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ソーシャルインクルージョンとは?地域包括ケアの役割やメリットなども解説

ソーシャルインクルージョンは、介護福祉士試験にも出てくる言葉ですが、難しく、イマイチその意味が理解できないという方も多いと思います。そこで、この記事ではソーシャルインクルージョンの特徴や福祉との関係、事例などを紹介していきます。また、ソーシャルインクルージョンを福祉に取り入れた「地域包括ケア」についてのメリットや役割なども解説していきますので、是非参考にし、ソーシャルインクルージョンへの理解を深めていってください。

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インクルージョンとは

インクルージョンとは、直訳すると「包括」という意味を持ちます。つまり人を包み込むという意味であるともいえます。ここからは、インクルージョンを更にわかりやすく表現している「ソーシャルインクルージョン」の意味や福祉との関係などを解説していきます。

ソーシャルインクルージョンとは

ソーシャルインクルージョンとは、大きく表現すれば地球上の人間全員を社会全体で包み込むという意味を持ちます。つまり、社会で全員の人を大切にしようということです。社会にはさまざまな人がいますが、全員が健康で暮らしやすい生活が送れているわけではありません。いわゆる社会的な弱者であると言われている障害者や高齢者も、住みやすい社会となるよう環境を整えていこうという意味も含みます。

対象者は?

ソーシャルインクルージョンの対象者は、全ての人です。それは住む国や年齢、男女関係なく全ての人という意味です。特に高齢者や障害を持つ方など、社会で弱い立場にある方にスポットが当てられた考え方であるともいえます。

ソーシャルインクルージョンと福祉の関係

ソーシャルインクルージョンは、福祉においても大切な考え方です。福祉は、高齢者や障害者などの生活をサポートする役割があり、その基本の考えとなるのがソーシャルインクルージョンだからです。福祉に関わる仕事をする上で、ソーシャルインクルージョンの視点を持っているのは、大切なことであるといえます。

ソーシャルインクルージョンは企業でも取り入れられている

ソーシャルインクルージョンは、幅広く世界で取り入れられている考え方です。最近では、企業でもソーシャルインクルージョンを取り入れている傾向にあります。それが障害者雇用などにも繋がっているのです。

ソーシャルインクルージョンの取り組みにより改善された例

ソーシャルインクルージョンの考え方により、社会的に改善された事例もあります。

・高齢者が社会参加しやすくなった
・障害者の職業が安定した

以下では、2つの事例を更に詳しく解説していきます。

高齢者が社会参加しやすくなった

高齢者が社会参加しやすくなった事例としては、退職年齢の引き上げが挙げられます。退職年齢は企業が決めることですが、それを引き上げることで、高齢者がより社会参加しやすくなりました。また、退職後もシニア採用枠として、パートタイマーで働くことができるなど、ひと昔前より高齢者が社会で働きやすくなっている傾向があります。

障害者の職業が安定した

企業での障害者雇用が安定化したのもソーシャルインクルージョンの考え方が広まった影響であるといえます。障害者の職が安定することで、自立した生活を送ることに繋がります。誰もが当たり前に安心できる社会こそが、ソーシャルインクルージョンの根底なのです。

インクルージョンを取り入れた地域包括ケアシステムとは

インクルージョンを地域に取り入れた例として地域包括ケアシステムというものがあります。地域全体で地域住民全員が住みやすくなるようサポートしていく考えに基づいて作られたシステムです。ここからは、地域包括ケアシステムを支える地域包括センターについてのことを詳しく解説していきます。

地域包括ケアシステムを支える地域包括支援センターとは

地域包括支援センターとは、地域の人々がより暮らしやすいように高齢者サポート体制を整えた施設のことです。運営は自治体が行っており、地域の人が困らないように介護予防や介護相談などの対応を行い、生活をサポートしています。対象者は高齢者とその家族であることがほとんどです。多方面から高齢者の生活の支援を行っています。

地域包括支援センターの役割

地域包括支援センターの役割は主に以下のような内容になります。

地域包括支援センターは、市町村が設置主体となり、保健師・社会福祉士・主任介護支援専門員等を配置して、3職種のチー ムアプローチにより、住民の健康の保持及び生活の安定のために必要な援助を行うことにより、その保健医療の向上及び福祉 の増進を包括的に支援することを目的とする施設である。(介護保険法第115条の46第1項) 主な業務は、介護予防支援及び包括的支援事業(①介護予防ケアマネジメント業務、②総合相談支援業務、③権利擁護業務、 ④包括的・継続的ケアマネジメント支援業務)で、制度横断的な連携ネットワークを構築して実施する。

※参考: 厚生労働省「地域包括支援センターの概要

上記は厚生労働省HPに記載されている文章ですが、業務内容をわかりやすく表すと、

・権利擁護業務(成年後見制度の活用促進・高齢者虐待への対応)
・総合相談支援業務(住民の各種相談に幅広く対応)
・介護予防ケアマネ―ジメント業務(二次予防事業対象者の介護予防ケアプランの作成など)
・介護予防支援(要支援者のケアプラン作成)
・包括的・継続的ケアマネ―ジメント業務(地域ケア会議などの開催)

となります。地域住民が暮らしやすい地域環境を整えるために、介護予防に関する業務や介護相談対応などを行っています。

地域包括ケアのメリット

地域包括ケアのメリットは大きくわけて以下の3つです。

・高齢者などが住み慣れた地域で暮らしやすい環境を確保できる
・要介護者・介護者が抱え込むことなく他者に相談できる
・介護予防ができる

ここからは、3つのメリットについて更に詳しく解説していきます。

高齢者などが住み慣れた地域で暮らしやすい環境を確保できる

地域包括ケアを実現することで、高齢者が住み慣れた地域で暮らし続けることができます。地域包括支援センターでは、相談対応や介護予防を始めとしたサービスを提供すると供に、成年後見人制度の活用促進など、身寄りがなく困っている高齢者に対しての支援も積極的に行っています。いつでも頼ることができる機関があることで、安心して住み続けられる環境となっているのです。

要介護者・介護者が抱え込むことなく他者に相談できる

地域包括支援センターでは、介護相談対応も行っています。地域包括ケアの実現により、各地域に相談できる機関が設置され、要介護者や介護者が日常生活上での困りごとを抱え込むことなく吐き出せるきっかけができました。それにより、要介護者や介護者が困りごとを一人で抱え込むことなく、安心して生活できるのです。

介護予防ができる

地域包括支援センターでは、要支援者だけでなく、二次予防事業対象者のケアプラン作成も行っています。介護予防のケアプランに沿って介護予防サービスを受けることで、要介護状態になることを防ぐことができます。その結果、高齢者の自立度が維持・向上し、介護者の心身の負担を減らすことにも繋がるのです。

まとめ

地域にインクルージョンを取り入れた形が地域包括ケアであり、それを実現しているのが地域包括支援センターです。地域包括支援センターの機能により、要介護認定がされていない要支援者やそれ以外の人も、地域のサポートを受けることができます。暮らしやすい地域を実現するためには、みんなで支え合うことが大切です。地域や福祉においてインクルージョンが重視されている理由を理解し、介護・福祉現場でも是非その視点を持って高齢者の生活をサポートしていってください。

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