児童や生徒の悩みに向き合い、問題解決を図れるようにサポートするスクールソーシャルワーカー。児童を取り巻く環境について問題があとを絶たない日本では、重要な役割を持つ仕事です。
スクールソーシャルワーカーになるなら、社会福祉士を目指すことをおすすめします。
この記事で分かること
・スクールソーシャルワーカーとは何か
・スクールソーシャルワーカーの仕事内容、就業先、給料
・スクールソーシャルワーカーになるための方法
スクールソーシャルワーカーとは?
スクールソーシャルワーカーとは児童や生徒、さらにその保護者が抱える問題の解決に向けて、環境や個人への働きかけ、関連機関との調整・連携を図り、当事者自身が自ら問題を解決できるように支援する専門職です。
子どもが関わる問題の多様化に伴い、スクールソーシャルワーカーが対象とする問題も幅広くなっています。
【スクールソーシャルワーカーが扱う問題】
・子どもの貧困
・虐待
・発達障害
・地域社会の崩壊
・孤立化
・友達同士のトラブル
・SNSによるトラブル
・学力問題
・過度な受験戦争
・いじめ
・非行
・不登校
・体罰
・子どもの自殺
※参考: 特定非営利活動法人日本スクールソーシャルワーク協会「SSWとは」
こうした問題には児童や生徒のみならず、保護者が関わってきますので、ときには保護者も支援の対象となります。
また、状況によっては教員の負担も肥大化していることもあるため、子どもを教育する立場の教員に寄り添い、サポートすることもスクールソーシャルワーカーの役目の一つです。
スクールソーシャルワーカーになるには?
スクールソーシャルワーカーは資格の名前ではありません。そのため、スクールソーシャルワーカーの資格試験などはありませんが、必要条件があります。
ここではスクールソーシャルワーカーになるための条件について解説します。
スクールソーシャルワーカーになる条件
スクールソーシャルワーカーになるためには次のうちいずれかの条件を満たす必要があります。
【スクールソーシャルワーカーになる条件】
①社会福祉士
②精神保健福祉士
③臨床心理士
④上記の資格はないが、福祉や教育分野の専門的な知識やスキル、実績がある
これらの条件に加えて、採用面接を通じて人物や活動実績が考慮された上で採用が決まります。
スクールソーシャルワーカーの半分以上が社会福祉士!
令和2年の時点で、スクールソーシャルワーカーの63.6%が社会福祉士の資格を持っています。
その次に教員免許(34.4%)、精神保健福祉士(32.9%)の資格を持つスクールソーシャルワーカーが多いです。
※参考: 文部科学省「スクールソーシャルワーカー活用事業に関するQ&A」
スクールソーシャルワーカーになるには、社会福祉士免許が必須ではありません。しかし実際には、社会福祉士としてスクールソーシャルワーカーの仕事に従事している方が半数以上います。
社会福祉士は日々、多様化する児童の問題を解決していくうえで必要な福祉全般に関する専門知識と技術を有するエキスパートです。そのため、スクールソーシャルワーカーになるのなら、社会福祉士としての知識は実践でも役立つものが多いでしょう。
スクールソーシャルワーカーになるためのルート
スクールソーシャルワーカーになるためのルートはいくつかありますが、主たるルートは次の2つです。
社会福祉士・精神保健福祉士がスクールソーシャルワーカーになるには
社会福祉士・精神保健福祉士の国家資格取得
↓
日本ソーシャルワーク教育学校連盟が認定するスクールソーシャル教育課程を修了
(スクールソーシャルワーカーとして活躍するために教育・福祉に関する専門知識や技術を学ぶ)
スクールソーシャルワーク教育課程は大学、専門学校へ通学する他、通信課程もありますのでご自身の状況にあわせて学校を選ぶと良いでしょう。
臨床心理士がスクールソーシャルワーカーになるには
臨床心理士・公認心理士の資格取得
↓
国が指定した保健福祉系の大学院の進学・卒業する
どちらも最終的に就職先が行う試験・面接を受けて合格することで晴れてスクールソーシャルワーカーとなれます。
スクールソーシャルワーカーの就業先
スクールソーシャルワーカーの主な就業先は次のようになっています。
【スクールソーシャルワーカーの主な就業先】
・小学校
・中学校
・高校
・教育委員会
・教育相談センター
一つの学校に専属で配置されることもあれば、複数の学校を掛け持ちしていることもあります。現在は教育委員会などから派遣されて、複数の学校を巡回する働き方が多いようです。
スクールソーシャルワーカーの給料
スクールソーシャルワーカーの平均年収は292万円です。社会福祉士全体の平均年収は403万円となっているため、社会福祉士の中では給料として高いほうではありません。
※参考: 公益財団法人 社会福祉振興・試験センター「令和2年度社会福祉士就労状況調査結果報告書」
現状、スクールソーシャルワーカーの常勤勤務がまだまだ少ないことも平均年収が低い要因の一つでしょう。
しかし、今後国としてはスクールソーシャルワーカーを増やす意向を示しています。2015年に全国の小中学校に配置されたスクールソーシャルワーカーは2,247人ですが、全中学校区をカバーできる1万47人の配置を目標としています。そのため、今後常勤のスクールソーシャルワーカーが増えることも期待できると考えられます。
スクールソーシャルワーカーの仕事内容
スクールソーシャルワーカーの職務としては、次のことが挙げられます。
・生徒の相談・助言・サポート
・対象生徒にかかわる環境への働きかけ
・関連機関とのネットワークの構築・調整
・学校内でのサポートチームの体制作り
・保護者の相談・助言・サポート
・教員の相談・助言・サポート・研修
スクールソーシャルワーカーの大事なポイントは問題解決を代行することが目的ではないことです。
あくまでも、当事者が自分自身で問題を解決できるようにサポートすることがスクールソーシャルワーカーの大きな役割となります。そのために、解決するための力を当事者が得られるように助言したり、環境面を調整することで解決しやすいように働きかけます。
また、支援の対象は児童や生徒にとどまらず、保護者や教員にも及びます。包括的な視点を持って対応することが求められます。
【まとめ】スクールソーシャルワーカーになる最短ルートは社会福祉士を目指すこと!
スクールソーシャルワーカーを目指すならまず、社会福祉士の資格をとることをおすすめします。
現在スクールソーシャルワーカーの6割以上が社会福祉士の資格を持っており、実践的な専門知識や技術を学べます。日本の不登校児童・生徒は毎年12万人を超えています。それに加えて、SNSやネットなども絡み、児童や生徒を取り巻く問題は複雑化しているのが現状です。
こうした問題に対処するには、児童に寄り添い、一緒に問題解決に向かって前を向いてくれる大人が必要です。
スクールソーシャルワーカーは、家庭や学校などの環境に働きかけて、児童自身が問題解決に臨めるようにサポートする大切な仕事です。
今後、日本ではスクールソーシャルワーカーの拡充も検討されており、将来的に需要や期待の大きい職種となることでしょう。
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