介護現場で、ご利用者様の体調を調整する服薬介助。介護士の仕事の一つでもある服薬介助の必要性と重要性を知るためにおすすめしたい1記事です。
服薬介助とは
本記事のメインテーマである服薬介助ですが、日常の生活では聞きなれない言葉であると思います。実際筆者も介護の現場に行くまでは、「薬の介助って何?」と言うぐらいの内容でした。
健常な人なら、薬は定時の時間に自分で飲んで当たり前と言う人が多いと思います。けれど高齢であるご利用者様は違います。どのように違うのかも含めてお伝えします。
なぜ服薬介助が必要か
普通であれば服薬もしくは内服ですが、そこに「介助」というワードがつきます。つまり、介助しなければ飲めないし確実に飲まなければいけないということです。介護の現場で服薬介助が必要なご利用者様のパターンは、以下の3つに大きく分類できます。
服薬を拒否する人
このパターンの方は常に拒否する訳ではありませんが、気分の波で突然怒り出したりして飲まない人や、認知症の症状が進行していて薬を異物か何かと勘違いして飲まないパターンもあります。認知症の方は、種類にもよりますが一つの症状として被害妄想があります。そういう状況も相まって、服薬の拒否があるのです。
服薬を拒否するパターンは、ご利用者様にもよりますので一概にパターン化できるものではありませんが、薬は必要だから処方されています。なので必ず飲んでいただく必要があるのです。
服薬を忘れる人
このパターンのご利用者様は、施設系のご利用者様には少ないです。介護の業種で言うと、訪問介護の現場に多くいらっしゃいます。
例えば在宅の現場で独居で生活しているご利用者様に、服薬の見守りだけするサービスや、服薬をしたかどうかの確認だけするサービスなどがあります。訪問介護は、ご利用者様の数だけ利用パターンがあるため同じパターンではないサービスもありますが、先に挙げたものがよくあるサービスとして挙げられます。
服薬ができない人
このパターンのご利用者様は、介護施設もしくは訪問介護と環境に限らずいらっしゃいます。主に寝たきりのご利用者様に多いパターンです。日常生活動作(ADL)の低い人で、服薬に限らず全介助のご利用者様に多く見受けられます。
このように、服薬介助を必要としているご利用者様は多くおり、介護において服薬介助は重要な位置づけにあるのです。
服薬介助の時に注意したいこと
介護における服薬介助は、飲まないと命を落とす薬などもあるため注意点もあります。この章では、服薬における注意点を小分けにしてお伝えしていきます。
薬の配薬ミスに注意
最初にお伝えすると、介護士は薬の管理を行いません。基本的にそれらは医療行為となるため、例えば薬を薬ボックスや薬カレンダーに配薬したり、その後のご利用者様の薬の管理などは基本的に看護士が行います。介護士は医療の知識を専門的に学ぶ時もありますが、医療の方は看護士の方が専門領域ですので管理は看護士の仕事であると認知しておきましょう。
介護士の起こす配薬ミスとは何か。それは、朝飲んでもらう薬を夕食後に飲ませてしまうなどの配薬ミスです。
他にもあります。あってはならないことですが、Aさんの薬を間違えてBさんに提供してしまうと言う事故も考えられます。筆者の経験上人を間違えての服薬介助は未だありませんが、服薬セットの環境がしっかり行われていない環境だと起こりうる事故だと思います。そのため、介護職員も薬の配薬環境含めて服薬介助の時は注意深く行うことが必要です。
服薬の際の誤嚥(ごえん)に注意
難しい漢字ですが、誤嚥(ごえん)とは飲食物や唾液を飲み込んだときに気道(気管)に入ってしまうことを言います。健常者ですと、気道に遺物が入ると反射的にむせたり咳をして誤嚥したものを排出したりしますがそれらの機能などが弱まると気道に入り込むと言う状態が起きてしまいます。
そのため基本的に服薬を行う時は、なるべく体を起こした状態で行うようにすると良いです。もしご自分で起き上がるのが困難であれば、介護用ベッドならベッドを持ち上げて服薬を行う。横になった状態の場合でも頭を持ち上げて行うと良いですが、このような状況は筆者もあまり経験がないので、基本的には介護用ベッドなどの環境があると思います。誤嚥を起こさないようにする注意点としては、少し下を見ながら飲み込んでもらうようにするとより安全に服薬ができます。
最後は、しっかりと服薬できているかどうか口腔内を確認してください。夕食後の薬を飲んだ後に、夜間の巡視の時にベッドに落ちていたと言うこともありました。服薬をしてから口腔内で保持して吐き出すご利用者様もいますので、ここも注意点です。
服薬拒否のご利用者様への対処法
先ほどもお伝えしましたが、介護の現場では服薬を拒否する人もいます。その時の対処方法をこの章では説明していきたいと思います。
認知症のご利用者様の服薬拒否に対して
介護現場で働いていると、認知症の方の対応は多くあります。その中でも認知症の方の服薬介助は困難を極めます。
もちろん素直に飲んでくださるご利用者様もいらっしゃいますが、そうじゃない方もいらっしゃいます。なぜそんなことが起きるかというと、ご自身の記憶の中で病気や服薬が必要であると言う記憶が失われているからです。介護士としては仕方ない事だなと思いますが、それでも服薬は行わなければ体に支障をきたすものばかりなので、極力飲んでもらう必要があります。
ここから介護士はどのようにして飲んでもらうのかの知恵を記載していきます。
拒否のあるご利用者様と仲の良い職員が服薬介助する
これは認知症のご利用者様が、職員に対して不信感を抱いているから飲みたくないという状況の時に効果的です。
しかし職員もシフト制で常にいるわけではないので、極力職員が変わっても服薬してもらうのがベストです。
服薬する職員を変える
上の説明と少し違うのは、ご利用者様のスイッチを切り替えると言う点です。認知症の方は、嫌な時は固執して拒否する傾向にあります。
けれど、気分を変えるとさっきまでの拒否が嘘だったかのように介助を受ける方もいらっしゃいます。環境を変えると言うことは、ご利用者様のためにも必要なスキルです。
気分転換などして少し時間あけてから服薬を促す
例えば花や絵画を見たり、気分転換になりそうなことを少ししてから流れるように服薬をする方法です。今回は服薬に関しての対応方法ですが、介護現場で認知症の方の対応をするときずっと同じことを言い続けても拒否がある限り、実行することはほぼありません。
そのため、スイッチの切り替えのために別のことに意識を逸らしてから促すと言う方法をとる介護士が多いです。この技術は、最初の頃は難しいと思うので困った時には近くの先輩などにお願いをして助けてもらうのが良いと思います。
まとめ
服薬介助がなぜ重要なのかというと、ご利用者様の体調を整えるために服薬しているからです。血液をサラサラにする薬や、血圧を抑える薬、便秘気味の方のための下剤など、身体機能の衰えに対応して薬を処方しているので、ご利用者様によっては服薬しなければ命に関わる薬もあります。
そのため、介護の現場において服薬介助は重要なのです。医療の現場でも投与する薬の間違いで人の死亡事故があるくらいです。介護現場でも服薬忘れなどの事故はあります。より一層注意を払って、服薬介助を行うことをおすすめいたします。
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