の出戻り転職を歓迎する介護施設が多くあります。
以下では、介護施設が出戻り転職の介護士を歓迎する理由を3つご紹介します。
深刻な人手不足を抱えているから
高齢化による要介護高齢者の増加に伴い、介護人材の不足が問題化しています。特に、24時間体制で利用者の介護を行う介護施設では、夜勤や早出、遅出などの時間帯に仕事に入れる介護士が限られてしまいます。介護施設の大半は、人員配置基準ギリギリの人員で仕事を回しているのが現状です。そのため、介護業界では出戻り転職の介護士の採用を積極的に行っています。
職場が応募者の事情・人柄を知っているから
出戻り転職の場合、応募者が「なぜ一度退職したのか」という事情や、応募者の性格・人柄を施設側は既に知っています。そのため、「家族の転勤により、退職を選ばざるを得なかった」「応募者は優しく丁寧な人」など、応募者の事情・人柄が良ければ出戻り転職でも採用されやすくなります。全く知らない応募者の事情・人柄を施設側が1から把握する時間が短縮できるという利点から、出戻り転職を歓迎する介護施設が増えているのです。
大まかな仕事内容・業務の流れを把握しているから
介護業界は人手不足のため、即戦力となる介護人材を求めています。しかし、新入社員や中途採用者の場合、教育や研修に時間を割かねばなりません。その点、出戻り転職の介護士は、大まかな仕事内容や業務の流れを既に把握しています。介護施設側が求める即戦力になることから、出戻り転職の介護士は歓迎されているのです。
介護士が出戻り転職を成功させるポイント
出戻り転職をする介護士には、大きく分けて以下の2つの状況が想定できます。
・介護施設を退職後、別の介護施設で働いていたが、前の職場の方が良いと思った
・介護施設を退職後、介護以外の別業種で働いていたが、もう一度介護の仕事がしたいと思った
いずれも、一度離れた職場に戻るため、退職前の職場に受け入れてもらうことが必要です。
以下では、介護士として出戻り転職を成功させる3つのポイントをご紹介します。
出戻り転職をする職場の情報を収集する
出戻り転職を失敗させないためには、出戻り転職をする職場の情報を集めることが大切です。「以前勤めていた職場だから、調べなくても知っている」と思っていると、仕事内容や職場の人間関係に変化があり、戸惑ってしまう可能性があります。自分1人では職場の細かい情報を集めるのが難しいと感じた場合、介護士専門の転職エージェントを利用することをオススメします。
気持ちをリセットして初心に戻る
介護施設は利用者の退去と入居、職員の退職と入社、労働環境の改善など、日々流動的に職場環境が変化しています。そのため、以前働いていた時と全く同じ職場環境ではないことを理解する必要があります。出戻り転職でも謙虚に学ぶ姿勢で働くために、気持ちをリセットすることが重要です。
「なぜ出戻り転職したいと思ったか」をまとめる
出戻り転職の採用面接では、「なぜ他の介護施設や別業種への転職を選ばず、当施設での再就職を選んだのか」という質問をほぼ確実にされます。そのため、自分の考えや思いを整理し、面接時も一貫した回答ができるように準備しておくことが重要です。
メリット・デメリットを理解して適切な判断を
介護士の出戻り転職は、介護士であれば誰でもできるわけではありません。揉め事や問題を起こして退職した場合や、採用担当者に出戻り転職への理解がない場合、出戻り転職を受け入れてもらえない可能性があります。また、出戻り転職する介護施設の仕事内容や人間関係が変化している可能性も高いです。出戻り転職のメリット・デメリットをよく理解して、自分に合った転職先を探しましょう。
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