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介護職が知っておくべき燃え尽き症候群(バーンアウト)とは?症状や対策方法を紹介

燃え尽き症候群(バーンアウト)とは、仕事や育児などに熱心に取り組んでいた人が、定年退職や子供の独立を迎え、意欲を失ってしまう状態のことを言います。要介護高齢者の介護施設への入所を機に、燃え尽き症候群(バーンアウト)を引き起こすご家族の方も多いため、介護職が知っておくべき症状です。本記事では、燃え尽き症候群(バーンアウト)の症状や対策方法について解説します。

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燃え尽き症候群(バーンアウト)とは?

別名「バーンアウト」と呼ばれている、燃え尽き症候群。仕事や育児などに熱心に取り組んでいた人が、定年退職や子供の独立を機に、燃え尽きてしまったように意欲を失う症状です。介護職は、燃え尽き症候群を起こしてしまった方と接する機会が多くあります。介護施設でよく見られる燃え尽き症候群の一例は、以下の通りです。

・長らく在宅介護を続けてきた家族介護者が、親の介護施設への入居を機に燃え尽き症候群を起こしてしまった
・親の介護施設への入居と子供の独立のタイミングが重なり、燃え尽き症候群を起こしてしまった

利用者様への対応だけでなく、ご家族の方への対応も必要不可欠な介護職にとっては、燃え尽き症候群への理解や正しい対応が求められます。また、定年退職をした頃の記憶や、子供が独立した頃の記憶が強く残っている認知症の利用者様にも、燃え尽き症候群の症状が見られる場合があります。利用者様やご家族の方との関わりの中で、介護職が「もしかして燃え尽き症候群かも」と感じる機会は少なくありません。しばらく様子を観察し、必要に応じて適切な対処法を伝えることが大切です。

「燃え尽き症候群」と「うつ病」との違い

燃え尽き症候群の症状と、「うつ病」で見られる症状は似ている点があります。それは、どちらも無気力な状態や、落ち込んだ気分になるという点です。しかし、燃え尽き症候群とうつ病は、それぞれ異なる症状を持っています。
「燃え尽き症候群」と「うつ病」のそれぞれの違いは、以下の通りです。

●燃え尽き症候群
・喪失感や絶望感、孤独感を感じることが主な特徴
・生活環境の変化に強い不安を感じる
・自分の過去の努力や成果を認めてくれる人に、心を許しやすい

●うつ病
・気分の落ち込みが半年~1年ほど、一貫して続くことが主な特徴
・イライラし、他者を怒ったり責めたりする
・自分自身に対する怒りや責め、罪悪感をもつ

燃え尽き症候群(バーンアウト)の症状・原因

燃え尽き症候群を引き起こすことで、どのような症状が現れるのでしょうか。また、燃え尽き症候群を引き起こす原因には、どのようなことが挙げられるのでしょうか。ここからは、燃え尽き症候群の3つの症状と、それぞれの原因をご紹介します。

感情の消耗

・これまで好きだった趣味に急に無関心になる
・昼夜逆転状態(夜眠れない・朝起きられない)になる

燃え尽き症候群を引き起こすことで、ある日突然、上記のような症状が現れます。子供の世話や親の介護を丁寧に行ってきたり、仕事を精一杯頑張って部下や顧客との信頼関係を築いてきたりなど。これまで仕事や育児、介護などに全力を出し尽くしてきた分、感情を消耗してしまっているのです。その結果、感情に使うエネルギーがなくなり、これまで好きだった趣味に無関心になったり、生活リズムが乱れたりします。

脱人格化

・これまで無遅刻無欠勤だった人が、急に遅刻や欠勤をするようになる
・これまで丁寧だった仕事が急に雑になる
・感情や意欲がなくなり、コミュニケーションがとりづらくなる

燃え尽き症候群により感情が消耗し続けると、感情エネルギーのさらなる消耗を阻止するために「脱人格化症状」が現れます。脱人格化症状は、他者との関わりに疲れを感じるようになることが特徴です。その結果、他者を気遣う気持ちが極端に低下し、仕事や他者への態度が雑になっても気にしなくなってしまうのです。

自己肯定感の著しい低下

・暴飲暴食や、アルコールの量の増加
・ストレスによる不眠や頭痛などの不調

感情の消耗と脱人格化が進むことによって、自己肯定感の著しい低下が生じます。「どうせ自分なんかがいても、会社の邪魔になるだけだ」と思い込み、突然退職することもあります。仕事に対する自信だけでなく、自分自身のことを過小評価することで、うつ病を併発してしまう可能性もあるのです。

燃え尽き症候群(バーンアウト)になりやすい人の特徴

燃え尽き症候群は、どのような人が引き起こしやすいのでしょうか。燃え尽き症候群を引き起こす原因には、大きく分けて「個人因子」と「環境因子」の2つがあります。ここからは、この2つの原因に合わせて、燃え尽き症候群になりやすい人の特徴をご紹介します。ご紹介します。

個人因子

個人因子とは、主に個人の性格や考え方、価値観に起因する要因のことです。

例えば、
・仕事に対して人一倍真面目に、一生懸命取り組む性格の人
・完璧主義の考えを持つ人
・世話焼きで、熱心に他者の世話をするのが好きな人 など

燃え尽き症候群を引き起こしやすい方の特徴は、『一生懸命で真面目な性格』であることです。仕事や家事、子供の世話や親の介護など、何事にも一生懸命に取り組む人ほど、定年退職や子供の独立、親の逝去を機に燃え尽き症候群を引き起こしやすくなります。

環境因子

環境因子とは、主に職場や家庭などの周辺環境に起因する要因のことです。

例えば、
・長時間の残業や休日出勤が多い職場環境
・田舎で公共交通機関が利用しづらく、介護が必要な親と関わる時間が長い など

燃え尽き症候群は、周囲の環境による影響でさらに引き起こしやすくなります。長時間労働や、孤立した環境での家事・育児・介護によって負担がかかり、心身ともに疲れ果ててしまうことで、燃え尽き症候群を引き起こすのです。

燃え尽き症候群(バーンアウト)の対策・予防方法

燃え尽き症候群には、適切な対策方法があります。燃え尽き症候群に陥ることなく、自分らしく楽しく生活を送るためには、日頃から以下の点に留意して日常生活を送ることが大切です。

・目の前の仕事や家事、育児、親の介護だけにやりがいを求めない
・職場や家庭の内外に相談できる相手を持つ
・常に冷静で客観的な態度を持って、目の前のことに取り組む
・自分の中で限界値を設定し、目の前のことから離れる時間を作る
・食事をバランスよく摂り、十分な睡眠をとる

自分の心に余裕がないまま仕事や家事、育児、親の介護に熱心に取り組み続けることで、燃え尽き症候群を引き起こしやすくなります。燃え尽き症候群を引き起こして、日常生活を送ることすらままならない状態にならないよう、日頃から予防していくことが大切です。

介護職も燃え尽き症候群(バーンアウト)になりやすい?

介護現場で関わる利用者様とそのご家族の方だけでなく、介護職も燃え尽き症候群になりやすいと言われています。その大きな理由は、介護職の仕事の成果が正当に評価されない場合が多いからです。介護職は、介護施設という限られた空間の中で、24時間体制で利用者様のケアを行います。しかしながら、「給料が低い」「頑張りが認められない」という不満が生じやすく、仕事へのやりがいを失ってしまうのです。特に、仕事に対して人一倍真面目に取り組んでいる方や、利用者様に対して深く関わろうとしている方は、注意が必要です。心身ともに負担が重くのしかかってしまい、燃え尽き症候群を引き起こす可能性が高くなります。以下の症状は燃え尽き症候群の前兆ですので、気づいたらすぐに上司に相談し、仕事を休むようにしましょう。

・仕事に対して「ひどく疲れきっている」と感じる
・仕事中にイライラして、後輩に八つ当たりをしてしまう
・仕事に対してやる気がです、職場に行くのがつらいと感じる
・仕事に対してやりがいを一切感じず、常に自信がない
・仕事で関わっている利用者様に対して、強いイラつきを感じる

原因と適切な予防方法を知っておくことが大切

燃え尽き症候群は、仕事や家事、育児、親の介護などに熱心に取り組んでいる人が起こしやすい症状です。そのため、介護分野の支援者である介護職が理解しておくべき症状の1つです。しかし、燃え尽き症候群は介護職が引き起こしてしまうリスクも十分にあります。燃え尽き症候群の症状や予防法をしっかり理解し、「疲れ」や「イライラ感」などの前兆を感じたら無理せずに休養をとることが大切です。

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