介護のスキルアップ

摂食嚥下リハビリテーション栄養専門管理栄養士の仕事内容・資格取得方法を紹介

摂食嚥下リハビリテーション栄養専門管理栄養士という資格をご存知でしょうか。食事の際にむせたり、うまく飲み込めなかったりといった「摂食嚥下障害」を抱える方の食生活を支えます。本記事では、摂食嚥下リハビリテーション栄養専門管理栄養士の仕事内容や資格取得方法についてご紹介します。

求人を紹介してもらう

摂食嚥下リハビリテーション栄養専門管理栄養士とは?

摂食嚥下リハビリテーション栄養専門管理栄養士とは、2016年に「公益社団法人 日本栄養士会」が創設した民間資格です。「摂食嚥下リハビリテーション栄養専門管理栄養士」の資格定義は、以下の通りです。

「摂食嚥下リハビリテーションの基本的知識と栄養管理に関する技能を修得し、医療機関や介護(福祉)施設とともに在宅においても、摂食嚥下障害を持つ患者や家族に対し栄養管理と専門的な食・栄養支援を行うことでQOL向上に貢献できる管理栄養士」

※参考: 公益社団法人日本栄養士会「第2回摂食嚥下リハビリテーション栄養専門管理栄養士<専門研修及び認定試験>

摂食嚥下リハビリテーション栄養専門管理栄養士は、「公益社団法人 日本栄養士会」と「一般社団法人 日本摂食嚥下リハビリテーション学会」が資格の認定を行っています。2016年に創設された比較的新しい資格のため、まだまだ認知度が低いことが現状です。しかし、摂食嚥下障害を持つ方の栄養管理や食事サポートに関する専門知識が学べるのは、この資格のみです。高齢化が進む日本では、食べ物や飲み物、唾液が気管もしくは肺に入ってしまうことで生じる「誤嚥」や「誤嚥性肺炎」が問題視されています。摂食嚥下リハビリテーション栄養専門管理栄養士は、高齢や病気、障がいにより摂食(噛むこと)や嚥下(飲み込むこと)がうまくできない方の、安全な食生活を支えます。

摂食嚥下リハビリテーション栄養専門管理栄養士の仕事内容

摂食嚥下リハビリテーション栄養専門管理栄養士は、具体的にどのような仕事内容を担うのでしょうか。また、どのような分野の職場で活躍するのでしょうか。ここからは、摂食嚥下リハビリテーション栄養専門管理栄養士の仕事内容と、活躍できる職場をご紹介します。

仕事内容

摂食嚥下リハビリテーション栄養専門管理栄養士の仕事内容は、病院や高齢者介護施設の管理栄養士の仕事内容とほぼ同じです。しかし、ターミナルケア・看取りケアに対応している病院や介護施設では、摂食(噛むこと)・嚥下(飲み込むこと)に障がいを持つ患者様が多くいます。摂食嚥下リハビリテーション栄養専門管理栄養士は、摂食や嚥下に障がいを持つ方が「食べること」を楽しむためのサポートを行います。また、病院や短期入所生活介護(ショートステイ)では、患者様が自宅に戻った後も最適な食事が摂れるよう、ご家族の方への指導やアドバイスを行うことも重要な役割です。

活躍できる職場

摂食嚥下リハビリテーション栄養専門管理栄養士が活躍できる職場は、以下の5つです。

・病院
・診療所/在宅医療クリニック
・歯科医院
・高齢者介護施設(特養や老健、有料老人ホームなど)
・地域栄養ケア団体

高齢化が進む日本では、さらに摂食嚥下リハビリテーション栄養専門管理栄養士の需要が高まる見込みです。活躍の場が増えるとともに、給与水準が上がることも予測されています。

摂食嚥下リハビリテーション栄養専門管理栄養士の受験要件

摂食嚥下リハビリテーション栄養専門管理栄養士の資格を取得するには、以下の4つの受験資格をすべて満たしたうえで、認定試験を受験する必要があります。

①管理栄養士の有資格者で、管理栄養士としての優れた人格と見識を備えていること
②「日本栄養士会」および「日本摂食嚥下リハビリテーション学会」の会員であること
③「日本摂食嚥下リハビリテーション学会認定士」の有資格者であること
④以下の要件をすべて満たしていること
 ・管理栄養士の資格を取得してから、5年以上の実務を経験していること
 (うち、摂食嚥下リハビリテーション患者に関わる栄養管理に通算3年以上従事)
 ・摂食嚥下リハビリテーション栄養専門管理栄養士専門研修を修了していること
 ・「摂食嚥下機能に関する実績5症例」および「実務経験歴」を提出していること
 ・「摂食嚥下リハビリテーション分野の学術集会・地方会」または「関連する研究会」に おいて、摂食嚥下に関する「筆頭発表」もしくは「筆頭論文」を過去3年間のうち
 1篇以上作成し、公表すること

摂食嚥下リハビリテーション栄養専門管理栄養士の受験資格について、詳しく知りたい方は、日本栄養士会の公式サイト内にある「【お知らせ】「摂食嚥下リハビリテーション栄養専門管理栄養士」の育成が始まります」をご覧ください。

摂食嚥下リハビリテーション栄養専門管理栄養士の資格取得方法

摂食嚥下リハビリテーション栄養専門管理栄養士の資格は、どのような流れで取得することができるのでしょうか。ここからは、摂食嚥下リハビリテーション栄養専門管理栄養士の資格取得方法をご紹介します。

「日本摂食嚥下リハビリテーション学会認定士」の資格を取得する

「日本摂食嚥下リハビリテーション学会認定士」とは、摂食嚥下リハビリテーション栄養専門管理栄養士の認定試験受験に必要な資格です。「日本摂食嚥下リハビリテーション学会認定士」を取得するには、以下の3つの条件を満たす必要があります。

①「日本摂食嚥下リハビリテーション学会」の会員歴が2年上であること
②摂食嚥下に関する臨床また研究歴が通算3年以上であること
③日本摂食嚥下リハビリテーション学会のeラーニングを全過程修了していること

これらの受験資格を満たしている方は、「日本摂食嚥下リハビリテーション学会」が実施している「日本摂食嚥下リハビリテーション学会認定士」の認定試験を受験します。
試験方式はマークシート方式の多肢選択試験で、事前に修了したeラーニングの
内容から出題されます。
なお、日本摂食嚥下リハビリテーション学会認定士の資格は、5年ごとの更新が必要です。
資格更新の際は、さらに以下の2つの要件を満たす必要があります。

①「日本摂食嚥下リハビリテーション学会」の会員であること
②「資格取得日」もしくは「更新日」から5年間、学会が定める活動を単位変換し、
 所定の単位(2011年受験の資格更新者は200単位)以上を取得していること

「専門研修」を受講する

摂食嚥下リハビリテーション栄養専門管理栄養士の認定試験を受験するには、「専門研修」を受講することが必須条件です。専門研修は、毎年7月〜8月頃の2日間にわたって開講され、受講定員や会場、受講プログラムは開講される年度ごとに変動します。受講料は2日間で30,000円です。受講申し込みは、「日本栄養士会ホームページ」にて受け付けています。

「認定試験」を受験する

専門研修修了後、「摂食嚥下リハビリテーション栄養専門管理栄養士」の認定試験が受験できます。認定試験は年1回、毎年12月頃に実施されています。受験会場は年度ごとに変動するため、受験する年度の最新情報をご確認ください。受験料は15,000円です。認定試験の申し込みに関しては、専門研修修了時にアナウンスされるため、聞き逃さないようにしましょう。

摂食嚥下リハビリテーション栄養専門管理栄養士の資格を取得するメリット

「摂食嚥下リハビリテーション栄養専門管理栄養士」の資格は、厚生労働省が日本栄養士会に委託している「管理栄養士の専門分野別育成事業」の一つです。この資格を取得することで、資格保持者と日本全体の双方に、以下のようなメリットがあります。

・高齢による口腔機能の衰えが原因で起こる「誤嚥性肺炎」の正しい予防方法が学べる
・摂食嚥下障がいがある方に適した栄養管理や食事メニューの提案ができる
・誤嚥や誤嚥性肺炎を予防し、高齢者の健康寿命を延ばすことができる

口から食べられる喜びを提供する専門職として

病院や介護施設では、食事中に激しくむせ込んだり、誤嚥性肺炎を頻繁に引き起こしたりと、「食べること」に苦痛や困難を抱えている方が多くいます。摂食嚥下リハビリテーション栄養専門管理栄養士は、食べることに苦痛や困難を抱えている患者様のサポートを行い、食事を「楽しいこと」に変えていく職種です。

ミラクス介護とは?

ミラクス介護の特徴

  • 介護業界では最大級の求人数を保有しています。
  • 介護の専門知識を有するコンサルタントがサポート。

「ミラクス介護」に登録するメリット

  • 求人情報には載っていない、評判や施設情報を提供します。
  • 無料で履歴書・職務経歴書を添削します。
  • 無料で面接対策をサポートします。
  • 登録した方限定で、ご案内可能な求人があります。

上記の特徴のようにあなたの転職を全力でサポートさせていただきます!

伺った希望条件からピッタリの求人をピックアップすることやお給料・勤務時間などの待遇面の交渉などをあなたに代わって、弊社のコンサルタントが行います。きっとあなたが希望するお仕事を見つけることができます。

ご相談をお待ちしております!

ミラクス介護 無料登録