作業療法士の介護施設における業務内容は以下の通りです。
・評価
・介入計画
・基本動作、応用的動作、適応の訓練・練習
・介護実務の実施
・送迎業務の実施
・記録、計画書の作成、他職種連携・助言
今回の記事は、介護施設で働く作業療法士の魅力や悩み伝える記事です。最初に介護施設で働く作業療法士の業務内容を詳細にお伝えします。
介護施設(介護保険分野)における作業療法士の業務内容
日本作業療法士協会が厚生労働省に提出した資料によると、介護分野において3つの業務内容が示されています。評価(ADL・IAD、作業能力評価、認知機能の評価)に基づき、介入計画を立案し、基本動作練習、応用的練習、社会適応練習を実施するとされています。不随して、書類業務や他職種連携、担当者会議における助言が求められます。一般に、作業療法士はリハビリ職となりますが、施設によっては介護実務も生活リハビリの一環として、実施することが求められるのも事実です。
介護施設における作業療法士の役割
作業療法士を積極的に活用することが望まれる項目として、以下のものがあります。
・ADL及びIADL訓練
・作業耐久性向上、作業手順の習得、就労環境への適応・訓練
・福祉用具の使用等に関する訓練
・退院後の住環境への適応訓練
・発達障害や高次脳機能障害に対するリハビリテーション
以上となっています。高齢者の作業療法士分野において、作業療法士が担う役割といえます。特にデイサービスなどは、興味関心チェックリストを活用したアセスメントが望ましいとされ、作業療法士の専門性である「生活を診る視点」が必要とされています。
介護福祉士と作業療法士の違い
【介護福祉士】
目的:対象者の生き方や生活全体の支援
実務:心身の状況に応じた介護
【作業療法士】
目的:人々の健康と幸福を促進する
実務:作業に焦点を当てた治療、指導、援助
共通:活躍領域は児童福祉、医療、介護、障害分野と幅広い。
介護福祉士と作業療法士の大きな違いは目的と実務内容です。目的の項目では介護福祉士が対象者の生き方や生活全体の支援なのに対し、作業療法士は対象者の健康と幸福を促進する事とされます。これは、作業療法士が医療職である特性上、健康に焦点をあてた上で、作業=生活の再建を通して幸福を促進するという意味合いが込められています。一方で、介護福祉士も同じく生活全般の支援を担いますが、健康や幸福を治療する職業かどうかが大きな違いです。ただし、介護福祉士も介護予防として、日々の健康状態の評価は極めて重要であることは、言うまでもありません。次に、作業療法士が働く主な介護施設に関して説明していきます。
【復習】作業療法士が働く主な介護保険分野の施設
作業療法士が働く主な介護施設をご紹介します。介護施設は通所系、施設系。その他、訪問系に大別されます。通所系では送迎や介護実務の実施。入所系も介護実務を求められる場合もあります。はじめに特別養護老人ホームからご紹介します。
特別養護老人ホーム
特別養護老人ホーム、通称は特養です。対象者は基本的に要介護3以上の方になります。可能な限り在宅復帰を目指しながら、入浴や食事などのADL支援、機能訓練・療養上の世話を実施します。作業療法士の実務として、要介護3以上の車椅子ベースの方が多く、シーティングや環境設定、自助具の適応訓練によるADL拡大や機能維持・改善を担うことが多いです。
老人保健施設
老人保健施設、通称は老健です。基本的には在宅復帰を目指し、要介護判定を受けた方が対象です。作業療法士の実務として、在宅復帰を目指す施設なので、在宅環境の調整や在宅環境を模した環境下における、ADLやIADL訓練の実施。また、自助具の適応や在宅サービスの調整・助言、機能訓練も積極的に実施します。
通所リハビリテーション(デイケア)
通所リハビリテーション、通称はデイケアです。療養上の支援(食事、入浴など)を実施しながら、可能な限り在宅で自立した生活がおくれるよう支援する施設です。作業療法士の実務として、機能訓練、在宅における詳細な環境調整、介助指導、自助具及び環境適応の訓練を実施します。最近では、通所介護(デイサービス)との違いが重要視されるようになり、病院や老健施設からの在宅復帰において、通所介護に繋ぐための施設運営になりつつあります。
通所介護(デイサービス)
通所介護事業所、通称はデイサービスです。療養上の支援(食事、入浴など)を実施しながら、可能な限り在宅で自立した生活が維持できるよう支援する施設です。デイケアと比較して、孤立感の解消や心身機能の維持、介護負担の軽減など社会における要介護者の居場所としての目的もある介護施設です。作業療法士の実務は生活行為の支援が多くなるのが特徴です。例えば「家で料理をしたい」を叶えるため、環境調整、自助具適応、段階付けを実施して、獲得を目指すなどがあります。
訪問リハビリテーション
訪問リハビリテーション、通称は訪問リハです。実際に対象者の自宅を訪問して作業療法を実施します。利用目的はさまざまですが、調理や庭での軽作業ができるようになりたい。また、在宅環境のおける生活導線の検討、環境調整などニーズは多様です。利用目的と期間を明確にした上で、実施をすることが求められます。次に、作業療法士が介護施設で働くメリット・デメリットを解説します。
作業療法士が介護施設で働くデメリット!
作業療法が介護施設で働くデメリットとして、専門職の少なさと介護施設として介護業務の一部兼任を求められる場合があります。詳しく解説します。
一人職場で相談相手がいない場合がある
デイサービスや特養などは作業療法が必須の配置基準ではありません。よって、作業療法士が一人となる場合もあり、相談相手が居ない場合もあります。逆に、一人で気楽でいいとする方もいるので、考え方しだいではありますが。
介護業務を兼任して実施することがある
どの介護系施設でも同じです。送迎や介護実務を求められる場合があります。作業療法士はリハビリ職なので、葛藤がある方も多いです。しかし、協調的な職場を作る上では必要となる場合があります。対象者にとって、介護職と協調した職場を作るのは重要なので、作業療法士の理解が必要な部分です。
作業療法士が介護施設で働くメリット
作業療法士が介護施設で働く場合、通所系・施設系と2つ分かれますが、共通したしたことは生活期の作業療法であるということです。以下をご覧ください。
個別性重視のアプローチ
病院や老健施設は「在宅復帰」が求められ、作業療法の目標も在宅復帰に関連して「排泄動作の自立」などが優先となりやすいです。しかし、在宅では生活者として機能を維持しながら、生活行為に焦点をあてて対象者の「やりたいこと」を引き出して、直接的な援助が出来る。これは最大の魅力です。
同一の利用者が多く、時間的なゆとりがもちやすい
通所・施設系共に対象者は固定となってくるので、同一の対象者の評価・介入が多くなり、時間的なゆとりがもちやすくなります。よって、利用者一人ひとりのやりたい事ことに向き合いやすいのも特徴です。そんな介護業界ですが、今、作業療法士がますます求められています。なぜか?理由は次の項目をご覧ください。
作業療法士が介護施設で求められる理由
作業療法士が介護施設で求められる理由は「ADLの分析能力」です。作業療法士はADLの工程を分析し、できなくなっている工程を抽出します。その工程の問題点が解決できるように、動作練習や環境調整、自助具の選定・適応を実施します。結果的にADL自立度を高めることができる職種なのです。これは作業療法士協会が厚生労働省に提出した資料の中で説明されています。地域包括ケアの維持には、介護度の重症化を予防することが極めて重要であることことは論じるまでもありません。作業療法士はADLの維持・向上の専門家として、介護業界で必要とされる職種です。
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