介護の仕事内容

認知症グループホームで新設された栄養管理加算とは?

令和3年度介護報酬改定にて新しく算定できるようになった栄養管理加算。認知症グループホームの入居者の栄養改善を図るために新設された加算です。
この記事では、栄養管理加算の算定方法や内容について詳しく解説します。

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栄養管理加算とは?

栄養管理加算はグループホームの栄養改善のため、令和3年介護報酬改定によって新たに設けられた加算です。
ここでは加算の算定方法と単位数についてご紹介します。

令和3年度から新設された栄養管理加算

栄養管理加算は、認知症グループホームの入居者の栄養改善を目指す体制づくりを評価する加算です。施設のスタッフが管理栄養士から、入居者の栄養や食生活に関するアドバイスや指導を受けます。

●算定要件
管理栄養士が日常的な栄養ケアに係る介護職員への技術的な助言や指導を月に1回以上行う。

●単位数
月に1回30単位を算定できます。

栄養管理加算を算定するには管理栄養士を雇わないといけない?

栄養管理加算を算定するには、管理栄養士に助言や指導を受ける必要があります。さらに、管理栄養士は施設専属でなくとも、外部の管理栄養士でも算定が可能です。

栄養ケア・ステーションとは?

グループホームは小規模なところが多く、管理栄養士がいないところの方が大多数でしょう。
しかし、栄養管理加算は外部の管理栄養士による助言や指導を受けても算定できます。

次のような外部の管理栄養士に協力を要請するといいでしょう。

・他の介護事業所
・介護保険施設(常勤で1以上or栄養マネジメント加算の算定要件以上に管理栄養士が在籍している施設のみ可能)
・医療機関
・栄養ケア・ステーション

外部の管理栄養士でも算定できる!

日本栄養士会や都道府県栄養士会が運営する地域密着型のサービス拠点です。管理栄養士や栄養士が所属しており、食生活や栄養指導に関わるさまざまなサービスに対応しています。

●栄養ケア・ステーションが提供するサービス例
・健診後の食事指導
・食生活に関する相談
・栄養学に基づくレシピの考案
・訪問型食生活指導
・セミナー講師の紹介

自治体や病院などの多くの機関から依頼を受け付けていますので、グループホームの栄養ケアも安心して任せられます。

料金は依頼内容や団体によって異なりますので、あらかじめ確認しておきましょう。

外部栄養士にお願いする方法

外部の施設や栄養ケア・ステーションに依頼する場合は、業務委託契約を結んで、管理栄養士に訪問してもらいます。
栄養ケア・ステーションに依頼するには日本栄養士会もしくは都道府県栄養士会で設置していますので、問い合わせてみてくださいね。

※参考: 公益社団法人 日本栄養士会「栄養ケア・ステーションの仕組み

栄養管理加算による助言と指導内容とは?

助言と指導内容

管理栄養士が行う助言や指導内容には次のようなものがあります。

・栄養評価の方法について指導
・低栄養状態の早期発見のための評価方法を指導
・食事中の傾眠・徘徊、拒食などの課題に対する対応方法の提案
・調理方法や献立の指導
・食形態の調整
・適した食形態にする方法を指導(とろみのつけ方など)
・調理における衛生指導

ここでポイントなのは、利用者ごとの栄養ケアやマネジメントではなく、事業所全体としての栄養ケアに対する指導や助言が目的であるということです。

入居者の食に係るものすべてと言ってもいいほど、助言や指導の範囲は広くなっています。管理栄養士の目線だからこそ発見できる課題も多くありますので、広い視野で入居者全体の栄養改善を図る必要があるでしょう。

記録内容

栄養管理加算を算定するにあたっては記録が必要です。様式は決まっていませんが、次の内容について記録しておくようにしましょう。

・事業所における利用者の栄養ケアを推進するための課題
・事業所における目標
・具体的方策
・留意事項
・その他必要と思われる事項

※参考: 公益社団法人 日本栄養士会「令和 3 年度介護報酬に関する質問と回答(Vol.1)

栄養管理加算で期待されること

認知症グループホームにおいて、栄養面での加算は今回が初めてです。そんな中、栄養ケアがどのような効果を発揮するのか気になる部分ではないでしょうか?

ここでは、栄養ケアが認知症に与える効果や管理栄養士の仕事内容についてご紹介します

栄養ケアが認知症に与える効果

栄養状態が認知症の発症や進行に影響を与えることが分かっています。

中等度~重度のアルツハイマー型認知症患者を対象とした研究では、次のことが判明しました。

【低栄養・体重減少が与える影響】
・認知機能の低下
・死亡率増加
・BPSD(認知症の行動心理症状)の悪化
(例:徘徊、興奮、意欲の低下)

グループホームでは、入居者すべての方が認知症を持っています。認知症の進行をなるべく抑えるためにも、栄養面からのケアが重要になるでしょう。

また、認知症にもアルツハイマー型認知症、レビー小体型認知症など種類があります。認知症の種類によっても現れる特徴が異なります。疾患に合わせた食行動への対処も望まれるでしょう。

栄養管理加算における管理栄養士の仕事内容

管理栄養士はグループホームを訪問して次のような点に着目して、助言や指導を進めていきます。

・食形態に問題はないか
・調理方法は適切か
・衛生管理は適切にされているか
・献立から栄養面に課題はないか
・食行動の異常に対する対応方法
・食生活に関する相談
・低栄養の評価方法の確認、早期発見

2020年に行われた介護給付分科会における報告では、利用者の食事や栄養について不安があると答えたグループホームは68%でした。

グループホームは小規模運営で、介護スタッフが食事作りも兼任しているケースが多いです。そのため、食生活や栄養面で不安や疑問があっても、相談できるところがないのが現状でした。

管理栄養士が積極的にグループホームの栄養管理に関わることで、入居者の栄養改善を向上させるだけでなく、スタッフの不安を軽減させる効果もあります。

さらに、食と栄養のプロの目線だからこそ発見できる課題やアドバイスを施設スタッフが受けることで、スタッフのサービスの向上にもつながります。

栄養管理加算に関わる管理栄養士は頼れる栄養のプロという相談相手でもあり、指導者であることが求められるでしょう。

まとめ

この記事では、認知症グループホームの栄養管理加算について詳しく解説してきましたが、いかがだったでしょうか?

この記事のポイントは次の3つです。
・栄養管理加算とは、施設スタッフが監理栄養士から栄養ケアに関する助言や指導を受けたときに算定できる。
・外部の管理栄養士からの指導でも栄養管理加算は算定できる。
・栄養ケアは認知症の進行予防に効果がある。

認知症患者にとって栄養改善は非常に重要な役割を持ちます。積極的に管理栄養士と関わることで今まで気づかなかった課題に気づけるチャンスが生まれます。

栄養管理加算の算定を検討している方、これから栄養管理加算に関わる管理栄養士の方は、この記事を参考にしてみてくださいね。

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