介護福祉士等修学資金貸付制度とは、介護福祉士や社会福祉士を目指して学校や養成施設に通う方を対象に無利子で修学にかかる費用を貸し付ける制度です。
「介護福祉士を目指したいけれど、学費が心配…」と不安がある方は、ぜひ制度を利用して夢を追いかけてみてはいかがですか?
この記事では、介護福祉士等修学資金貸付制度を受ける条件や申込方法、よくある質問について詳しく解説します。
介護福祉士等修学資金貸付制度とは?
介護福祉士等修学資金貸付制度の概要や実施主体は以下のとおりです。
制度の概要
介護福祉士等修学資金貸付制度とは介護福祉士の資格取得のために学校や養成施設に通う方の修学資金の一部を無利子で貸し付ける制度です。また、卒業後に介護福祉士としての業務に指定された年数勤めていれば、全額返済免除になるため、介護福祉士を目指す方にとってメリットの大きい制度といえるでしょう。
※介護福祉士だけでなく、社会福祉士養成施設に通う方も対象としています。
実施主体
制度自体は国の厚生労働省の管轄のものですが、実際の貸付業務の実施は各都道府県の社会福祉協議会で管理されています。
そのため、問い合わせや申込等は学校や養成所の所在する都道府県の社会福祉協議会宛てに行う必要があります。(申込は学校経由で行うことになっています。)
介護福祉士等修学資金貸付制度の内容
ここでは、介護福祉士等修学資金貸付制度の特徴や種類、対象者などについて詳しく解説します。
貸付金の特徴
他の貸付制度や奨学金との大きな違いとしては、次の2つがあります。
〈特徴〉
・無利子で借りられる
・卒業後に指定の自治体で介護福祉士として数年間働けば、返済が全て免除される
貸付金の金額
次の費用が貸付の対象となります。
〈貸付金の内容〉
・学費:月5万円以内
・入学準備金:20万円以内(任意)
・就職準備金:20万円以内(任意)
・受験対策費用:4万円以内/年度(任意〉
・(生活費加算):生活保護世帯もしくはそれに準ずる世帯と認められる場合
※貸付金は入学前に振り込まれないため、入学前に必要な入学金などはあらかじめ別途の用意が必要です。
貸付の期間
貸付期間は、学校や養成施設に在学中の期間とされています。
利子の有無
介護福祉士等修学資金貸付制度では無利子で修学資金の借入が可能です。
対象となる方
制度の対象者は介護福祉士になるための養成施設、学校に在学している方です。詳しい対象者の条件は各都道府県によって若干異なる部分がありますが、基本的には次の5つの条件を設けているところが多いです。
〈対象者の条件〉
①申込先の都道府県に住民登録しているor申込先の都道府県にある養成施設に通っている
※どちらも満たさないと受けられない都道府県もあります。
②卒業後に申込先の都道府県において、介護福祉士として継続して5年以上、業務に勤める意思がある
③学業優秀者、もしくは卒業後に施設・事業所において中核的な介護業務に勤める意思があり、資格取得に向けた向学心がある
④経済的な援助が必要
⑤他県が実施する同種の貸付制度を利用していない
返還免除の条件
次の条件を満たすことで貸付金の全額免除が受けられます。
①卒業後1年以内に介護福祉士国家試験に合格し、介護福祉士として資格登録される
②卒業後1年以内に申込先の都道府県内にある指定の施設・事業所に就職する
③介護福祉士としての業務を5年間継続して従事する
次のような場合には、貸付期間の2倍相当の期間内に貸付金の返還が義務づけられます。
・養成施設を退学した場合
・卒業後1年以内に介護福祉士の登録が完了せず、指定の施設に就職しなかった場合
返還免除の流れ
返還免除は次のような流れで申請します。
国家試験の合格・資格登録
↓
指定の施設に就職
※必ず返還猶予申請を行いましょう。
↓
5年間業務に従事して、返還免除の条件に当てはまるようなら返還免除申請を行います。
返還の免除申請は所定期間の従事が完了して、はじめて行えます。そのために、就職した時点で返還猶予申請を忘れずに行うことが必要です。
その他の貸付金
介護福祉士に関わる貸付金は、他に2つの種類があります。
●福祉系高校修学資金貸付事業
【対象】
福祉系高校に在学している、もしくは入学予定の方
【金額】
・修学準備金3万円以内
・実習費3万円以内/年度
・就職準備金20万円以内
・受験対策費用4万円以内/1年度
【返済全額免除の条件】
介護福祉士として3年間従事すること
●介護福祉士実務者研修受講資金貸付事業
【対象】
実務者研修施設に在学中の方
【金額】
20万円以内
【返済全額免除の条件】
介護福祉士として2年間従事すること
介護福祉士等修学資金貸付制度の申込方法
貸付制度に申し込む方法について紹介します。
養成施設経由で申し込む
在学中もしくは入学予定の養成施設を経由して、社会福祉協議会の福祉人材センターへ申込をします。提出書類も養成施設から受け取るようにしましょう。また、申込にあたっては養成施設からの推薦が必要です。
制度を利用できるのは、厚生労働大臣の指定する養成施設に限られるため、あらかじめ確認しておきましょう。
※生活保護受給世帯の高校生のみ、入学前に申込が可能です。
申込受付時期
申込は年に3回の機会があります。
申込締切時期 | 送金(初回) |
2月 | 4月 |
4月 | 7月 |
10月 | 12月 |
提出書類
提出に必要な書類は以下のとおりです。
〈申込者の書類〉
・介護福祉士等修学資金必要書類確認表
・介護福祉士等修学資金申込書
・前年の所得税額を示す書類
(源泉徴収票の原本or確定申告書第1表・第2表の写し)
・住民票
※他に奨学金等を受けている場合
・奨学生証(他の借入状況が分かるもの)
・介護福祉士等修学資金 修学費用状況証明書
※中高年の離職者の場合
・離職証明書(雇用保険による証明書or退職した会社による証明)
※生活費加算の申請者の場合
・生活保護受給者証or 課税非課税証明書or国民年金保険料免除決定通知
・所定の課題に対する小論文
※生計をともにする家族がいる場合、その家族に関する以下の書類が必要
・前年の所得税額を示す書類
(源泉徴収票の原本or確定申告書第1表・第2表の写し)
・住民票
※親権者の以下の書類が必要
・前年の所得税額を示す書類
(源泉徴収票の原本or確定申告書第1表・第2表の写し)
・住民票
介護福祉士等修学資金貸付制度についてよくある質問
ここでは、制度についてよくある質問をまとめました。
①他の奨学金と併用することは可能か?
併用可能なものとそうでないものがあります。
〈併用可能〉※貸付金の総額が修学費用を上回らない範囲での貸付が可能。
・日本学生支援機構による奨学金制度
・教育
ローン
・学校や施設の授業料減免制度
〈併用不可〉
国費による他の貸付制度
(例:生活福祉資金、母子及び父子福祉資金など)
②県外から該当の県の養成施設に通う場合も制度は利用できるか?
都道府県によります。住民票が該当の都道府県にあることを条件としているところがあるので、あらかじめ確認しましょう。
東京などは可能となっていますが、返還免除を受けるには該当の都道府県内の指定の施設に勤める必要があります。
③国家資格に合格できなかったらどうなるか?
令和3年度の試験以降の不合格者、未受験者に対して原則1年間の猶予期間が与えられます。
①災害、疾病、負傷、その他やむを得ない理由で不合格もしくは未受験だった場合
翌年に再受験する意思があれば、原則1年以内の猶予期間が与えられる。
②上記以外の理由で不合格もしくは未受験だった場合
翌年に再受験する意思があり、返済免除業務に従事していれば原則1年以内の猶予期間が与えられる。
※国家試験に合格し、介護福祉士として登録されなければ、返還免除の対象にはならないので注意しましょう。]
まとめ
介護福祉士等修学資金貸付制度とは、介護福祉士の資格取得のために学校や養成施設に通う方の修学資金の一部を無利子で貸し付ける制度です。卒業後5年間、指定の施設で介護福祉士としての業務に従事していれば、全額返済免除になります。
介護福祉士を目指す方で学費に不安があるという方はぜひ、参考にしてみてくださいね。
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