主任介護支援専門員をご存じですか?最近は「主任ケアマネ」や「主マネ」などと略され、認知度も高まっているので、聞きなじみがあるのではないでしょうか。主任介護支援専門員は、介護分野における地域作りのリーダー的存在です。
今回の記事は「主任ケアマネ」について、3つのポイントに絞ってわかりやすく解説いたします。この記事を読むと、主任ケアマネのあらましを理解できます。さらに、主任ケアマネの仕事の醍醐味もわかります!この記事を読んで下さるあなたにとって主任ケアマネが、より身近な存在となれば幸いです。
主任介護支援専門員(主任ケアマネージャー)とは
まずは主任介護支援専門員(主任ケアマネージャー)の仕事についてご紹介いたします。
主任介護支援専門員(主任ケアマネージャー)とは
主任介護支援専門員(主任ケアマネージャー)は、ケアマネージャー(介護支援専門員)として一定期間従事し、研修を受けることで取得できる上級者資格です。介護保険法が改正された2006年に誕生した比較的新しい資格です。
主任介護支援専門員(主任ケアマネージャー)の役割
主任ケアマネは、他のケアマネに適切な指導・助言、さらに事業所における人材育成及び業務管理を行うことができます。また地域包括ケアシステムを構築していくための、必要な情報収集や発信も行います。さらに、地域に必要な社会資源の開発やネットワークの構築など、広い視野で利用者様やケアマネをとりまく環境を調整していく役割も求められています。いわばケアマネのエキスパート的な資格です。
「ケアマネ」との違いとは?
主任ケアマネとケアマネとの違いを端的に表現するならば、主任ケアマネはケアマネのスーパーバイザーであると言えます。介護相談のプロであるケアマネジャーの仕事ですが、時には困難な事例や職種をまたいで対応しなければならない事例も出てきます。そうした時の受け皿として、構えてくれているのが主任ケアマネの存在です。具体的に携わる業務の違いを以下に載せています。
【ケアマネの主な業務】
利用者様の暮らしと意向に沿ったケアマネジメント
地域の社会資源を把握し、様々な機関と協働する
地域ケア会議などで地域課題を共有する
【主任ケアマネの業務】
主任ケアマネが活躍する場はざっくり分けると、地域包括支援センターや居宅介護支援事業所に分かれます。以下にそれぞれの事業所の特徴的な業務のポイントを上げています。
地域包括支援センターにおいては、
包括的・継続的ケアマネジメントの実践のための環境整備
居宅介護支援事業所へのケアマネジメントや運営指導
居宅介護支援事業所においては、
地域における社会資源の連携を可能にするための基盤作り
支援困難事例への助言や対応
このように、利用者様を取り巻く医療・看護・介護・リハビリテーション・保健・福祉など、様々な社会資源の橋渡し役が、ケアマネの仕事で、その「上位職」にあたるのが主任ケアマネである、と考えて頂くとわかりやすいかもしれません。
求められる能力とは
他のケアマネージャーのリーダー的存在として、フォローやサポートが十分に行える高度な知識や技術を習得している必要があります。
またケアプラン作成に伴って、利用者・その家族と対面したり、他の地域や医療機関と交流したり、介護スキルや専門知識だけでなくコミュニケーションスキルやマネジメント能力、問題解決能力が必要とされます。
主任介護支援専門員(主任ケアマネージャー)の活躍の場
居宅介護支援事業所、包括支援センター、特別養護老人ホームなどの介護老人福祉施設、介護老人保健施設、介護療養医療施設などで活躍できます。
地域包括支援センターや特定事業加算を取得する事業所では主任介護支援専門員(主任ケアマネージャー)の配置が義務付けられています。
このことから、主任介護支援専門員(主任ケアマネージャー)は一般的な介護支援専門員に比べ、幅広い活躍の場所を選択することができます。
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主任介護支援専門員(主任ケアマネージャー)資格を取得するには
主任介護支援専門員(主任ケアマネージャー)になるにはどうすればよいのでしょうか。
こちらでは介護支援専門員から主任介護支援専門員(主任ケアマネージャー)になるための方法をご紹介いたします。
主任介護支援専門員(主任ケアマネージャー)の資格取得方法
主任介護支援専門員(主任ケアマネージャー)になるための特別な試験や面接はありません。
介護支援専門員として一定の実務経験があり、各都道府県で実施される主任介護支援専門員研修を修了すれば資格が取得できます。
研修の受講資格や難易度について
主任介護支援専門員研修の受講要件は厚生労働省の「主任介護支援専門員研修ガイドライン」で以下のとおりに定められています。
①専任の介護支援専門員として従事した期間が通算で5年(60ヶ月)以上である者(ただし、管理者との兼務は期間として算定できるものとする)
②「ケアマネジメントリーダー活動支援事業の実施及び推進について」(平成14年4月24日老発第0424003号厚生労働省老健局長通知)に基づくケアマネジメントリーダー養成研修を修了または、日本ケアマネジメント学会等が認定するケアマネージャーであり、専任の介護支援専門員として働いた期間が通算して3年(36ヶ月)以上である者(ただし、管理者との兼務は期間として算定できるものとする)
③施行規則第140条の66第1号イ(3)に規定する主任介護支援専門員に準ずる者として、現に地域包括支援センターに配置されている者
④その他、介護支援専門員の業務に関し十分な知識と経験を有し、都道府県によって適当であると認められた者
※引用:厚生労働省「主任介護支援専門員研修ガイドライン」
これらに都道府県ごとの受講要件が加わります。受講を考えている方は事前に居住地か勤務地の都道府県のホームページを見て確認してください。
受講費用は都道府県ごとに異なります。
例として東京の主任介護支援専門員研修を挙げると、令和2年度の研修では募集人員が579人、受講料は52,600円となっています。
※新型コロナウイルスの影響により人員や日程は変更される可能性があります。詳しくは各自治体にお問合せ下さい。
資格は更新制
主任介護支援専門員(主任ケアマネージャー)の資格は取得日から5年ごとに更新が必要です。更新するには主任介護支援専門員更新研修を受けなければなりません。
東京の場合、令和2年度の更新研修は募集人員381人で、受講料は38,000円となっています。
※新型コロナウイルスの影響により人員や日程は変更される可能性があります。詳しくは各自治体にお問合せ下さい。
主任介護支援専門員(主任ケアマネージャー)の資格取得のメリット
主任介護支援専門員(主任ケアマネージャー)になることでどのようなメリットが得られるのか4点ご紹介いたします。
ケアマネージャーとして知識を深められる
主任介護支援専門員(主任ケアマネージャー)は他のケアマネージャーに指導を行うため、多くの知識や技術を習得している必要があります。また、介護の質を向上させるべく他のケアマネージャーの手本でなければなりません。
今以上に多くのことを学びたい場合は、主任介護支援専門員(主任ケアマネージャー)の資格を取ることがおすすめといえます。
資格を活かして活躍できる場が多い
介護ケアプランの質の向上を目指すべく居宅介護支援事業所の運営基準が厳しくなり、本来2020年度末までとされていた「主任介護支援専門員(主任ケアマネージャー)のみが管理者になれる」という決まりが、2026年度末まで延期されることになりました。
仮にそのまま施行された場合、2021年度以降に新設される居宅介護支援事業所の管理者は主任介護支援専門員(主任ケアマネージャー)の資格を保有していなければならないということになります。
しかし、多くの事業所の管理者は主任介護支援専門員(主任ケアマネージャー)資格を保有しておらず、急いで主任介護支援専門員(主任ケアマネージャー)になろうとしても年単位という時間が障壁になり思うように人員が確保できていない現状です。
これらのことから、主任介護支援専門員(主任ケアマネージャー)の資格保有者は今後活躍の場が広がり、また期待される存在であることが分かります。
就職先の選択肢が広がる
主任介護支援専門員(主任ケアマネージャー)の存在は居宅介護支援事業所や地域包括センター、特別養護老人ホームなど多くの現場で必要とされています。
主任介護支援専門員(主任ケアマネージャー)は数ある選択肢から自分に合った職場を見つけやすいといえます。働く場所の選択肢が多いことも、主任介護支援専門員(主任ケアマネージャー)のメリットです。
給料・年収アップに繋がる
主任介護支援専門員(主任ケアマネージャー)になると、介護支援専門員よりも給与が上がる傾向にあります。
職種 | 令和2年2月 |
介護職員 | 325,550円 |
看護職員 | 383,560円 |
生活相談員・支援相談員 | 355,150円 |
理学療法士、作業療法士、言語聴覚士又は機能訓練指導員 | 364,040円 |
介護支援専門員 | 362,510円 |
事務職員 | 312,470円 |
調理員 | 272,400円 |
管理栄養士・栄養士 | 322,010円 |
※参考:厚生労働省「令和2年度介護従事者処遇状況等調査結果の概要」
就労先によって扱いが異なるため必ずとは言いきれませんが、資格を取得することで資格手当や主任介護支援専門員(主任ケアマネージャー)としての基本給の設定が期待できます。
給与・年収アップを狙う場合は、主任介護支援専門員(主任ケアマネージャー)の資格を保有している方が有利であるといえます。
介護福祉士に有利な特定処遇改善加算
介護福祉士の手当とは別に、元々どの職員でももらえる【処遇改善加算】という賃上げの制度があります。簡単な言葉にすると、介護職員の給料アップを目的とし、介護職員が働きやすい環境を得て、離職していく職員を減らすための制度です。
さらに介護福祉士を取るとメリットのある制度の対象になります。
それが、【特定処遇改善加算】という制度です。
この対象条件は、勤続10年以上の介護福祉士とされています。この10年というのはきっちりと決められたものではなく、あくまで目安となっています。介護福祉士の資格を取得している経験豊富なベテラン職員を対象としているのです。また勤続10年と言っても、同じ場所で勤務しなければいけないという意味ではなく、就職先によっては過去の職場の勤務年数を足して対象となることもあります。
この特定処遇改善加算は、介護福祉士の資格を持っているほうが非常に有利に取得できるものなので、同じ10年の勤務なら取得しているほうが断然得をすると言えます。
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まとめ
介護現場には多くの人が働いているため、介護やケアマネジメントに関する知識だけでなく、上手く人をまとめるコミュニケーション能力も求められます。
人と接することが好きな方や、多くの現場で活躍したいという方は、主任介護支援専門員(主任ケアマネージャー)の資格を取得してみてはどうでしょうか。
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