近年、高齢化が急速に進行している日本では、介護サービスや介護職の需要が年々高まっている傾向にあります。無資格未経験でも働くことができる介護職ですが、介護技術の習得で、専門性を高めることが可能です。本記事では、介護職に必要な介護技術の習得や、介護職の専門性について解説します。
介護職のスキルアップの重要性
介護職は無資格・未経験の方でも働くことができる職種です。しかし、その一方で、利用者様お一人おひとりの心身状況や価値観、現在抱えている疾病などに応じた専門的な対応が求められます。介護職に「スキルアップ」が重要な理由は、以下の通りです。
・高品質な介護サービスを提供できるようになるため
・介護職として必要な知識や技術を身につけ、介護現場で実践するため
・資格取得によるスキルアップと、資格手当による昇給を目指すため
介護職が習得するべき介護知識・介護技術
無資格・未経験でスキルを持っていない介護職が習得するべき介護知識・介護技術にはどのようなものがあるのでしょうか。ここからは、介護職が習得するべき介護知識・介護技術について3つご紹介します。
コミュニケーションスキル
入社したての新人介護職が、入社後すぐに行われる新人研修で教わるのが、コミュニケーションスキルです。介護現場では、利用者様やご家族の方とのコミュニケーションと、信頼関係の構築が欠かせません。また、介護職同士や看護師、ケアマネジャー、リハビリ職などの多職種連携でのチームワークにおいてもコミュニケーションが欠かせません。利用者様との接し方やコミュニケーションの測り方を学ぶことはもちろん、介護現場でコミュニケーションが重要とされている理由についても学びます。
利用者様やさまざまな疾病・障がいへの理解
自分自身が担当する利用者様がどのような人生を歩み、どのような価値観を持っている方なのか。また、認知症や脳血管障害の後遺症など、どのような疾病・障がいを抱えているのかについて、理解しないままケアを行うことはできません。まずは「フェイスシート」と呼ばれる利用者様のプロフィール情報を読んだり、利用者様とのコミュニケーションを通じて、利用者様への理解を深めます。なお、高齢者に多い疾病・障がいについての理解を深めることで、介護職としての知識やスキルが豊かになります。
介護ケアにまつわる専門知識・専門技術
介護職として、実際に利用者様に食事や入浴、排泄、着替え、移乗などの介助を提供する際、介助の手順や方法が分からなければ、戸惑ってしまいます。まずは先輩介護職と一緒に仕事に入り、見学をしたり、先輩の指導のもと、実際の介助を行ったります。介助の手順や方法は、介護施設ごとや介護職一人ひとりによって異なる場合もあるのが現状です。実際の介護現場に入って実務を学ぶだけでなく、外部研修に積極的に参加することで、正しい介護技術を習得することができます。
介護職のスキルアップにオススメの資格
介護職が介護知識・介護技術を習得し、専門性を高めるためには、介護資格の取得がオススメです。介護資格では、介護職が段階的にスキルアップできるよう、難易度別にさまざまな種類の資格が用意されています。ここからは、介護職のスキルアップにオススメの資格を5つご紹介します。
介護職員初任者研修
介護職員初任者研修とは、無資格・未経験の介護職がまず初めに取得する、いわば「初心者向け」の資格です。130時間のカリキュラムを受講後、簡単な筆記試験への合格で資格取得となります。介護職員初任者研修の資格を取得することで、1人で利用者様宅への訪問を行う「訪問介護事業所」で働くことが可能になります。もし無資格であれば、訪問介護事業所での勤務ができません。
介護福祉士実務者研修
介護福祉士実務者研修とは、介護職員初任者研修よりもより専門性の高い、応用力のある介護知識・介護技術が習得できる資格です。また、介護福祉士実務者研修を取得することで、介護福祉士国家資格を受験する際に、必要な受験資格を満たすことができます。将来的に介護福祉士の取得を目指している方は是非、介護福祉士実務者研修を取得してみてください。
介護福祉士
介護福祉士とは、数ある介護資格の中で唯一の国家資格です。介護福祉士の資格を保有していることで、介護業務に関する専門性の高い知識や技術を有していることが証明できます。また、介護福祉士の有資格者は、人材育成を任されたり、リーダー職・サービス提供責任者などを担ったりすることも可能です。資格手当ももらえるうえ、転職時に非常に優遇されます。
生活相談員
生活相談員とは、資格の名称ではなく、職種の名称です。社会福祉士や精神保健福祉士、社会福祉主事任用資格のいずれかを保有している方が、生活相談員として活躍できます。利用者様やご家族の方の相談援助業務がメインのため、介護現場で活躍する介護職に比べて体力的な負担が少ないことが特徴です。
介護支援専門員(ケアマネジャー)
介護支援専門員(ケアマネジャー)とは、数ある介護資格の中で最も上位資格であると言われている資格です。介護サービスの利用を希望されている方や、既に介護サービスの利用をされている方のケアプランを作成したり、モニタリングをしたりします。そのため、事務業務がメインのイメージがありますが、利用者様やご家族の方とのコミュニケーションを図る機会も多い、やりがいのある仕事です。
専門性の高い介護職にできる行動
専門性の高い介護知識・介護技術を習得し、スキルアップした介護職には、どのようなことができるようになるのでしょうか。ここからは、専門性の高い介護職にしかできない行動を3つご紹介します。
前向きな姿勢で新しい知識・技術を学び続ける
無資格・未経験の介護職であれば、一体何から勉強すればいいのか、どこで介護知識・介護技術を学べるのかなど、ほとんど理解していません。しかし、専門性の高い介護職こそ、さらなるスキルアップや自己研鑽を目指して、研修や勉強会に積極的に参加します。介護保険制度が3年ごとに更新されたり、新たなマニュアル内容が追記されたりと、介護現場での業務は日々変化していくことばかりです。そのため、いくら専門性の高い介護職でも、学び続ける姿勢を持って仕事に取り組むことを欠かしてはいけないのです。
視野が広い
新人介護職や、経験が浅い介護職は、目の前の利用者様のことしか見ていない傾向にあります。そのため、同じフロアで別の利用者様がよろけても気づかず、そのまま転倒してしまうということがよくあります。しかし、専門性の高い介護職は常に広い視野を持っていることが特徴です。目の前の利用者様やご家族の方の対応をしていても、自然な感じで辺りを見渡しながら、他の利用者様にも気を配ることができるのです。
リスクマネジメントに長けている
利用者様の急な体調不良や意識レベルの低下などは予測不可能です。しかし、専門性の高い介護職は、利用者様の細かな変化も見逃しません。利用者様の普段とは少し違う顔色や表情の変化を捉え、「もしかしたら…」と推測する力を身につけています。そのため、急な体調不良や意識レベルの低下、呼吸困難などの緊急事態に遭遇しても、慌てずに適切な対応ができるのです。
介護職の専門性に関する課題
介護現場で活躍する介護職全員が、高い専門性やスキルを持っているわけではありません。介護職の専門性については、いくつかの課題があります。介護職の専門性に関する課題は、主に以下の5つです。
・介護サービス提供の根拠である「介護過程」を理解していない介護職が多い
・新人介護職が意欲的でなく、疑問を持ったり、自ら質問しようとしたりしない
・「多職種連携」でのチームケアを理解できていない介護職が一定数存在する
・先輩介護職が介護知識・介護技術の基礎を教える時間の余裕がない
・業務に慣れ過ぎて、コンプライアンスや守るべき倫理に反している介護職がいる
特に、利用者様のニーズや生活課題を解決するための介護サービスを考案し、提供する「介護過程」については、介護福祉士の資格取得の際に勉強します。そのため、介護福祉士の資格を持っていない介護職は介護過程について一切理解していないのです。介護職一人ひとりの専門性やスキルの差が大きく、統一的でないことが1番の課題となっています。
まとめ 介護職は専門性を高めることが重要
介護職は、無資格・未経験でも働くことができますが、資格取得や研修・勉強会への参加などで専門性を高めることが重要になります。専門性が評価されることで、介護職としてのモチベーション維持にも役立ちます。資格取得や研修・勉強会などを通じて、スキルアップを目指してみてください。
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