「社会福祉主事任用資格の最短の取得方法とは?」と悩まれている方がいるかもしれません。実は、文系の四年制大学や短期大学を卒業した方なら、すでに取得している可能性が高いということを、皆さんはご存じですか。そこで本記事では、社会福祉主事任用資格の概要や取得方法、取得の判断などについて解説します。キャリアアップや相談員への異動を考えている方は、ぜひ最後までご覧ください。
社会福祉主事任用資格とは
初めに、社会福祉主事任用資格が必要な職種や、すでに取得している方がいるということについて解説します。
生活相談員やケースワーカーになるために必要な資格
社会福祉主事任用資格とは、行政の社会福祉主事という職種に就く(任用する)方に必要な資格で、職種に就いたときに初めて資格として効果を発揮します。また、社会福祉施設の施設長や相談員に就くときにも必要とされる資格です。
社会福祉主事任用資格が必要な職種は以下のとおりです。
【福祉事務所】
・ケースワーカー(現業員)
・スーパーバイザー(査察指導員)
・老人福祉指導主事
・母子相談員
・家庭児童福祉主事(児童福祉事業での2年間以上の従事経験も必要)
・家庭相談員(児童福祉事業での2年間以上の従事経験も必要)
【各種相談所】
・知的障害者福祉司(知的障害者福祉事業での2年間以上の従事経験も必要)
・身体障害者福祉司(身体障害者福祉事業での2年間以上の従事経験も必要)
・児童福祉司(児童福祉事業での2年間以上の従事経験も必要)
【社会福祉施設】
・施設長
・生活指導員
・生活相談員
大学卒業者は社会福祉主事任用資格を取得しているかもしれない
実はこの記事を読まれているみなさんの中にも、すでに社会福祉主事任用資格を取得している方がいます。なぜなら、大学や短期大学で取得条件となる指定の三科目を履修し、卒業しているかもしれないからです。
大学や短期大学で指定科目の中から、三科目を履修して卒業すれば取得できるとされています。各学部の卒業生は以下のような三科目を履修して取得している可能性があるのです。
・法学部:法学・民法・行政法
・経済学部:経済学・経済政策・社会政策
・文学部:社会学・心理学・倫理学
次章では、そのほかの取得方法も含めて詳しく確認します。
社会福祉主事任用資格の取得方法
社会福祉主事任用資格を取得する方法は下記のように様々です。
指定三科目を履修して大学を卒業する
社会福祉主事任用資格を取得する方法の一つ目は、先ほど解説したとおり、指定科目の中から三科目を履修して大学や短期大学を卒業することです。指定科目は以下のとおり様々です。
●福祉系:社会福祉概論・社会保障論・社会福祉行政論・公的扶助論・身体障害者福祉論・老人福祉論・児童福祉論・家庭福祉論・知的障害者福祉論・精神障害者保健福祉論・社会福祉施設経営論・社会福祉援助技術論・社会福祉事業史・地域福祉論・保育理論・社会福祉調査論・家政学・介護概論
●医学・看護学系:医学一般・看護学・公衆衛生学・栄養学・医療社会事業論・リハビリテーション論
●文学系:社会学・心理学・倫理学・教育学
●経済学系・経済学・経済政策・社会政策
●法学系:法学・民法・行政法
上記の指定科目から三科目履修して卒業すれば取得条件を満たすため、文系大学だけではなく理系大学を卒業した方も取得している可能性があります。
また、指定科目は履修科目の名称とすべてあっている必要はありません。以下のように末尾が異なる場合や、末尾にⅠ・Ⅱがつき複数の科目に分かれていて全て履修する場合も、指定科目を履修しています。
・末尾が異なる場合の事例:経済学・経済概論・経済学概論・経済学総論でも可能
・複数の科目に分かれている場合の事例:経済政策Ⅰ・経済政策Ⅱと分かれていてすべて履修でも可能
自分でも気づかぬうちに取得しているかもしれないので、学生時代の履修科目を確認してみましょう。
※参考: 厚生労働省「社会福祉主事任用資格の取得方法」
中央福祉学院や日本社会事業大学の通信課程を修了する
社会福祉主事任用資格を取得する方法の二つ目は、社会福祉法人全国社会福祉協議会の中央福祉学院社会福祉主事資格認定通信課程や、日本社会事業大学社会福祉主事養成過程を修了することです。
二つの通信課程の研修期間と受講料は以下のとおりです。
【中央福祉学院】
・研修期間
春季コース:毎年4月から1年間
秋季コース:毎年10月から1年間
・受講料
89,000円(テキスト代含む)
【日本社会事業大学】
・研修期間
毎年4月から1年間
・受講料
134,000円(テキスト代含む)
通信過程は両校とも【通信学習→スクーリング】の流れですが、中央福祉学院のみ最後に修了テストがあります。
都道府県実施の講習会を修了する
社会福祉主事任用資格を取得する方法の三つ目は、都道府県が実施する講習会を修了することです。しかし、同講習会は制度上は存在し以前は実施されていましたが、現在ではどの都道府県も実施していないようです。同講習会を再開する都道府県があるかもしれないため、気になる方は都道府県の社会福祉関連部署に問いあわせてみましょう。
指定養成機関を修了する
社会福祉主事任用資格を取得する方法の四つ目は、指定養成機関を修了することです。指定養成機関とは、介護福祉士や保育士などを養成し社会福祉主事任用資格が得られる一部の専門学校です。社会福祉系のどの専門学校でも社会福祉主事任用資格が得られるわけではありません。一つの都道府県で数校と限られていますので、介護福祉士や保育士と一緒に社会福祉主事任用資格を取得したい方は、応募前によく確認することが重要です。専門学校についての詳しい情報は、独立行政法人福祉医療機構が運営するwam netで確認してください。
ここまで、概要や取得方法について解説してきました。最後は取得したほうがよいかで悩んだときの判断方法について解説します。
社会福祉主事任用資格を取得するべきか
社会福祉主事任用資格を取得するべきか、それとも、ほかの資格を目指すべきかで悩む方も多いでしょう。ここでは、悩んだときの判断方法について解説します。
キャリアアップしたいなら社会福祉士やケアマネなどを目指す
福祉業界でキャリアアップしたいなら、社会福祉士やケアマネジャーなどの取得を目指したほうがよいでしょう。なぜなら、社会福祉主事任用資格よりも難易度が高く評価されているからです。
社会福祉主事任用資格を社会人が取得する場合は、1年間の通信課程の修了が一般的であまり負担ではありません。しかし、社会福祉士やケアマネジャーは、合格率の低い試験に合格しないと資格を取得できません。ケアマネジャーは試験合格後に、さらに実務研修を受講する必要があります。これら二つの資格の令和2〜4年度の合格率は以下のとおりです。
令和2年度 | 令和3年度 | 令和4年度 | |
社会福祉士 | 29.3% | 31.1% | 44.2% |
介護支援専門員 | 17.7% | 23.3% | 19.0% |
※参考: 厚生労働省「第27回介護支援専門員実務研修受講試験の実施状況について」
社会福祉士やケアマネジャーの資格の取得は、職場内の評価だけにとどまりません。社会福祉士なら地域包括支援センターへ、介護支援専門員なら居宅介護支援事業所へと、有資格者として転職して仕事の幅を広げられる機会とも言えます。キャリアアップを考えているなら、社会福祉士やケアマネジャーの取得を考えましょう。
施設長・生活相談員へ就任予定なら社会福祉主事任用資格を目指す
特殊なケースかもしれませんが、職場内において施設長や生活相談員への就任が見込まれるなら、社会福祉主事任用資格を目指してもよいでしょう。なぜなら、ほぼ確実に取得できる社会福祉主事任用資格の取得のほうがメリットが大きいからです。
施設長や生活相談員になるためには社会福祉主事任用資格が必要です。社会福祉士でも社会福祉主事任用資格を取得している扱いになりますが、合格率が30%前後と低く取得が確実ではありません。施設長や生活相談員への就任が見込まれるなら、ほぼ確実に取得できる社会福祉主事任用資格の取得を目指したほうがよいでしょう。
社会福祉主事任用資格の制度を理解して自分に適した選択をしよう!
社会福祉主事任用資格は、生活相談員やケースワーカーになるために必要な資格です。大学・短期大学で指定の三科目を履修して卒業すること以外にも様々な取得方法があります。施設長や生活相談員への就任の見込みなら取得することをおすすめしますが、キャリアアップを目指しているのなら社会福祉士や介護支援専門員などを目指したほうがよいでしょう。
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