似ている印象を持つ2つですが、比べてみると違いが多く、全く異なる職種であることが分かります。この記事ではそれぞれの目的や仕事内容、資格、給料などについて詳しく違いを解説します。介護や看護の仕事に興味を持つ方はぜひ参考にしてみてくださいね。
介護と看護の5つの違い
介護と看護はどちらも人のケアをすることから似ている部分がありますが、比べてみると異なる部分のほうが多いです。介護と看護の違いは次のとおりです。
目的の違い
【介護の目的】
日常生活のなかで精神的もしくは身体的に困っている方に対して、自立できるように身の回りのサポートをすることが目的です。高齢者や障害者など、日常生活を営む上で援助を必要としている人が対象になります。
近年、高齢化が進む中で介護の現場は施設だけに留まらず、自宅や高齢者住宅など広がりをみせています。こうした変化に合わせて介護の仕事も多様化しており、介護人材は常に求められている状況です。
【看護の目的】
怪我や病気の人が回復できるように医療行為やケアを行うことが目的です。また、体だけでなく心の健康を保てるように相談に乗ったり、助言したりすることも看護の大切な役割です。主に病気やケガをした人を対象としています。
食事介助や入浴介助など身の回りのケアをするという点では、介護の仕事と似たところがあります。しかし、それに加えてバイタルチェックや点滴などの医療行為が必要な点が介護との違いです。
資格の違い
看護分野と介護分野では取得する資格にも大きな違いがあります。
【介護の資格】
介護の仕事は必ず資格がないといけないわけではありません。しかし、無資格の場合は業務内容に制限があります。資格を取得することで専門的な業務に携われるようになり、給与のアップやキャリアアップを目指すことができます。 介護に関わる資格は主に次のとおりです。
・介護福祉士
実際に介護を行う資格の中で唯一の国家資格です。利用者に寄り添いながら身の回りのお手伝いをしたり、心身の健康を向上できるようにサポートしたりします。
他の介護士との違いは介護に関する専門的な知識やスキルを持つことから介護現場におけるリーダーとしての役割が求められることです。
・介護支援専門員(ケアマネージャー)
都道府県知事によって交付される公的資格の一つで、利用者の具体的なケアプランを立てる役割を持ちます。
利用者の心身における機能低下を予防するためにどのようなケアが必要か検討し、具体的な計画を立てるのが仕事です。介護業務と兼任して行う人も多くいます。
・社会福祉士
福祉全般の専門的知識を持つ国家資格です。利用者やご家族からの相談を受け、関連機関と連絡調整を行いながら、必要な制度やサービスに誘導する役割を持ちます。
【看護の資格】
看護師の資格は大きく分けて4つの種類があります。看護の仕事に関わるには次のいずれかの資格が必要になります。
・正看護師
正看護師は診療補助や患者さんの心身のケアを行う国家資格です。医師に代わって点滴や採血などの診療補助を行うだけでなく、患者さんの食事介助や入浴介助、服薬管理など身の回りのお世話もします。
また、病気やケガで不安になっている患者さんやご家族に寄り添い、助言することも大切な仕事です。
・准看護師
准看護師は正看護師と異なって国家資格ではなく、都道府県知事によって交付される公的資格。しかし、仕事の内容は正看護師と同様に診療補助や患者さんのケアです。正看護師との違いとしては、准看護師は自分の独断で医療行為を行うことが禁止されています。そのため、医師や正看護師の指示を受けて業務を行う必要があります。
・保健師
保健師資格は正看護師の資格がないと取得できない国家資格です。主に病気の予防や健康増進のために仕事を行います。
看護師は怪我や病気の治療を目的としていますが、保健師は怪我や病気にならないことを目的に日々の生活について助言を行います。
・助産師
助産師も正看護師の資格がないと取得できない国家資格です。妊娠中の女性や乳幼児を専門にケアします。
妊娠中や産後のお母さんと子どもに寄り添い、出産のサポートや育児や母乳に関する助言、出産前後ケアなどを行います。
仕事内容の違い
【介護の資格】
介護は保有する資格などによって業務内容が異なります。
〈介護福祉士の仕事〉
介護の仕事は主に身体介護と生活援助がメインになります。
・身体介護:利用者の体に直接触れる介護。
(食事介助、排泄介助、入浴介助、移乗介助など)
・生活援助:家事などの日常生活における身の回りのお世話。
(調理、掃除、買い出し、洗濯など)
介護の仕事は利用者が安全に安心して暮らせるようにサポートすることですが、自立を促すことも大切な役割です。そのため、できることはなるべく利用者自身で行ってもらい、心身の機能の低下を防げるように工夫します。
〈介護支援専門員の仕事〉
主な仕事は「車いすへの移乗ができるようになる」など、利用者ごとに目標を立てて、達成するための具体的なケア計画を立てることです。
・ケアプランの作成
・サービス事業所との調整
・サービス担当者会議の開催
〈社会福祉士の仕事〉
利用者やご家族の相談を受け、適切なサービスを受けられるように調整するのが仕事です。
・相談を受けて、助言する
・関連機関との連絡調整を行う
・サービスの内容が適切か定期的にモニタリングする
【看護の資格】
〈正看護師、准看護師の仕事〉
看護師の主な仕事は医師の診療を補助し、患者さんの心身のケアを行うことです。
・バイタルチェック、問診
・点滴、採血
・服薬管理
・身体介助(入浴介助、食事介助など)
・体位交換
・カルテの記録
・医師の診察補助
・手術器具の受け渡し
〈助産師の仕事〉
妊娠から出産までの妊婦や乳幼児のケア、健康指導などを行います。
〈保健師の仕事〉
病気を防ぐために健康増進のための指導を行います。
働く場所の違い
【介護関連の働く場所】
・高齢者施設
・障害者施設
この他に社会福祉士の場合は行政機関や地域包括支援センターなどがあります。
【看護関連の働く場所】
・病院
・クリニック
・高齢者施設
・障害者施設
医療機関だけでなく、高齢者施設や障害者施設での健康管理に携わることが可能です。助産師は助産院や産婦人科クリニック、保健師は行政機関や企業への就職など就職先の幅が広がります。
給料の違い
一般的に看護系職種の方が介護職よりも給料は高い傾向にあります。それぞれの職種における平均給与は次のとおりです。
【看護系職種】
看護師 | 准看護師 | |
平均年齢 | 40.7歳 | 51.2歳 |
平均月給 | 35万円 | 29万円 |
平均賞与(ボーナス) | 86万円 | 62万円 |
【介護系職種】
介護支援専門員 (ケアマネージャー) | その他社会福祉専門職従事者 | |
平均年齢 | 51.6歳 | 44.9歳 |
平均月給 | 28万円 | 28万円 |
平均賞与(ボーナス) | 64万円 | 70万円 |
※1,000円以下切り捨て
※参考:政府統計の総合窓口(e-Stat)「賃金構造基本統計調査 / 令和4年賃金構造基本統計調査 一般労働者 職種」
給与は看護職も介護職も地域や職場、勤務形態によって異なるため、一概に看護師の方が高待遇であるとは言えません。しかし、一般的に看護師の給料が高いといわれるのは、専門性の高さとリスクを伴う仕事だからです。
看護師には夜勤手当だけでなく、オンコール手当や危険手当など様々な諸手当が用意されています。さらに働く場所によっては、病気への感染リスクが高く、夜間の対応にも追われます。看護師はさまざまなリスクを背負いながら、患者さんの命を預かる責任の重い仕事です。そのため、手当が厚くなっており給料が高くなります。
介護と看護はどちらがおすすめ?
介護の仕事と看護の仕事は似ているようでいて、それぞれ専門性の異なる職種です。そのため、自分がどのような仕事に携わりたいのかが重要になるでしょう。
それぞれおすすめしたい方は次のとおりです。
〈介護職がおすすめの方〉
・高齢者や障害者の身の回りのサポートをしたい
・無資格でも可能な仕事がいい
・働きながら資格が取れる仕事がいい
・夜勤の仕事も可能
〈看護職がおすすめの方〉
・医療的なケアから怪我や病気の人をサポートしたい
・医療機関から介護の現場など就職先の幅が広い資格がいい
・日勤の仕事が選べる職種がいい
まとめ
介護と看護は身の回りのお世話やケアをするという面で似ている部分がありますが、目的や対象者、仕事内容、職場などの多くが異なる職種です。働き方や仕事内容など、それぞれの違いを理解して自分に合った職種を選ぶようにしましょう。
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