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社会福祉士及び介護福祉士法の2022年法改正で新設された准介護福祉士とは?

2022年4月に社会福祉士及び介護福祉士法が改正されたことで新資格「准介護福祉士」が新設されたのはご存じですか?
この記事では准介護福祉士の定義や登録方法、准介護福祉士になる方法について詳しく解説します。

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社会福祉士及び介護福祉士法の2022年法改正のポイント

2022年4月に改正された社会福祉士及び介護福祉士法では、新たに「准介護福祉士」に関する規定が新設されました。
「准介護福祉士」は聞きなれない方も多いでしょう。社会福祉士、介護福祉士に関する法律に導入された新しい資格です。准介護福祉士の定義や登録方法、名称の使用制限などが改正によって制度に追加されました。

准介護福祉士とは?

准介護福祉士は、どのような資格なのでしょうか?
ここで、准介護福祉士の定義や登録方法、仕事内容について解説します。

准介護福祉士の定義

准介護福祉士とは2年制以上の介護福祉士養成施設を卒業し、介護福祉士国家試験を受けなかった人・国家試験に落ちた人が当分の間、名乗れる資格です。
ここでポイントなのが国家試験に落ちた人全員が名乗れるわけではなく、あくまでも介護福祉士養成施設を卒業した人に限り、准介護福祉士を名乗れる点です。

これは介護福祉士国家試験の義務化前の制度を考慮したものと考えられます。2016年の制度改正前、介護福祉士になるには次の3つのルートがありました。

①養成施設(2年以上)(1,650時間程度)→資格取得
②福祉系高校(1,190時間程度)→国家試験→資格取得
③実務経験3年以上→国家試験→資格取得

①養成施設ルートの場合、制度改正前は施設を卒業するだけで「介護福祉士」の資格を取得できていました。しかし、介護福祉士のレベルを一定水準以上にするため、2016年の改正によりすべてのルートで国家試験が義務付けられるようになったのです。

②福祉系高校と③実務経験ルートは元々、国家試験あっての資格取得だったため、「准介護福祉士」からは除外されています。

准介護福祉士の登録方法

准介護福祉士を名乗るためには准介護福祉士登録簿に指名や生年月日を登録する必要があります。
准介護福祉士は、介護福祉士や社会福祉士と同様、厚生労働省の管轄となっています。
登録されて、「准介護福祉士登録証」を受け取ることで准介護福祉士の資格を取得できます。
なお、准介護福祉士がのちに介護福祉士になった場合には、准介護福祉士の登録は効力がなくなります。

准介護福祉士の仕事内容

介護の仕事は主に次の4つに分けられます。

●身体介護
食事、排泄、入浴、移乗などの日常生活のおける動作の介助を行います。

●生活援助
食事の準備や掃除、買い物などをサポートします。在宅介護のときに必要とする方が多いです。

●社会活動支援
地域や社会から孤立しないように交流の機会を作ったり、対人関係が良好に保たれるように援助します。

●相談支援
利用者やその家族からの相談に乗り、適切なサービスへ誘導したり、介護や生活の助言をします。

高齢者社会が進むなかで、問題は複雑化しています。個別のニーズに合わせた対応が求められるため、介護の仕事は日々幅広くなっています。
准介護福祉士は介護福祉士と同等の知識や技術を有しています。介護福祉士の助言を受けながら、専門性を活かした活躍が期待されるでしょう。

介護福祉士と何が違うのか

准介護福祉士は、介護福祉士の一つ下の立ち位置となる資格のようです。
准介護福祉士は社会福祉士及び介護福祉士法において次のように定められています。

“介護福祉士の技術的援助及び助言を受けて、専門的知識及び技術をもつて、介護等(喀痰吸引等を除く。)を業とする者”

※参考: e-Gov法令検索「社会福祉士及び介護福祉士法|附則第二条

つまり、准介護福祉士は介護福祉士からのマネジメントやアドバイスを受けながら、介護業務に従事します。

准介護福祉士の導入背景

准介護福祉士が導入された背景には、外国人介護士の受け入れが関係します。
2006年、EPA(経済連携協定)によってフィリピン人介護士の受け入れが始まりました。EPAへ署名する時点では、養成施設を卒業すれば介護福祉士の資格が取得できました。しかし、受け入れる時期には介護福祉士国家試験が義務化されることに。

一定の期間内に介護福祉士免許を取得できなければ、フィリピンに戻らないといけないというEPAの決まり。養成施設さえ卒業すればよかったのが、国家試験も必要となると一気にハードルが上がり、反発が予想できます。

そのため、国家試験に落ちてもフィリピン人介護士が帰国しなくていいように整合性を取る必要がありました。その結果、EPAの整合性を保つために一時的に導入されたのが、准介護福祉士です。

国としては、フィリピンとの協議を進めて、准介護福祉士と介護福祉士の統合化を図っています。そのため、准介護福祉士という資格はすでに廃止が検討されているため、ご注意ください。

准介護福祉士が介護福祉士の資格を得る方法は?

准介護福祉士は、介護福祉士国家試験に受かれば晴れて、介護福祉士になれます。
准介護福祉士はEPAとの整合性をとるために暫定的に導入された新資格です。一度、国家試験に落ちたけど准介護福祉士を名乗れるなら…と悠長にしてもいられません。

准介護福祉士は、いずれ介護福祉士に統合される予定です。そうなったときに准介護福祉士の取り扱いがどうなるか分かりません。早めに国家試験に受かって介護福祉士になることをおすすめします。

養成施設卒業年度別!准介護福祉士と介護福祉士

養成施設5年間の経過措置に加えて、准介護福祉士の導入。養成施設を卒業したら介護福祉士なのか准介護福祉士なのかよく分からないと混乱する方も少なくないでしょう。
ここでは養成施設卒業年度別に介護福祉士と准介護福祉士のどちらになるのか解説します。

平成28年度までに養成施設を卒業

以前の制度が適用されて国家試験がないため、卒業したら介護福祉士資格を取得できます。

平成29~令和8年度までに養成施設を卒業

養成施設を卒業したケースは、国家試験の義務化後の5年間の経過措置対象です。
国家試験に合格したら介護福祉士になれます。

国家試験に落ちたとしても、5年間に限って介護福祉士を名乗れます。その後、5年間の実務経験継続か、筆記試験に合格することで介護福祉士の資格をそのまま名乗れます。条件を両方とも満たせない場合は准介護福祉士となります。

令和9年度以降に養成施設を卒業

経過措置対象外となります。そのため、介護福祉士になるには国家試験に合格することが必要です。もし不合格なら准介護福祉士になります。

ただし、准介護福祉士は国家試験に合格できれば、いつでも介護福祉士になるチャンスがあります。

まとめ

新資格である准介護福祉士について解説してきましたが、いかがでしたか?

この記事のポイントは3つです。
・介護福祉士国家試験に落ちると准介護福祉士になる
・養成施設卒業以外のルートでは准介護福祉士にはなれない
・准介護福祉士は廃止の可能性がある

准介護福祉士は養成施設を卒業すればなれます。しかし、いずれ廃止される予定の資格でもあります。介護の仕事でキャリアアップを考えるのなら、国家試験をクリアして介護福祉士を目指すことをおすすめします。

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