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認知症の食事管理方法とは?異食などの対処法紹介

「認知症の親の食事が進まなくて困っている」「色々な判断が難しくなっていることから異食が心配」と思っている介護家族も多いのではないでしょうか?
在宅で認知症の方のお世話をする上で、食事面の悩みは多いものです。できれば、認知症の方の自尊心を保ちながら安全な環境で食事を楽しんでほしいものですよね。そこで、この記事では、認知症の方のよくある食事トラブルや対処法、相談窓口などを解説していきます。

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認知症と食事

認知症の症状により、食事トラブルが起こることがあります。トラブルを防ぐ対処法を考える前に、まず認知症のことや食事トラブルが起こる理由を理解することが大切です。ここからは、認知症の症状や食事トラブルについてのことを解説していきます。

認知症とは

認知症は高齢者に多い疾患です。
具体的にどのような病気であるのか、厚生労働省HP「政策レポート(認知症を理解する)」では認知症について以下のように説明しています。

○ 認知症とはどういうものか?
脳は、私たちのほとんどあらゆる活動をコントロールしている司令塔です。それがうまく働かなければ、精神活動も身体活動もスムーズに運ばなくなります。
認知症とは、いろいろな原因で脳の細胞が死んでしまったり、働きが悪くなったためにさまざまな障害が起こり、生活するうえで支障が出ている状態(およそ6ヵ月以上継続)を指します。
認知症を引き起こす病気のうち、もっとも多いのは、脳の神経細胞がゆっくりと死んでいく「変性疾患」と呼ばれる病気です。アルツハイマー病、前頭・側頭型認知症、レビー型小体病などがこの「変性疾患」にあたります。
続いて多いのが、脳梗塞、脳出血、脳動脈硬化などのために、神経の細胞に栄養や酸素が行き渡らなくなり、その結果その部分の神経細胞が死んだり、神経のネットワークが壊れてしまう脳血管性認知症です。

※参考: 厚生労働省「政策レポート(認知症を理解する)

つまり、脳の神経細胞の異常により、なるのが認知症です。また、厚生労働省HP「政策レポート(認知症を理解する)」によると、認知症の症状は大きくわけて5つの種類にわけられます。

症状1 記憶障害:さまざまなことを忘れてしまう
症状2 見当識障害:季節感や時間の感覚が薄れたり、自分の歳がわからなくなったりする
症状3 理解・判断力の障害:些細な変化に混乱しやすくなる
症状4 実行機能障害:計画を立ててなにかをすることができなくなる
症状5 感情表現の変化:認知症になるとその場の状況が読めない

認知症といっても、症状の出方は人それぞれです。認知症の方がどの症状が出やすいのかを把握しておくことが、本人に寄り添ったケアに繋がります。

認知症で食事トラブルが起きる理由

上記で説明した通り、認知症になるとさまざまな症状がでます。その症状により、食事に関するトラブルが起きてしまうことも。例えば、記憶障害により、食べたことを忘れてしまい「過食」に走ってしまうこともあります。認知症による食事トラブルは、個々によって違うため、「何の症状によるものなのか」を探り、その原因を介護者が理解することが大切です。

認知症での食事トラブルとその対処法

認知症ゆえに起きてしまう食事トラブルがあります。
特に多いトラブルは以下の3つです。

・異食
・食事拒否
・過食

ここからは3つの食事トラブルについて説明するとともに、その対処法も紹介していきます。

異食

認知症の症状として、食べても良いものといけないものの判断ができなくなることがあります。そのため、口に入る小物などを食べ物と間違えて口に入れてしまうことも。異食は食中毒の危険でだけでなく、誤嚥や窒息に繋がりかねないため特に注意が必要です。

【対処法】
異食への対処法としては、目に入るところに小さなものや危険なものを置かないことが大切です。小さなサイズのものは口に入れてしまう可能性があるため、キッチンや机の上は気を付けて片づけるようにしましょう。すぐに片づけられる収納を多く設置しておくと便利です。

食事拒否

認知症症状として食事を食べなくなってしまうこともあります。

・どう食べたらいいのかわからない
・何を食べたらいいのかわからない

など、「食べる」という行為自体がわからず混乱したあまり、食事を拒否してしまうことも。また、「お腹が空いた」という感覚がよくわからなくなっている場合もあるでしょう。

【対処法】
まずは認知症の方が、食事を拒否する理由を、様子を見ながら考え明確にしていきましょう。「なにがなんだかわからない」といった理由で食事を拒否している場合には、本人が落ち着くまで待って、良いタイミングで少しずつ食事を勧めるような声掛けをしてみることがおすすめです。

過食

認知症の症状として、「食べたことを忘れてしまう」というケースがあります。また、「満腹だ」と感じることができず、暴食してしまうことも。
そのような場合には以下のような対処法を試してみましょう。

【対処法】
食事をしたことを忘れたり、満腹感が得られなかったりして過食してしまう場合は、食事したことを本人と記録する習慣をつけるのがおすすめです。例えば、食事を終えたあとに毎回食べたメニューを書いてもらうようにします。食べたことは忘れてしまっても、自分の字であることは認識してもらえる可能性があるため、説明して本人が「食べたこと」を納得できることもあります。本人と一緒に、「食べたことを納得する」方法を実践していきましょう。頭ごなしに「もう食べたのよ!」と言うのではなく、あくまでも、認知症の方のペースに合わせた対応が大切です。

認知症の食事で困ったときに相談したい場合

認知症の食事で困ったときは、1人で抱え込まず介護や栄養のプロに頼るのも手です。
在宅介護による食事の悩みは、以下のプロに相談することができます。

・管理栄養士
・ケアマネ

ここからは、認知症の食事で困ったときの相談窓口を紹介していきます。

訪問栄養指導を頼む

訪問栄養指導は、管理栄養士など栄養のプロが在宅に出向き、高齢者の食事指導をするサービスです。医師より、「栄養指導が必要」と判断された場合、受けることができます。そのため、訪問での栄養指導を受けたい場合はまず病院で「認知症症状で困っていることや食事面での悩み」を相談してみることがおすすめです。

ケアマネに相談してみる

認知症の方の食事含む生活面で悩んだ場合は、最寄りのケアプランセンターに相談してみることもおすすめです。困っていることを相談すれば、ケアマネが応じてくれます。また、要介護認定をまだ受けていない場合は、ケアマネが必要な手続きをある程度代行してくれる可能性が高いため、スムーズに介護サービスの利用を開始することができます。困ったら一人で抱えこまず、ケアマネに相談してみましょう。

介護サービスの利用を検討してみる

認知症の方の食事に困ったら、ケアマネに相談し、介護サービスの利用を検討してみるのも手です。要介護度により、受けられるサービス内容や回数が異なりますが、要介護度が認定されればなんらかの介護サービスを受けることができます。
認知症の方に、特におすすめの介護サービスは以下です。

・要介護度1~5の場合:グループホームへの入居・訪問介護サービスやデイサービスの利用
・要介護度3~5の場合:特別養護老人ホームへの入居

グループホームは、認知症対応型の居宅介護であり、要介護度1や2であっても認知症と診断されていれば入居できます。在宅での介護を継続する場合は、デイサービスや訪問介護サービスなどを利用し、スタッフと食事のことを相談しながら一緒に進めていくのもおすすめです。

まとめ

認知症の方に安心して食事を摂ってもらうために、まず食事トラブルの具体的な原因を把握することが大切です。原因が把握できたら、記事を参考にそれぞれに合った対処法を実践してみましょう。そして、認知症の方が心置きなく食事を楽しめる環境を整えてあげることが大切です。

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