「人手不足を解消するために、介護ロボットの導入を検討している」
「介護ロボットの特徴を知りたい」と考えている方も、おられるかもしれません。
そこで今回は、介護ロボットの種類やメリット・デメリットについて紹介します。
介護ロボットとは
介護ロボットとは、利用者の自立支援や介護者の負担の軽減に役立つ介護機器のことを指します。補足として、ロボットは以下の機能を持つものです。
・情報を感知(センサー系)
・判断して(知能・制御系)
・動作する(駆動系)
介護ロボットの一つに、見守りロボットがあります。介護施設の場合、夜勤スタッフは利用者さんの居室を巡視する必要があります。
しかし見守りロボットなら、目視による巡視は不要。カメラにより一覧で部屋の様子を見られます。さらにエアコンの操作や生活リズムの解析も可能です。
介護ロボットが注目される背景と普及率について
介護ロボットが注目される背景には、介護業界における深刻な人手不足があります。人口における高齢者の比率は増加傾向にあるものの、労働人口は減少していくと予想されているのです。
介護負担を軽減するため、見守り支援や移乗支援などを行う介護ロボットが注目されています。
ただし介護ロボットの普及率は、決して高くありません。介護施設を対象にした調査によると、すでに導入している施設は全体の約25%です。
導入していない主な理由は、以下の通りです。
・導入する予算がない
55.3%
・清掃や消耗品管理などの維持管理が大変である
26.0%
・技術的に使いこなせるか心配である
25.9%
予算や維持管理に必要なコスト、技術的な面に不安を抱えていることが分かります。
※参考: 公益財団法人介護労働安定センター「令和元年度介護労働実態調査 事業所における介護労働実態調査結果報告書」
介護ロボットの種類について
ここでは、注目されている主な介護ロボットの種類を5つ紹介します。
1.移乗介助ロボット
2.移動支援ロボット
3.排泄支援ロボット
4.見守り支援ロボット
5.入浴支援ロボット
それでは、順に紹介していきます。
移乗介助ロボット
利用者さんを車いすからベッドへ移動する際などに使用します。ロボット技術によるパワーアシストにより、介助者の腰にかかる負担を軽減します。
介助者の体に装着して使用する「装着型」と、装着しない「非装着型」があります。
移動支援ロボット
利用者さんの移動を支援します。屋内と屋外、それぞれで使用するタイプがあります。
・屋内型:屋内での移動や、トイレなどでの立ち座り時の姿勢保持をサポート
・屋外型:外出時、買い物した荷物等を乗せて安全に歩行できるように支援
排泄支援ロボット
排泄物の処理にロボット技術を用いています。排泄支援ロボットのひとつに、臭いを気にせず利用できる、次世代ポータブルトイレがあります。
トイレに行くのが難しい方でも部屋で排泄でき、自動的に水で流したり、ラップで包んだりしてくれるのです。従来のポータブルトイレと比べて、臭いを気にせず利用できます。
見守り支援ロボット
見守り支援ロボットには、「介護施設型」と「在宅介護型」があります。
・介護施設型:複数の利用者さんを同時に見守れる。異常を感知した場合、スタッフに知らせてくれる機能もある。
・在宅介護型:転倒検知センサーや外部通信機能を搭載しており、転倒などがあれば自動的に介護者まで知らせてくれる
入浴支援ロボット
浴槽に出入りする際の動作を支援してくれます。設置や取り外しが簡単にできるのが特徴。
介助を必要とする人が入浴する時のみ設置し、家族の入浴時には取り外せます。
介護ロボット導入のメリット
ここでは、介護ロボットを導入するメリットについて3つ紹介します。
1.介護者の負担を軽減してくれる
2.利用者さんの負担を軽減してくれる
3.仕事の効率がアップする
それでは順に解説していきます。
介護者の負担を軽減してくれる
介護ロボットは、介護者の身体的・精神的な負担を軽減してくれます。介護ロボットのパワーアシストやセンサーなどが、介護をサポートしてくれるからです。
具体的な例は、以下の通りです。
・パワーアシストにより、抱え上げ動作が楽に行える
・センサー導入により、夜間巡回の負担が軽減した
・浴槽の出入りの際、転倒などのリスクが軽減した
介護者の負担が軽減すると、腰痛やストレスを原因とする退職者を減らす効果も期待できます。
利用者さんの負担を軽減してくれる
介護を受ける側にもメリットがあります。入浴や排せつ行為は本来プライベートな行為であり、誰にも見られたくないものです。
介助してもらう際には、どうしてもストレスを感じてしまいます。
その点、介護ロボットであれば気を使わずに済むため、精神的な負担も軽減することが可能です。
また夜間の見守りセンサー導入により、巡回訪問が減って熟睡できる利用者が増加したケースもあるようです。
仕事の効率がアップする
介護ロボットの導入により、仕事の効率アップも期待できます。従来の業務に必要な時間を短縮できるからです。
例えば、
・これまで2人のスタッフが行っていた移乗介助が1人でできる
・夜間スタッフが行う巡視の回数が減った
・排泄介助の介護負担が減った
以上のように業務負担を軽減させ、空き時間を事務作業などにあてられます。
介護ロボットの導入のデメリット
ここでは、介護ロボット導入のデメリットについて3つ紹介します。
1.導入コストのハードルが高い
2.設置や保管スペースが必要
3.操作方法に慣れる必要がある
それでは順番に解説していきます。
導入コストのハードルが高い
介護ロボットの導入には、数百万円の費用がかかるケースもあります。高性能を誇る反面、どうしても高価になってしまうのです。
導入後は、メンテナンスや修理にかかる費用も必要です。
また介護ロボットは大量生産できるほど普及していないため、価格を下げられない現状もあります。
設置や保管スペースが必要
介護ロボットは、設置や保管スペースを必要とします。特に移乗介助のためのパワーアシスト系のロボットは性質上、大きいものが多いです。
収納スペースを持つ大型介護施設なら、問題は少ないでしょう。しかし小規模の事業所や一般家庭には、スペースを確保するのは難しいかもしれません。
操作方法に慣れる必要がある
介護ロボットを安全に使用するには、正しい操作方法を覚えることが必要です。すべてのスタッフへ操作方法を周知するため、講習会などが開催されることもあります。
その場合、どうしても残業や休日での講習になりがちであり、スタッフの負担になってしまうこともあります。
まとめ
今回は、介護ロボットについて紹介しました。
介護ロボットには、移乗や排泄、入浴などをアシストしてくれる様々な種類のものがあります。
介護者の負担を軽減してくれるのは当然ながら、「気を使わなくていい」「プライベートな行為を人に見られなくて済む」などの理由で、介護を受ける側にもメリットがあるのです。
しかし導入コストが高いことや、設置スペースが必要なことなども原因で、ロボットの普及率は25%程度に留まっています。
介護ロボットが注目される背景には、深刻な介護業界の人手不足があります。
導入した施設では、スタッフの負担が軽減し、業務効率がアップしているとの報告もあるようです。今後さらに普及するためには、補助制度などを拡充し、個人や施設が導入しやすい環境を整えることが必要なのかもしれません。
今回の記事をきっかけに、介護ロボットへの興味をお持ちいただけると幸いです。
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