「介護技術講習制度ってどんな制度?自分は対象になるの?」介護福祉士を目指す方のなかには、このような疑問を持つ方も多いのではないでしょうか?
介護技術講習制度とは、介護福祉士国家試験において行われる実技試験を免除できる制度のことです。
この記事では、介護技術講習制度の特徴や対象者、利用方法などについて詳しく解説します。介護福祉士を目指している方は、ぜひこの記事を参考にしてみてくださいね。
介護技術講習制度って何?
介護技術講習制度がどんな制度なのか知らない方も多いでしょう。ここでは、介護技術講習制度の概要や対象者について解説します。
介護福祉士の実技試験を免除する制度
介護技術講習制度とは事前に定められた講習を受けることで、介護福祉士国家試験における実技試験を免除できる制度のことです。通常、介護福祉士になるには国家試験で筆記試験と実技試験の2つに合格する必要があります。筆記試験と実技試験はそれぞれ別日に開催され、特に3月上旬に行われる実技試験は受験者の負担になっていました。こうした背景から受験者の負担軽減と介護技術の向上を目的として、介護技術講習制度が2005年度の試験から導入されました。
介護技術講習制度の対象者
介護技術講習制度の対象者は介護福祉士国家試験で実技試験が必要な受験者で、実技試験の免除を希望する人です。実は、実技試験は全ての受験者に必要なわけではありません。介護福祉士になるためのルートは複数あり、実技試験が免除される受験者も多くいます。
次のルートの受験者は実技試験が必要で、介護技術講習制度の対象となります。
【実技試験が必要な受験者】
・平成20年度以前に福祉系高校に入学した方
・福祉系特例高等学校を卒業後、実務経験が9か月以上ある方
・EPA(経済連携協定)の介護福祉士候補者で、実務経験が3年以上ある方
※EPA(経済連携協定)介護福祉士候補者とは
EPA(経済連携協定)の下、介護施設などで介護の経験を積み、日本の介護福祉士資格を目指す外国人のこと。EPAの対象国はフィリピン、ベトナム、インドネシア。
実技試験免除となる対象者
介護福祉士の実技試験が免除になる受験者は次のとおりです。
【実技試験が免除になる対象者】
①養成施設ルートの方
・介護福祉士養成施設(2年以上)
・福祉系大学+介護福祉士養成施設(1年)
・社会福祉士養成施設+介護福祉士養成施設(1年)
・保育士養成施設+介護福祉士養成施設(1年)
②実務経験ルートの方
3年以上の実務経験に加えて、次のいずれかの研修を受けた方
・実務者研修
・介護職員基礎研修+喀痰吸引等研修
③平成21年度以降に福祉系高校に入学し、卒業した方
この他、介護技術講習などの特定の講習を受けた場合に実技試験が免除されるケースもあります。
【介護技術講習制度or介護過程・介護過程Ⅲを受けることで免除される】
・平成20年度以前に福祉系高校に入学した方
・福祉系特例高等学校を卒業後、実務経験が9か月以上ある方
【介護技術講習制度or介護過程・介護過程Ⅲor実務者研修を受けることで免除される】
・EPA(経済連携協定)の介護福祉士候補者で、実務経験が3年以上ある方
このように通常、実技試験の免除の対象にならない受験者も介護技術講習制度を活用することで実技試験が免除されます。
介護福祉士ってどんな資格?
そもそも介護福祉士とはどのような資格なのでしょうか。ここでは、介護福祉士の資格について詳しく解説します。
介護福祉士とは
介護福祉士とは介護の専門知識を有して、高齢者や障害者などに介護サービスを提供する介護のプロです。
介護系職種のなかで唯一の国家資格であるため、食事や入浴などの直接的な介護に留まらず、専門職として現場での指示や指導も求められます。
介護福祉士の試験内容
介護福祉士の国家試験は筆記試験と実技試験の2つがあり、両方の合格をもって、晴れて介護福祉士になれます。筆記試験は毎年1月末頃、実技試験が3月上旬頃に行われます。
筆記試験は220分の試験を午前と午後に分けて実施。試験は全11科目125問を5者択一式で解くマーク問題です。
実技試験は介護のシュミレーション試験となっています。利用者の氏名や身体状態、現在の状況等が提示され、想定の状況に適した介護を実際に行う試験です。課題の提示から試験前に10分程度考える時間を与えられ、試験自体は5分程度で終わります。
このように介護福祉士の国家試験は、筆記と実技について別日に試験を受ける必要があります。
介護福祉士試験の合格基準
試験の合格基準は筆記試験と実技試験でそれぞれ次のように定められています。
【筆記試験の合格基準】※1問1点
・総合で60%以上の得点がある
(その年の問題の難易度によって、基準点が多少前後する)
・全11科目すべての科目において得点がある
【実技試験の合格基準】
総得点の60%程度の得点がある(その年の問題の難易度によって、基準点が多少前後する)
特に筆記試験では1つでも0点の科目があると不合格になってしまうため、注意が必要です。
介護技術講習制度って何?
介護技術講習とは、どんな講習内容なのか気になりますよね。ここでは、介護技術講習の内容や場所、申込方法などを解説します。
講習場所
介護技術講習は厚生労働省によって認められた介護福祉士養成施設で実施されます。そのため、受講にあたっては直接講習を受けたい施設に申し込む必要があります。
講習内容と必要な講習時間
講習は次の8つの項目を合計32時間かけて学びます。主に一日8時間×4日間のスケジュールで行う施設が多いです。
【講習内容】
①介護課程の展開
②コミュニケーション技術
③移動の介助等
④排泄の介助
⑤衣服の着脱の介助
⑥食事の介助
⑦入浴の介助等
⑧総合評価
また、講習を受ければ必ず修了認定をもらえるわけではありません。32時間のカリキュラムへの全ての参加に加えて、受講全体における評価や受講態度について総合的に判断されることで修了の認定がされます。
免除はいつまで有効?
介護技術講習による実技試験の免除は講習終了後、続けて行われる3回分の国家試験において有効となります。また、免除の有効回数は筆記試験の合否や受験したかどうかに関わらず、講習終了後に行われる3回の国家試験でのみ有効となります。つまり、講習後3年分の3回の試験が有効期間です。もし筆記試験を1回受けなかったからといって、免除期間が延長されることはないので注意しましょう。
申込方法
介護技術講習の申込は、実施する介護福祉士養成施設にて行います。実施場所や日程、受講料、申込方法はそれぞれの介護福祉士養成施設によって異なります。そのため、詳しい情報は受講を希望する施設に問い合わせたり、ホームページを確認したりするようにしましょう。受講希望者が多い場合には抽選になるケースもあるため、早めに施設へ確認するようにしましょう。また、受講は自分の住んでいる都道府県以外の施設でも問題ないため、あらかじめ複数の候補を考えておくことも大切です。実技試験を免除するためには、あらかじめ介護福祉士の試験を申し込む際に所定の欄に実技試験免除の希望について記載する必要があります。介護技術講習制度を利用する方は忘れないようにしましょう。
まとめ
介護技術講習制度とは、介護福祉士試験の実技試験を免除するための制度です。介護福祉士になるには筆記試験と実技試験の両方に合格する必要があります。試験の負担を軽減するために、実技試験を免除をしたい方は介護技術講習を受けましょう。介護技術講習は厚生労働省から許可を受けた介護福祉士養成施設で実施されます。気になる方はぜひ、それぞれの施設の講習実施予定を確認してみてはいかがでしょうか?
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