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介護や福祉分野におけるインテグレーションの考え方や取り組み

近年、福祉分野でもよく耳にする「インテグレーション」。今後さらに高齢化が進む日本においては、インテグレーションの考え方がさまざまな場面で重要だと考えられています。

【この記事で分かること】
・インテグレーションとは何か
・介護分野におけるインテグレーションの例
・インテグレーションの実践ポイント

介護分野においてインテグレーションの考え方を取り込みたいと思う方は、この記事を参考にしてみてくださいね。

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インテグレーションとは何か?

インテグレーションという言葉はさまざまな分野で使われます。
ここでは、インテグレーションの意味について紹介します。

インテグレーションの意味

インテグレーションとは、異なる複数のものをまとめることを意味します。ITや数学、教育分野でも使われていて、分野によってまとめる対象は異なります。

介護や福祉分野におけるインテグレーションの意味

介護や福祉分野におけるインテグレーションとは、介護を必要とする方や障害を持つ方が他の人との差別なく、地域で生活できるようにサポートすることを意味します。ハンディキャップがある人もない人もまとまって生活できるように、ニーズに合わせて、支えていこうという考え方ですね。

インテグレーションと類似した言葉の違い

介護や福祉の分野では、インテグレーションという言葉以外にも、ノーマライゼーションやインクルージョンなどの似たような言葉が存在します。
ここでは類似した言葉の違いについて紹介します。

ノーマライゼーションとは

ノーマライゼーションとは、障害者や高齢者などのハンディキャップを抱えた人たちを特別視せず、他の人と同様、平等に過ごせるような社会の体制を作っていこうとする考え方です。現代の社会福祉において理想として掲げる目標とも言えます。インテグレーションやインクルージョン、バリアフリーといった考え方は、ノーマライゼーションを目指すための手段です。

インクルージョンとは

インクルージョンとはどんな人も排除せずに、社会の一員としてサポートし合うことを意味します。障害や年齢、性別、犯罪歴で差別することなく、社会活動に参加できるようにする考え方です。

インテグレーションは手法の一つ

インテグレーションは、ノーマライゼーションを目指すための手段の一つです。どのような人も平等に自分らしく社会生活を送れるように、それぞれのニーズに合わせたサポートを行うことが期待されます。インテグレーションのポイントは、高齢者や障害者本人を変えるわけではないということです。支援の対象者が自立した生活や自分らしい生活ができるように、周りが対象者に合わせて動くという考え方がインテグレーションの根底にはあります。

介護分野におけるインテグレーションの例

実際の介護の現場におけるインテグレーションの具体的な活動として次の2つが挙げられます。

・地域包括ケアシステム
・ケアマネージャーによるサポート

地域包括ケアシステム

地域包括ケアシステムとは、高齢者が自分らしく暮らし慣れた地域で暮らしていけるように総合的なサービスを地域で受けられる仕組みです。
ここでは地域包括ケアシステムについて詳しく紹介します。

高齢者が安心して住み慣れた地域で暮らせる

高齢者が自立して住み慣れた地域で暮らせることを目指します。深刻な少子高齢化が進む日本において、要介護高齢者の数に対する介護人員の不足、核家族化による高齢者単身世帯の増加が問題となっています。
そのため、国の制度だけでは十分ではないと考えられるようになりました。そこで、地域包括ケアシステムを通して地域の方々と協力して、高齢者を支えていく体制作りが推し進められるようになりました。

介護予防を重視

大きな目的の一つとして、高齢者の介護予防があります。身体的な衰えや生活への刺激が減少すると、要介護状態に陥るリスクは高まります。高齢者の方々にボランティアなどの社会参加や、地域の中での役割を持ってもらうことで、心身の充実につながり、介護予防の効果も期待できます。

地域包括ケアシステムの5つの柱

地域包括ケアシステムの構成には、5つの大きな柱があります。

・住まい
高齢者が最期のときまで過ごす住処を提供する必要があります。
自宅や高齢者施設だけでなく、高齢者向け住宅の拡充も地域の需要に合わせて必要となるでしょう。
また、住宅関連の手続きについてサポートすることも地域包括ケアシステムに含まれるでしょう。

・医療
かかりつけ医や連携病院同士の情報共有や連携が重要となります。
また、医療機関同士、介護施設から医療機関のサービスの切り替えをシームレスに行うことで、高齢者や家族の負担を軽減します。

・介護
介護は、在宅系サービスと施設・居住系サービスの2種類に分けられます。
介護が必要になったときに、自宅で介護を受けながら生活をするか、施設などに入所して介護を受けるのか、本人のニーズに合わせた対応ができるように体制を整える必要があります。

・生活支援
自治体やボランティア、NPO法人などが主体となって高齢者の支援をしていくサービス活動です。
例として、配色、買い物支援、サロンの開催、安否確認などがあります。専門性を必要としない分野のため、積極的に地域住民の協力を呼びかけることが大切です。

・介護予防
要支援の方々も安心して在宅生活を送れるように、介護予防サービスを受けられる体制作りがされています。
家事援助といったサービスを受けることだけでなく、地域交流に参加することも介護予防につながります。

ケアマネージャーの高齢者サポート

ケアマネージャーは利用者のニーズに合わせて、施設サービスや居宅サービス等の介護サービスを組み合わせながら、高齢者が地域で住みやすいように調整します。また、介護サービスの調整だけでなく、高齢者が孤立しないように社会活動への参加を促すことも期待されます。

介護・福祉分野におけるインテグレーション実践のポイント

介護福祉分野におけるインテグレーションはどのように進めたらよいか迷う方も少なくないでしょう。ここでは、インテグレーション実践のポイントを紹介します。

ニーズの調査

まずは対象者のニーズを把握することが重要です。ニーズの調査方法として、対象者自身からのヒアリングは勿論のこと、地域の特徴をおさえることも必要になるでしょう。地域性によって抱える課題や解決の方向は異なります。利用者のニーズと地域の課題を洗い出しましょう。

社会資源を探す

地域に眠る社会資源を探しましょう。高齢化が進むなかで、国や地方自治体の制度だけでは高齢者へのサポートが十分に行き届かない可能性もあります。地域住民によるボランティアや地域の青年会など、地域で高齢者を支える仕組みをつくれないかという視点を常に持ち、積極的に働きかけましょう。

会議の開催

地域に関係する全ての人が参加できる会議を開催しましょう。ざっくばらんな意見交換ができる場を設けて、地域の課題の共有と解決に向けた検討を行いましょう。商店街の方や介護施設スタッフなど、さまざまな方に参加してもらうことで幅広い解決方法が期待できます。

課題に対する対応策のPDCA

対応策が実行できたらPDCAサイクルで振り返りと改善を繰り返していきましょう。課題に対して対策を実行して終わりではありません。効果の確認と改善を繰り返していくことで、より効果的な結果を望めるでしょう。

まとめ

この記事のポイントは次の3つです。

・インテグレーションとは、介護を必要とする方や障害を持つ方が他の人との差別なく、地域で生活できるようにサポートすること。
・介護分野でのインテグレーションの例として地域包括ケアシステムが挙げられる。
・インテグレーション実践のポイントとして、ニーズの調査、社会資源を探す、会議の開催、対応策のPDCAが重要。

インテグレーションの考え方は今後の福祉業界でさらに重要となるでしょう。例として挙げた事例以外にも、日々の介護業務の中に取り込むことも可能です。ぜひ積極的に意識して取り組んでみてくださいね。

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