看護師の資格は4種類！資格の違いやなる方法、資格の難易度を解説

クリニックや病院でやさしくケアをしてくれる看護師。給料が比較的高く、専門職で場所を問わずに働けるため、人気の高い職業です。将来看護師になりたいと志す方も多いと思いますが、実は看護師の資格には種類があるのをご存じですか？自分がやりたい分野やどのような仕事に就きたいかによって、必要な資格は異なります。
この記事では、看護職における4つの資格の違いや資格取得の方法、難易度について詳しく解説します。将来、看護師や助産師、保健師などの看護職を目指す方は、ぜひこの記事を参考にしてみてくださいね。

求人を紹介してもらう

看護師をはじめとする看護職の4つの資格
資格別！看護職の資格を得る方法
看護職における資格の難易度
まとめ

看護師をはじめとする看護職の4つの資格

患者様のケアや健康のための助言、診療の補助などを行う看護職。看護職は大きく4つの資格に分かれます。それぞれの資格で治療の対象者や業務内容に違いがありますので、看護職を目指す方は就職後のミスマッチを起こさないためにも違いについてよく理解しておきましょう。

正看護師の資格

正看護師は医療的知識や技術を持つ国家資格です。診療の補助や患者様の心身のケアによって、患者様の疾患の回復をサポートします。働く場所によって仕事内容は異なり、診療科に合わせてより深い専門的な知識を有する必要があります。（内科なら内科、小児科なら小児の医療に関する知識を高めていく）
主に点滴や採血、バイタルチェックなどによる診療の補助や、食事や入浴、排泄といった身体的な介助などを行います。その他にも病気によって不安になっている患者様やご家族の精神的なケアも看護師の重要な仕事です。
また、正看護師は医療機関だけではなく、幅広い場所で需要が高い職業です。病院の他にも行政や企業、訪問看護ステーション、高齢者施設、障害者施設、保育園などさまざまな職場があります。

准看護師の資格

准看護師は都道府県知事の認定による資格です。仕事内容は正看護師と同じく、診療の補助や身体介助などを行います。正看護師との違いは主体的な医療行為が許されていないことです。准看護師は医師や正看護師の指示の下、業務を行う必要があります。そのため、指示なしで自ら医療行為を行うことはできません。
国家資格である正看護師と比べると、総合病院や大学病院などの大きな病院での求人が少ない傾向にあります。新人教育に力を入れるため、深い知識と技術を身につけている看護師を雇いたいという理由が関係しているでしょう。
一方で、准看護師は給与水準が正看護師より低いため、診療所やパート勤務での募集が多い特徴があります。

助産師の資格

助産師は妊娠から出産後のケア、育児に関する相談援助を行う、妊産婦と乳幼児に特化した看護職です。助産師は国家資格で、看護師免許の取得を前提としています。妊娠中は不安や悩みを抱える妊婦さんも多くいるでしょう。妊婦さんの気持ちに寄り添い、心身のケアや必要な助言を行うことが助産師の仕事です。
具体的な仕事としては、お産のサポートや妊娠中・出産後のケア、育児や母乳に関する助言などを行います。助産行為が認められているのは医師以外に助産師のみです。妊婦さんのお産の進み具合や状態を確認しながら、医師に処置を促すこともあります。妊娠中の保健指導や出産後に向けた母親教室なども助産師の大切な仕事です。また、正常な分娩であれば助産師のみで対応することも可能なため、助産師として助産院を開業することもできます。

保健師の資格

保健師は疾病の予防や健康増進のために助言や健康管理を行います。助産師と同じく、看護師免許の取得を前提とした国家資格です。他の看護職が疾病の回復や助産行為に関わる一方で、保健師の仕事は予防をメインとしています。子どもから高齢者まで幅広い年代を対象に健康の増進や疾患の悪化を防ぐため、生活習慣についての助言や指導、健康管理に携わります。
保健師は行政や企業、学校などを勤務先としており、勤務先によって対象者や仕事内容が異なります。行政では地域に住む方々の健康増進、企業では社員の心身の健康ケア、学校では学生の応急処置や健康管理を行います。

資格別！看護職の資格を得る方法

看護職は資格ごとに資格を得るためのルートが異なります。また、資格によっては2つの国家資格に合格する必要があるため注意が必要です。

正看護師になる方法

正看護師になるには正看護師国家試験に合格する必要があります。国家試験を受けるためには、大きく分けて3つの方法があります。

【正看護師になる方法】
・高校卒業後、4年制の大学の看護学科を卒業する
・高校卒業後、3年制の看護学校もしくは短大を卒業する
・中学卒業後、高等学校5年一貫教育を卒業する

この他、すでに准看護師の資格を取得している場合には、次の3つの内いずれかを満たすことで正看護師国家試験を受けることが可能になります。

【准看護師から正看護師を目指す方法】
・看護学校や短大で全日制の2年課程を卒業する
・看護学校や短大で定時制の3年課程を卒業する
・准看護師として7年以上の実務経験がある方は、通信制の看護学校で2年課程を卒業する

准看護師になる方法

准看護師は都道府県知事によって認められる資格です。准看護師試験を受けるには、2年制の准看護師養成学校に通う必要があります。
准看護師養成学校は中学を卒業していれば、入学が可能な学校です。全日制と定時制の学校があるので、自分のライフスタイルに合わせて学校を選ぶようにしましょう。定時制の学校であれば、昼間に仕事をしながら准看護師を目指すこともできるため、手に職をつけたいと悩んでいる方にもおすすめです。

助産師になる方法

助産師になるには、看護師国家試験と助産師国家試験の両方に合格する必要があります。例えば、助産師国家試験だけ合格しても助産師になることはできません。その場合、次の年以降に看護師国家試験に合格することで晴れて助産師になれます。
助産師国家試験を受けるには看護師課程に加えて、助産師になるための課程を修了している必要があります。

【助産師国家試験を受ける方法】
・4年制大学の看護学科において助産師養成課程のカリキュラムを修了する
・看護師資格を取得後、助産師養成学校で1年以上の助産師養成課程を修了する

※看護師は男性もなることが可能ですが、助産師は女性のみが取得できる資格なので注意しましょう。

看護師国家試験と助産師国家試験を同時に受けるには、4年制大学で看護師と助産師の両方の勉強をする必要があります。助産師養成課程は人数制限を設けているところもあるため、狭き門です。勉強量も看護師課程のみの場合に比べると多く、多忙になることは理解しておきましょう。

保健師になる方法

保健師になるには、看護師国家試験と保健師国家試験の両方の国家試験に合格する必要があります。

保健師国家試験を受けるには。看護師課程に加えて保健師養成課程を修了する必要があります。

【保健師国家試験を受ける方法】
・大学や看護学校で保健師養成課程を修了する
・看護師資格を取得後、保健師養成学校で1年以上履修する

大学や専門学校によっては保健師養成課程があり、そのコースを履修することで卒業時に看護師と保健師の国家試験をダブル受験することが可能になります。ただし、保健師養成コースがある学校は限られており、人数制限を設けていることもあります。その場合は、保健師養成課程のある大学への編入を考えてみてもいいでしょう。

看護職における資格の難易度

看護職になるための難易度は資格によって異なります。

正看護師資格の難易度

令和4年度の看護師国家試験の合格率は91.3%です。

※参考：厚生労働省「第108回保健師国家試験、第105回助産師国家試験及び第111回看護師国家試験の合格発表」

看護師国家試験は試験範囲が広く、試験合格に向けた対策が必要になります。しかし、合格率の高さをみると、適切に勉強できていれば試験の難易度としては高くない傾向にあります。
一方で、仕事しながら看護師を目指す方は勉強時間の確保が課題になるでしょう。

准看護士資格の難易度

令和4年度の准看護師国家試験の全国における合格率は97.9%です。

※参考：厚生労働省「令和４年度准看護師試験の実施状況を公表します」

准看護師は都道府県知事が与える資格で、合格率の高さと試験範囲の狭さから他の看護系資格に比べると難易度は低いです。
ただし、准看護師は仕事内容は正看護師と同じでも、自分の判断で医療行為を行うことはできません。加えて、給与水準も正看護師に比べて低いです。将来的なキャリアアップを見越すなら、正看護師を目指したほうがいいでしょう。

助産師資格の難易度

令和4年度の助産師国家試験の合格率は99.4%です。

※参考：厚生労働省「第108回保健師国家試験、第105回助産師国家試験及び第111回看護師国家試験の合格発表」

助産師の試験の合格率は90%以上と高い数値となっています。そのため、試験の難易度は高くないでしょう。
一方で、看護師と助産師の同時受験が可能な助産師養成課程を持つ大学は限られています。そのため、ダブル受験を目指す方にとっては大学に入るまでが一つの難関ともいえるでしょう。また、看護師と同時受験をする場合は日々の勉強や提出課題、受験勉強の面で多忙になる傾向にあります。看護師をやりながらあとで助産師を目指す方法もありますが、働きながら養成課程に通い、試験勉強をする場合も非常に多忙になるでしょう。

保健師資格の難易度

令和4年度の保健師国家試験の合格率は89.3%です。

※参考：厚生労働省「第108回保健師国家試験、第105回助産師国家試験及び第111回看護師国家試験の合格発表」

看護師や助産師の合格率に比べると合格率はやや落ちますが、90%近いため試験自体の難易度は高くないでしょう。ただし、助産師と同様に保健師養成課程を持つ学校が限られているため、入学までが一つのハードルになります。また、看護師とダブル受験する場合は日々の勉強と試験勉強に多くの時間を費やす必要があります。

まとめ

看護職は資格によって仕事内容やできることが異なります。それぞれの資格について違いを知っておくことで、自分の目指す姿ややりたいこととのミスマッチを防ぎましょう。特に助産師や保健師を目指す方は、ダブル受験が可能な学校に進むことをおすすめします。看護師の仕事をしながらでも目指すことはできますが、仕事に追われながら受験や勉強をするのは心身ともに疲弊しやすいです。それが看護師という人の命に関わる仕事ならなおさらでしょう。
近年では助産師課程や保健師課程のコースがある学校も増えています。ダブル受験を目指すと学生時代の自由な時間は少なくなるかもしれませんが、それでも自分次第で充実した時間を過ごせます。未来の自分にとってベストな選択をするための参考にしてみてくださいね。

「ミラクス介護」では、あなたの転職活動を求人紹介から入職決定まですべて無料でサポートさせていただきます。

ミラクス介護とは？

ミラクス介護の特徴